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ワンピース考察「空白の100年」について考察してみた。

 ワンピースの考察界隈では度々話題に上がる「空白の100年」。
 物語が続く今なお、その内容については描かれておりません。
 今回は、いくつかのエピソードから着想を得て、半ば妄想に近い形で僕なりの「空白の100年」を考察していきます。

1:ポーネグリフとは?

 世界各地に古くから存在する遺物ですね。作中でも「ラフテル」を目指すために必要なキーアイテムの名称です。

 幾つかの種類がありますが、考察を進める上では関係ないので割愛しておきます。
第967話「ロジャーの冒険」を読むとわかりますが、ポーネグリフを集め、ラフテルへ到達することで「全て」を知ることができたようです。

 ロジャー海賊団は「全てのポーネグリフ」を集めたのではなく、「幾つかのリオ・ポーネグリフ」と4つの「ロード・ポーネグリフ」でラフテルに到達し、全てを知リマした。
 この事から「空白の100年」を知るために「すべてのポーネグリフ」を集める必要はない、と言うことがわかります。

 全てのポーネグリフを集めずとも、ラフテルに到達さえすれば「空白の100年」を知る事ができる。

ポイント1、です。


2:オハラvs世界政府

 第395話のロビンの過去回想の話では、オハラのクローバー博士が世界政府と対決をする回でした。
 この時、ワンピース考察界では星の数ほど語られることになる「巨大な王国」が登場しています。

 この時クローバー博士が言っていたのは、
「巨大な王国、その存在と思想こそが世界政府に取っての脅威ではないのか」
でした。

 そして“敗北“を悟った王国側が、壊されることのない「ポーネグリフ」を作り、その思想を未来へと託したのではないか、とも語っています。

 ここで重要だと思うのは、この時のクローバー博士のポーネグリフに関する仮説に「描かれていなかったこと」です。

 結論から言うと、ポーネグリフには「巨大な王国と20の連合国との戦争、もしくは戦いについて」についての言及が今の所ありません。

 そもそもポーネグリフの内容については現在でも語られていないため、設定上はどこかにある可能性も0にはできませんが・・・
 もしクローバー博士の仮説の通りポーネグリフを作り出したのが「敗戦濃厚な時代の巨大な王国」だとすれば、その戦いの原因や経過など、そう言ったものがわかるポーネグリフもあっても良いな、と考えました。

 クローバー博士の仮説は、あくまで「文献上に浮かび上がった巨大な王国の存在」と、それに関する記録が執拗なまでに消されているらしい、敵対組織が存在し、その時期が世界政府発足の時期と重なる、と言うものです。

 戦争の歴史や示唆はここでは無く、あくまで「クローバー博士の仮説」でしかありません。
これがポイント2、です。


3:天竜人とは・・・?


 一言で言うと、「作中登場する人間の純粋悪意のような存在の人たち」ですね。
 印象深いのが、シャボンディ諸島で登場したチャルロス聖。
 人を人として扱わない極端な差別主義者として描かれておりますが、天竜人にとってはそれが当たり前の状態のようです。
 世界政府を作り上げた人々の末裔、変に未来的っぽい服を着ていて、明らかに今までの登場人物達(街の人々も含めて)と比べても異質具合が半端なかったですね。
 彼らは海軍によって守られ、その意に反するような行動を取ってしまった場合殺されるのもやむなし、と言う極大な理不尽を押し付けてくる正に厄災のような存在です。

 ここで僕が思ったのは

「そもそも天竜人って何をしている人なんだっけ?」

でした。

 ワンピースを読んでいる限り、天竜人は何か仕事をしているわけではないようです。世界会議では、世界各国の王達(つまり人間)が話し合って色々決めていますしね。

 彼らの存在は、世界政府によって手厚く守られ、神の如く扱われている。
 神だから「その行いに対して文句は言えない」と言う描写は、実に人間の悪意の結晶のようにも感じます。

 彼らは自らを神と名乗り、人であることを冒涜だと言いました。
 (第763話「人間宣言」)

 人ではなく、自分たちは神だと認識しており、つまりそう教えられてきた、とも取れます。

 長年、それこそ800年もの間。
 そしてそれを良しとする世界政府。実に闇が深い・・。

 何もせず、ただ欲望のままに生きる彼らを、世界政府が保証する根拠とはいったい何なのか?

