旅ログ049 東所沢〜新座
気温が体温よりも高いような、カンカンに暑くてとても外を歩けないような日が何週間も続いて、ようやく今日、ざあっと雨が降った。
ぐっと涼しくなった雨あがりの午後、私は西へ歩き始めた。
途中で南へ折れ、大きな神様の像(の後ろ姿)のそばを通って坂を下った。
坂の下には川が流れていた。
先日出会った、空堀川(からぼりがわ)と柳瀬川(やなせがわ)が合流した川だ。(旅ログ048)
川の周辺には木道が整備されていた。
セミの大合唱の中、アメンボが泳ぎ、真っ青なトンボが飛んでいる。
生命の宝庫のような美しい場所だ。
思い返せば、ここまでの旅路で私が美しいと思った景色は、ほとんど水辺だな。
しばらく川沿いを歩き、そのあと川をわたって南へ歩いた。
どんどん空が晴れて気温が上がってきてしまい、冷たい甘味でひと休みした。
日が暮れかけたころ、私はまた美しい水辺に出会った。
小川沿いの遊歩道だ。
小川の向こうは大きな森になっている。
棘のある高い柵に囲まれて、公園にしては閉鎖的だ。
研究施設か何かだろうか。
途中、蛍を育てている小屋があった。
あと1時間もすれば、光る蛍を見られるかもしれないと思った。
しかし、かすかに雷鳴が聞こえたり、遠くに稲光が見えたりしていたので、早く先へ進んで街に入ることにした。
雷に打たれて死ぬだなんて絶対にいやだ。
私はまだ海も見ていないんだから。
なんとか日が暮れる前に、「新座(にいざ)」の鉄道駅で旅のログを終えた。
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