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西丘塔子
2024年4月19日 17:54
玄関でいつものように鍵を握るといつもより重たく感じた。鍵が重たいのか、手が重たいのかそんな、どうでも良いことを考えながら真意と逆方向のエレベータのボタンを押す。昨晩の木枯らしに舞った枯れ葉をざわついた心で踏むと沈黙を割る警告音が鳴り響いた。冷たい匂いと灰色の地面に耐えられなくなって空を見上げる。巨大な白い翼竜が飛んでいた。巨大な卵を食べる瞬間だった。どんな風に