ここがポイント3、です。


4:Dの一族とは・・・?
 2023年夏にかけてのジャンプで、様々な事実が明らかになってきました。
 さすが最終章。

 Dの一族についても、ワンピースという物語でも特大のVIPである「イム様」という存在から言及がありました。

 曰く
「Dとは・・・かつて我々が敵対した者達の名だ」
〜中略〜
「それも800年前のリリィ女王の大失態に起因しているのだ・・・・・・・!」

 つまり、800年前、連合国側にいたネフェルタリ家の女王リリィによってDが生まれたとも取れます。
 Dとは何なのか、諸説ありますが・・・僕は彼に注目してみました。
 彼とは「トラファルガー・ロー」です。
 彼については皆さんも知っての通りですが、最悪の世代とも呼ばれるルフィの同期にしてアニワンでは超長い事一緒におり、準麦わら海賊団メンバーとも考察界では噂されていましたね(笑
 そのトラファルガー・ローの本名が明かされた回があります。
 これもまたポイント3で出てきた第763話「人間宣言」です。
 ここで彼は、その本名を「トラファルガー・D・ワーテル・ロー」と明かしました。
 そこで物語は大きく動くことになるのですが・・・

 ローの名前は「トラファルガーの戦い」「ワーテルローの戦い」から取って組み合わされた説が主流です。和の国編、ビッグマムとの戦いでもその武器の名前がナポレオンであったこともあり、ほぼ確と考えられています。

 僕はもう少し、この忌み名自体にも何か意味があるのではないか、と考えました。
 何人かのDが登場していますが、ローにはなぜか忌み名が刻まれている。
 なので、物語を解き明かす上で重要な示唆なのではないか、という視点で考察を進めることにしてみました。
ポイント4、です。

一旦整理します。

ポイント1
:全てのポーネグリフを集めずとも、ラフテルに到達さえすれば「空白の100年」を知る事ができる。

ポイント2
:現在明かされているポーネグリフには、連合国との戦争やその戦いの示唆はない。

ポイント3
:何もしない天竜人、ただ欲望のままに生きる彼らを世界政府が保証する根拠とはいったい何なのか?

ポイント4
:トラファルガー・D・ワーテル・ローの忌み名。


4つのポイントから考察を進めます。

 まず、ラフテルに到達すれば「全てを知ることができる」という事が示唆するのは、「空白の100年」を解き明かすのに、すべてのポーネグリフを集める必要はないということ。

 これはポイント2にも関わってくる重要なポイントで、空白の100年や古代兵器、Dの一族についての真実は、ラフテルに到達することで解消される事が判明しました。

 ポーネグリフは、文を繋いでいくことで「最後の島」に到達させるための手掛かり、手段であることが示唆されています。

 ポーネグリフの存在理由。
 それは、クローバー博士の言う「巨大な王国の意思を後世に伝えるため」では“無い“のではないかというのが僕の考察です。


 ネフェルタリ・コブラの最期のセリフ、リリィ女王の伝言では

「ポーネグリフを守りなさい。********ゆく世界に夜明けの旗をかかげ」

とありました。

 また、

「Dの出現、ポーネグリフが世界にばら撒かれた事、それによって空白の100年や最後の島を嗅ぎ回る存在の出現」

というイム様に取っての不都合は、女王リリィの大失態が原因だ、とイム様が言っています。

 ポーネグリフの存在意義は、それそのものが世界に散らばっていること。
 その中に「最後の島に到達する道標」を隠しておくことが、本来のポーネグリフの意味なのではないか、と考察しました。


