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40年前の遊具を復刻! くるくるまわるのりもの遊具の現代版 【ゴーラウンド・サイクル】 ができるまで

2020年11月に販売を開始したのりもの遊具「ゴーラウンド・サイクル」。このちょっと変わったのりもの遊具がどのようにしてできたのか?開発の裏側をご紹介します。

開発がスタートしたのは2017年。過去の自社カタログに載っていた「メリーゴーラウンド」のような商品の復刻版という位置づけでした。

当時の商品名は「回転走行車」。なんとも時代を感じるネーミングですが、どんな商品なのかわかりやすくて良いですね。いまから約40年前です。

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▲ カタログにはなぜかバツ印が… 廃盤のタイミングでしょうか?

商品展開は「4人用」「5人用」「8人用」の3種類。3人用もあるんですが、「メリーゴーランド」という違う商品名になっていました。見た感じは同じシリーズなのですが何か理由があったのでしょう。

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▲ 3人乗りだけなぜか名前が違う…

さて、復刻版を作製するにあたり、まずは大まかな仕様を考えます。「回転走行車」はアンカーを打って固定する商品だったので、復刻版はセンター軸を失くして自由に移動できる仕様にしました。いまは据え置き遊具の需要はあまりないですからね。

形状は「偏荷重」を考慮し3人乗りに。地面との接点が3つというのが一番安定すると考えてのことです。

ここからは「設計」→「試作」→「検証」…という作業を繰り返していくのですが、思いのほか難産でした。

まずは最初に考えた「3人乗り」という仕様。これが漕ぐとまったく安定せず。安定しない理由が「3人乗り」ということに行き着くまでにずいぶんと遠回りしました。例えば、「サドルの下にタイヤを配置すれば良いのでは?」からはじまり、タイヤのサイズを変えたり、転倒防止フレームを付けてみたり、と。

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▲ 初回の試作。ここから試行錯誤が続きます。

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▲ 転倒防止フレームを付けてみたり…

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▲ タイヤを変えてみたり…

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▲ 4人乗りにしてみたり。

とりあえず備忘録として開発の経緯をまとめてみました。

<開発経緯>

漕ぐとフレームが傾く
(事象)
 ↓
サドル下に支えがないため(原因)
 ↓
フレームを太くする(対策)
 ↓
タイヤを太く小さくして重心を下げる(対策)
 ↓
サドルの真下にタイヤを配置(対策)
 ↓
転倒防止のフレームを設置(対策)
 ↓
一輪車の乗り方になりペダルが重たく漕ぎにくい(事象)
 ↓
転倒防止フレームの地面との隙間はNG(事象)
 ↓
タイヤを細くする(対策)
 ↓
サドルの位置を1cm刻みで後方に移動(対策)
 ↓
転倒防止フレームを外す(対策)
 ↓
4人乗りに変更(対策)
 ↓
サドルの位置を調整(対策)
 ↓
サイズを検証(検証)
 ↓
重さを検証(検証)
 ↓
完成


最終的な「安定化」のポイントは「偏荷重」「サイズ」「重量」。これが、いくつもの試作を重ねて辿り着いた結論です。よしこれでOK!という「カタチ」ができあがり、最後は実際にこどもに使ってもらう「モニタリング」です。

対象年齢のお子さんに乗って(漕いで)もらうと、思っていたより漕ぎにくそうに見えます。そして4人乗るとちょっと窮屈そうな感じも。すでに販売時期もアナウンスしていたのですが、急いで仕様を再検討することにしました。ちょっとでも乗り心地が悪いと「またこの乗り物で遊ぼう」とはなりませんからね。

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▲ これはちょっと小さかった…

検討の結果、全体のサイズアップを行うことにしました。自社の営業車(軽バン)で運ぶことができ、納品時の輸送コストなども考慮し、ギリギリまでサイズを大きくすることで、より漕ぎやすく、安定感も増しました。

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▲ サイズ調整してようやく完成!

色は「回転走行車」の復刻版ということで、当時と同じ「レッド」に。トッケンのロゴの色です。

ーー

ここまで紆余曲折する商品はあまりないのですが、それだけに思い入れの強い商品でもあります。すでに世の中にあるものではないからこその、新しい価値感、新しい楽しさを提案できたのではないかと思っています。

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くるくるまわる乗り物「ゴーラウンド・サイクル」の特徴をまとめると、「漕ぐのが軽い」ということ、そして「省スペース(直径2m程度)で1人〜4人で遊べる」「そこそこのスピード感が楽しめる」といったところでしょうか。

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なかなか外遊びができない寒い冬の時期や、雨の日など、屋内で楽しめる「ゴーラウンド・サイクル」でのりもの遊びを思いっきり楽しんでください!

トッケン企画開発室 森行正

【この商品の問い合わせ先】
株式会社トッケン
TEL:045-717-8022
https://tokken.net/


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