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「お客様は神様です」の神様って?

今年2024年は、三波春夫さんの生誕100周年だそうです。

三波春夫さんは1957年歌手としてデビューし、1990年代までご活躍された国民的歌手ですよね。

特に、1964年東京オリンピックの際の『東京五輪音頭』や、1970年の日本万博のテーマ曲『世界の国からこんにちは』は広く日本人に愛されました。

東京オリンピックの翌年に生まれた私にとって、三波春夫さんは、リアルタイムで歌をお聞きした記憶はありませんし、あまり関心もありませんでした。

ただ、故郷新潟出身の偉大な歌手であられるということと、三波さんの名言と言える『お客様は神様です』という言葉だけの印象でした。

この『お客様は神様です』という言葉すら本当の意味を知りませんでした。


今回、三波春夫さんの生誕100年特別企画 メモリアルコンサートに母の付き合いで行かせていただくことができ、三波春夫さんの素晴らしいお人柄を知ることができました。そして、考えさせられることがありました。


コンサートの第1部は、『三波春夫の大忠臣蔵』

本来3時間半もあるプログラムのようですが、1時間ほどの内容でした。
三波さんご本人の音声も交えながら、五木ひろしさん・三山ひろしさん・市川由紀乃さん・辰巳ゆうとさんが演じられた舞台は圧巻でした!

実は忠臣蔵も興味なかったんです、これまで💦
歴史は苦手だし、敵討ちとはいえ争いごとはあえて見たくないという・・

しかしこの舞台では、歌と、歌の間に挟まれるセリフだけで「忠臣蔵」をざっくりではありますが理解できたのは凄いです!
ジンと胸に迫るものがありました。


そして、第2部のはじめ。
先程の出演者の皆様のトーク。勿論三波さんの話題です。

そこでお話しされたのが『お客様は神様です』の言葉の意味。

家に帰ってから調べましたら、三波春夫オフィシャルサイトにその記載がありましたので、引用させていただきます。

『歌う時に私は、あたかも神前で祈るときのように、雑念を払ってまっさらな、澄み切った心にならなければ完璧な藝をお見せすることはできないと思っております。ですから、お客様を神様とみて、歌を唄うのです。また、演者にとってお客様を歓ばせるということは絶対条件です。ですからお客様は絶対者、神様なのです。』

三波春夫オフィシャルサイト

歌手として歌を歌う、「セリフ入り歌謡曲」や「長編歌謡浪曲」で歴史上の人物や物語を歌い語る、その折の三波春夫の心構えを表現した言葉であり、お客様に歓んでいただくことを歌手人生の第一義として追及して生きた、三波春夫らしい心情を表したものでした。
 また、三波春夫の舞台をお客様が楽しみにお越しになり、三波も一所懸命に舞台をつとめるといった、楽しさや高揚感がいっぱいの、歓び合う場での思いを表したものでした。

https://www.minamiharuo.jp/profile/index2.html

 
音楽、美術など芸術の原点は、神様をworshipする、というところにあり
ただ美しいとか整っていることでヒトは感動するのではなく、

『雑念を払ったまっさらな、澄み切った心』

で歌う、演奏する、創作する。

そのことが人の心を感動させるのだなぁ、とあらためて感じさせていただきました。

そして、こんな深い心をもって歌手として人生を生きた方がわが故郷新潟から出てこられていたということも誇りです。

日本の心として大切にしていきたい。

今もその心で歌い継いでくださっている五木ひろしさん、三山ひろしさん、市川由紀乃さん、辰巳ゆうとさん。

これからもぜひたくさん舞台で演じ続けていただきたいです!




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