 「空白の100年」と言う長い時間に一体何が起こっていたのか?
それを紐解くにはもう少し整理しておく必要がありそうです。

 そもそもクローバー博士の仮説では「巨大な王国」は巨大な力を持っていた、とあります。

 「未来島編」でも明かされつつある通り、とんでもなく未来的な都市でも、かつての「巨大な王国」には及ばないという示唆が幾つもありました。

 それだけ巨大な力を持つ王国が連合国と戦争をしていて負けることがあるのでしょうか。それも、100年という長期間にわたってあらゆる記録が残されないほど。

 連合国(のちの世界政府)は100年も戦い続けるような大きな戦力や継戦能力があったのでしょうか?

 ちょっと考えにくいとは思いませんか?
 おそらく王国側であったであろうDの一族についても、イム様は「敵対していた」と言うだけで「戦争していた」とは言っておりません。

 敵対していたと言う意味。これは殴り合っていたとかではなく、思想が相容れないと言う場合にも「敵対していた」と言うことができるのではないか、と考察しました。

 つまり、相容れぬ思想を持っていた者同士、敵対していると言う状況ができてしまっていた、と言う可能性があります。

 さて、相容れぬ思想というと・・天竜人の超差別思想がそれにあたるのではないか。
ポイント3でございます。

 海軍大将「緑牛」も言っていました。「差別が安堵を生む」みたいなことを(笑

 つまり、天竜人は「安心したい」のではないか。
 人ではなく「神でなければならない理由」があるのではないか。それこそが「空白の100年」その最後の1年付近に起こったであろう重大な事件が原因ではないかと、考察します。

 具体的な時間を出してしまいました・・・。
 でも根拠がないわけではありません。
 ここでポイント4、ローの忌み名でございます。

 トラファルガー・D・ワーテル・ロー
 僕は最初、このワーテルを見た時にwar tell,「戦争を伝える」と言う意味なのかな?とずーっとそう思ってきました。
 しかし最近その考察をやめて、そもそもDとは何なのか、から考え直していました。
 Dから始まる単語として、ほぼ確でDawn(夜明け)説がおそらく現状99%だと思いますが、僕は敢えて

D=Disaster(災害)ではないかな、と考えています。

 Dの一族、神の天敵。そこからローの忌み名と組み合わせて考えると、ちょっと面白い考察ができることに気づきました。

ローの忌み名、ワーテルの引用元が「ワーテルローの戦い」からだとすると
英訳すると

Battle of Waterloo

となります。

つまりワーテルはWater。水です。
となると、Disaster・Water、つまり水害。

つまり、空白の100年とは・・・

『巨大な王国や周辺地域を襲った巨大な水害』

ではないかと考察しました。

以上が「空白の100年」についての考察でした。
ここ以降はこの考察を補強するための思考実験みたいなところになります。
興味ある方は覗いてみてください!

巨大な災害と陰謀

 おおよそ900年前に起こった大水害、もしかしたら巨大な津波かもしれません。ドロピザさんの考察を借りるなら、ポールシフトが起こったのかもしれません。
 戦争よりも広範囲に無差別に、それこそ文明を押し流す勢いの天変地異であれば、科学力の劣るであろう20の連合国との戦争よりも説得力がありませんか?w
 その復興にあたっていたのが当事国の「巨大な王国」であり、“20の連合国“であり、魚人、モコモ公国であり、ズニーシャ、ジョイボーイ達だったのではないかと考察します。

ここで想像を少し飛ばします。

・災害は100年かけて終息しつつあった
・連合国は差別思想に偏っていた
・ズニーシャの罪

です。

 「ズニーシャの罪」が直接的な「現在の世界に続くことになる事件」のトリガーであった可能性があります。

 結論から言うと、おそらくズニーシャは連合国に騙されて、事態を収束させていた「水害を堰き止めるための壁」を壊してしまい、王国を海に沈めることになってしまった、と考えることができます。

