シェア
朱莉の働いている花屋には気さくなゴールデンレトリバーがいる。彼の名前は「玄武」なのだが、…
その日は雨が降っていた。わたしはココアをつくるためにミルクパンで牛乳を温めながら洗い物…
カナちゃんは、ダサい。たぶん自分では洗練されたコンサバ系のつもりで生きているのだろうが…
その日、マイちゃんと私は一緒に渋谷で浴衣を物色した後、神南のあたりにあるパンケーキと紅…
ときどき、高校生の頃の自分を羨ましく思う。なぜそんなことを思うのか、自分でもよくわから…
彼は地元の電鉄会社に就職してしまった。大都市トウキョウからは遠く離れた地元の、ほとんど…
今時こんなの流行らないよ、と誰かに笑い飛ばされそうなくらいくたびれたアパートの一室で、詩織は考え事をしていた。窓から差し込んでくる街灯の光が妙に湿っぽく感じて慌ててカーテンを閉めると、思ったよりも濃度の高い暗闇に覆われた。詩織は急いで部屋中の電気(といっても1Kのアパートなのでせいぜい廊下とリビングくらいのものだ)を点ける。 この部屋の家主は、きっと詩織より早く目を覚まして、コンビニにお茶でも買いに行っているのだろう。もしかしたら、コンビニで近所に住んでいる友達と会って