岡本健作

紙の上で、鉄の肌を表現することで、機械をはじめとするモノと人との関係を問う。近代を問う…

岡本健作

紙の上で、鉄の肌を表現することで、機械をはじめとするモノと人との関係を問う。近代を問うという大風呂敷を広げて作品を作っています。

マガジン

  • 勉強

  • 鉄道模型を作る

    コンパクトに手元におけるNゲージのレイアウトの制作記です。 完成目指して、作業ごとに更新していこうと思います。 更新頻度は2か月に1回が目安。不定期です。

  • アートコンセプト

    自分の作品の趣旨に沿うような雑感を、エッセイに書き起こしたものです。

  • 随筆・エッセイ

  • 作品集

    作品を鑑賞するにあたっての手引きのようなものです。

最近の記事

ただ重ねる、無名で白紙の日々。

(この作品は、今から2年前の年末に執筆したものであるが、直近の心境としてどことなく近いものがあり、ここに残そうと思う。) 今日は、何をしただろうか。 今日は、未来に何かを残せる何かをしただろうか。 昨日は、どうだっただろうか。 昨日は、なにかしただろうか。 昨日した何かは、今日残っていただろうか。 明日は、何をするだろうか。 明日は、未来に何か残せるだろうか。 明日は、今日の上に立っているのだろうか。 今、何者でもない自分に焦りながら、何者かになるために研鑽を積まなけ

    • コーヒーの記

      今朝は8時に起きてみたけれども、前日カメラバッグをさげて歩き回ったおかげで全身筋肉痛であった。二度寝を決め込む。 次に目が覚めたのは10時を過ぎた頃であった。さすがに起きようと思い立った。シャワーを浴びた。今日何をしようというわけではないけれども、ぼんやりと湯を浴びながら一日の流れを考えてみる。ふと、湯につかりたいと思う。しかしすぐに体の筋肉痛からくる倦怠感を覚えてやめる。 浴室から上がると、すこしだけCADをいじる。アトリエに置く棚の設計をいじる。箱を組むだけの簡単な構

      • 開かれた窓

        このコロナ禍は、意図せずして、機械との不思議な経験をもたらした。 それは「電車の窓が開け放たれていること」によってもたらされた。 以前から窓が開いていることはあったが、ここまで気兼ねなく開けることはなかっただろう。開け放たれた窓は、実に不思議な機械との体験をもたらしてくれた。いや、追体験といったほうが正しいだろうか。 そのとき私は、仕事からの帰り道だった。いつものように阪急電車にのると、何となく風に当たりたくなって、窓の横に立った。顔を外に向けると、ガラスの開かれた部分

        • 世界は機械に包まれている

          街の喧騒は日常生活に忙殺されて、すっかり我々の意識の背景と化してしまっている。今ここにある音が何であるかも知らずに、我々はそこを素通りしている。 ところが、街の喧騒に耳を澄ませ、何の音であるか聞けば、世界を構成する元素のひとつがそこにはある。 道を走るバスの音、街灯の蛍光灯の音、踏切の遮断機の音、電車が走りゆく音、自動販売機の唸る音、室外機のスイッチが入る音 街の喧騒とは、すなわち、機械の音の集合体なのだ。それらは、すべからく、機械の音なのだ。これらの「機械音」は街

        ただ重ねる、無名で白紙の日々。

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          何を積んでいかなくてはいけないか

          自分には語りたい自分がいるし、表現したいことがある。思うところあって、作品を発表しているんだから、自分は割としっかりアーティストをやっているんだなと思った。 そう思ったので、思ったなりに、しっかりやらねばならぬと思うのだ。 アーティストとしてしっかりやることの第一歩は、思うに、表現が「独りよがり」にならぬことだと思う。 アートという道筋は、ひとつそういうことであると思うし、ほかにもあるかもしれない。アートというのが一番大きな枠組みだとしたら、その下には分野というくくりが

          何を積んでいかなくてはいけないか

          床下重工と申します。

           床下重工の岡本健作です。床下と書いて「トコシタ」と読みます。昔から工作するのが好きで、中学生のときは紙工作や、模型制作にあけくれていました。  勉強机には参考書のかわりに、紙クズと模型の部品であふれ、作業台と呼んだ方がふさわしいような光景でした。  その時使っていた机が、ロフトベッド付きで、常に「寝床の下」が作業場でした。寝「床」の「下」でトコシタです。  その時作っていたのは、電車や船の模型でしたが、精神的なところでは、どこか本物に通ずるものを作っているつもりでいま

          床下重工と申します。