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VRChatワールド10選:私の投票分とコメント

今月上旬に行われましたつかれびとさん主催「VRChatワールド10選」において私が投票したワールドとその紹介+αの記事です。

企画内容と結果はこちらのツイート及びアカウントをご参照ください

以下、私的ランキングの順番などでない順不同で投票したワールドを挙げていきます。(順番どころか10個に絞り切るのも中々大変でした、その位良いワールドは多かったです)


VR宇宙博物館 コスモリア Cosmoria ―By vsp_vrc

まずはPC部門第1位のこれ。異論なしでしょう。
VRChat天文ファングループ・天文仮想研究所VSPの肝煎りの大作、展示内容の豊富さ、テーマごとに展示室を分けるという構成の巧みさ、実物大モデルによる迫力と説得力と満足度の高い一品です。

クレジットを見ると多数のスタッフの共作ということで個人製作も多いVRChatにおいてはちょっとズルい気もしますが、こうした作品もデータのやり取りで作れてしまうこともオンラインの強みと言えるでしょう。
今後こうした大規模製作なワールドも方向性の一つとして増えていくと良いですね。

Charlotte's SAKURA Island 桜咲く幸せの島 ―By Charlotte(シャル)

季節もののワールドを定期的に作られているCharlotte(シャル)さんの作品より今年のお花見テーマワールドをひとつ。

桜を主題に駅から公園、丘の上と広がるフィールドは散策のし甲斐があって写真映えするとともに、カフェなどの休憩所も完備。
全体的に霞がかった癒しの雰囲気も一種の桃源郷というべきか過ごし良いワールドです。

Archipelago | アーキペラゴー ―By Artsy Glitch

他にも「CyberLove Okinawa」や「Solar Cabin」などChill系アパートルームも作られているArtsy Glitchさんの作品の一つ。

同氏は作風としてサイバー風のインテリアの多用というものがあると同時に「Atrium Project」というSFストーリーをバックにしているのも特徴であり、ここも海辺のリゾートスペースであると同時に終末世界に残された孤独な楽園という側面も持ちます。

リビングの休憩スペースはデザインや機能性も良く夕焼けの柔らかな光もあいまり過ごし良いですが、水平線の向こうに霞んで見える巨大な何かの遺跡に無言の迫力があるワールドでもあります。

同様のストーリーに沿った同氏のワールドは他にも複数ありますので、合わせてみると共通するアイテムやマークなどがあり味わい深いものがありますね。こうした演出や仕込みもまたワールド巡りの楽しみの一つです。

SunDown ―By WispyWoo

Chillスペース系が連続しますが私は普段からこれ系も贔屓しているので票を複数入れていたので。投票結果は割と景色系がメインといった感じでしたけども、そういう観点でも負けていないと思うワールドです。

夕日という時点でエモい光景確定という所はありますが、室内のラグやクッションが敷き詰められた柔らかな雰囲気、洞窟的雰囲気の別室、海岸に降りれば焚火回りのアウトドアスペースにヨットと盛りだくさん。
デザインも良くライティングも巧みと隙のない完成度の高いワールドです。

WispyWooさんは去年あたりから頭角を現し始めた私的に注目のワールド作者さんです。こうした家やChillスペース系専門の方ですがややファンタジー寄りの風景とインテリアな作風が持ち味ですね。
Gumroadでもこれらのワールドはホーム用に一般販売されており人気を博しています。

同氏のもう一つの特徴と言えばワールドを作る手の速さ。少なくとも毎月1件、多いときは2週間程度で次のワールドが…?
それもアセット多用などでなくオリジナルでこれだけデザイン的にも凝って…なのでどうやってるのか不思議な作者さんではあります。

Milky Way Crossing ―By Silyataru

ファンタジー寄りのワールドからひとつ。Silyataruさんも家/Chillスペース系ワールド作者さんで今年も複数作ありましたが初見の印象が強かったのはここでした。

雪の森の中つり橋で結ばれたツリーハウス、空中には魚の泳ぐ水球や輝く星のライティング。大きな星はジャンプで乗ると音が鳴りトランポリンのようにように跳ねるなど、見た目・テーマ共におとぎ話のような世界です。

注目したいのはワールドタイトルのロゴ。描かれている木がなぜか逆さまですが…?その仕込みと発想がまたファンタジーで驚きですね。
奥の小屋からテレポートできる水中部屋もまた別世界のようでVRでは何でもありなんだな、と思わせてくれるワールドでもあります。

This world will be deleted in 24 Hours․ ―By Crazium

実験的ワールドからも一つ。
巨大なモニターに表示された24時間から減っていくカウンター、それがゼロになるとこのワールドは消滅してしまう…というのがコンセプト。

それを止める手段は簡単で前にあるスイッチを押せば24時間までリセットされます。面白いのはそれが全インスタンスで同期されていること。
世界中で誰か一人でもそのボタンを押す人が居る限りこの世界は継続するということですね。

一見、見た目にも地味なワールドですがモニターの回りには郵便箱や遊具・井戸など様々なスポットがあり残り時間に応じて変化やイベントが起こる仕組みとなってます。その最中おそらく同じくここを調べに来たであろうNPCによって地図やメモが書かれたり、その謎めいた世界観は興味深いですね。

ただ難点と言えばこのワールドは有名になりすぎたのか訪問者が絶えず(お気に入りに入れてる人が3000人以上いる!)、タイマーが減った時のイベントが全然見れないことですが。

ということでVRChatともコラボした映画祭「RAINDANCE IMMERSIVE」の出し物のひとつとして、スイッチが機能せずずっとタイマーが減っていくバージョンのワールドも一時公開されてその変化を見ることができました。

ただしタイマーが0になった瞬間のイベントはまだ秘匿されたまま。
ひょっとするとこのままVRChatがサービス終了するか更新などでワールドギミックが壊れるまでずっとこのままな気もして、それは果たして見る機会があるのでしょうか…?