 これは、和の国編で明らかになった「開国」の意味が深く関わります。
 ズニーシャは、和の国の防御壁を崩すことで開国をなし、プルトンを解き放つと言う使命を持っていました。

 一国を背負うほどの巨体でできることは限られています。
 おそらく、「歩き続けると言う罰」は「和の国開国の時まで生き続けなければならない」と言うことだったのではないでしょうか。
 ズニーシャは、王国を海に沈めてしまうことになった直接的な原因になってしまったことで罪を背負い、今に至ると言うことになります。

 ではなぜ、連合国が王国を海に沈めるようズニーシャを嗾けたのか。さらに飛躍して考えます。

 それは前述の「超差別思想」が原因です。おそらく災害の間に助け合っていた中には魚人達やモコモ公国の獣人たちもおり、それが連合国にとっては許容できる状態ではなかった可能性があります。

 20の連合国は結託し、ズニーシャを唆して巨大な王国を海に沈めた・・・これが事件の真相ではないかと考察しました。

 そしてその後、世界政府が発足し、19の国の王達はマリージョアに移住することになります。
 ネフェルタリ家だけは移住を選択せず、ワンピース作中「五老星」から「裏切り者」扱いされていますが、共犯関係から勝手に逸脱した、と思われいたのかもしれません。

 後の天竜人となる連合国の王達がマリージョアに移住したのは、おそらく水害がとてつもない恐怖を与えたからではないでしょうか。

 その根拠が、彼らの着る「衣服」です。

 一見宇宙服にも見えるあれは「潜水服」ではないでしょうか?また水害があっても生き残れるように。
 マリージョアに移住したのも、高いところに避難したかったから。
 そして天竜人の選民意識の始まりは、その「大量虐殺」の意識から逃れるため、自分たちは王ではなく、人ではなく「神だから許される」とでも言わないと恐怖から逃れられなかったのではないでしょうか。

 だから、人間宣言の際、ホーミング聖が「私は人間ですよ」といったセリフを聞いて
「裏切りだ!」
となったのかもしれません。
 自分たちだけ、その大きな罪から逃げるつもりか?と言う。
 世代は重ねていますから、そう言った意図はないとは思いますがね(笑

天竜人の本当の“機能“

 彼らは仕事をして居ない、と言いましたが、彼らが居ることで保たれていることがあります。

 それは現在の「秩序」です。
 現在の世界政府加盟国には「天上金」を収める必要があり、これは実質参勤交代の時に大名達が使っていた資金と同じ意味を持っていると思います。
 つまり、地方に力を持つ組織を作らないための弱体化行為ですね。

 それを収めさせる根拠として「世界を作り上げた天竜人」が必要であると言うことです。神には逆らえない。逆らうと海軍が来て殺される。

 天竜人は自らの正当性を疑わないように教育されている。自分たち以外は虐げていいと思い込んでいる。その始まりは大きすぎる罪の意識から逃れるため。
 そう考えると、結構辻褄が会うと思います。


世界をひっくり返す


 ここまで来てしまったら、このテーマについても言及しておく必要があると思います。

 ロジャーが言っていた「世界をひっくり返す」は、ラフテルに到達し、空白の100年が暴かれた瞬間に起こることでしょう。

 前述の考察により、20の連合国は王国を陥れ、世界の頂点を掠め取った可能性があります。

 つまり、空白の100年の真実を暴くことは、世界政府の闇、天竜人の正当性、海軍の正義のあり方を全てひっくり返すことになり、

 文字通り、すべての意味が逆転します。

 巨大な王国の流れを受け継ぐ、Disasterを冠する一族が正当になり、世界政府は悪となる、そんな状況が、おそらく佳境に至る過程で明らかになる・・・といいなぁ( ´∀`)

なんてことを考えながら、考察を終了したいと思います。
長らくお付き合いいただき、ありがとうございましたー。

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