Storm Drain ―By Cattus

「でかい!説明不要!」なみんな大好き首都圏外郭放水路とその調整池。
同場所がモデルのワールドも人気でこれまでにも何度か出てきましたが、素材の質感や湿気と地下の暗闇を思わせる霧、各部屋で色のライティングが異なる演出など神秘的な雰囲気ではここがピカイチです。

TV取材に出る、仮面ライダーなど特撮に出るなどの他スプラトゥーンやミラーズエッジなどのゲームにも出ているとのことでVRChatに限らず人気なコンテンツのようですね。

Hunting Sim FOR VRCHAT ―By miyukichi

ゲーム系ワールドは不得手なのであまり行かないのですけどここのみは一時期通っていたのでひとつ。

私がゲーム系ワールドが不得手な理由は複数人数が必要なゲームは普段一緒に回る人がいないこと・反射神経系や飛び移りが多い難しいゲームが苦手であることの2点なのですけど、ここは一人でもできる仕組みになっているしゲームスピードも基本マイペースで進められるのでやりやすいのですよね。

独りでのんびり獲物を探すも良し、目標スコア含めアタックするもよし。

もちろん複数人でもプレイ出来てスコアをチームで競う事もできますが、あくまでハンティングなのでプレイヤーを撃つとペナルティという設計もあまり対立的でなく良い感じですね。

砂の惑星 FANMADE in VRChat ⁄ Sand Planet unofficial VRMV in May Festival ―By UT-virtual

ハチPの楽曲「砂の惑星」MVの再現系VRMVワールド。
ここの特徴はただ流れる演出を第三者として見るタイプでなく、スタート地点のNPCに重なって開始することでMV中の行列の一員として共に歩きながら見るというスタイルになっていること。

複数人数にも対応しており上記写真のように20人程度での行進も可能です。「VRコンテンツでは自分のアバターを使いたい」ニーズはしばしば聞きますがそれによく合った特徴と言えるでしょう。

その特異性のみでなくMV中の演出に合わせた場面転換やメンバーのお別れの再現、性質上そのままでは写真が撮りにくいのを定点カメラで自動撮影してくれていたりと作りも丁寧なのが良いですね。

Complex 7 ―By Fins

投票結果PC部門第2位、これも文句なしの大作と言えますね。
しばらく前から「District Roboto」の拡張版続編として計画が語られていた本作、期待を裏切らない出来でした。

本体となる「Complex 7」市街区のアジアンテイストで煌びやかな街のデザインやロボットNPC(と猫)の賑わいもさることながら、それに至るまでの通路でこの世界はなぜロボットだけになってしまったのか的な前日譚的な世界観を説明するという試みもまた流石といったところです。

そう、この「説明」ですが硬質な完成度の高いワールドでありながらも、NPCの会話と合わせてその分親しみある分かりやすい世界として成立させてる部分がありますね。
どうもアート系作品というと説明は省いて「どう考えるかはあなた次第」というスタイルもしばしばありますがこういうのも親切で良いのではないのかなと個人的に思います。

次点だったワールド

以下、票は入れませんでしたが良かったなというワールドを投票結果にあったものも含めて紹介します。

Epilogue․ Chapter 2 ―By DrMorro

PC部門3位タイ。これは入れるか入れまいか最後まで迷いましたね。大作系としてはやはり強い作品で今回もその複雑な構造と次々畳みかけるような場面転換には圧倒されました。
ただ前二作と比べ一本道でなくどこまで見たか分かりにくいのも玉にキズでした。その分探検気分は味わえますけども。

Onnon_Nostalgia1999 ―By ONN'ON STUDIOS

これも入れるか入れまいか…でした。
そのごちゃごちゃなお祭り感とプレイヤーをフィギュアサイズとしてあえて巨大に作った世界観が面白い楽しい雰囲気なワールドです。

最初に見た時版権コンテンツの山盛りと見慣れない作者名に大丈夫なワールドかとちょっと引いてましたが、調べると東映アニメーション公式ワールドとのことで一安心するなどしてました。
その後続編ワールドも出たり別途プリキュアショーがあったり、今後のコラボ展開も期待したいところですね。

Beyond a bit - 想像のちょっと先へ ―By EstyOctober

PC部門3位タイ+Quest部門1位。これも納得で私も入れようか入れまいか(以下略)。
パーティクルライブ系の中でも展開と壮大さにおいては一味違う見ごたえのあるものとなっておりVRMVが好きなら必見のものの一つでしょう。

PokoPeaLand ―By PPLSTAFF01

PC部門6位。これもコスモリアと同じく複数スタッフ協力による企画ものの物量というか。
見た目がギャグっぽいのでいい加減という事は無くテーマパークとして量・質ともに優れたワールドです。
ぽこピーを知らなくてもその親しみやすいマスコット的な見た目からして楽しめるのではと思います。大容量が気にならないのなら初心者向けに見せたいコンテンツの一つでもありますね。

投票結果の印象

前述しましたが全体的に景色系と美術館博物館系が強かったですね。ワールド紹介タグでもこの部門は強いので作品として見るならやはり画として記憶に残りやすいのかなと推察します。
しかしながらChill系のワールドも票は割れつつもSuroomが5位に入っていたり、「普段よく行くワールドは?」みたいなランキングだとまた結果が違ってくるのかなと思いました。

まだまだコメントしたいものはあるのですがキリがないのでこの辺で。
来年もまた沢山素晴らしい作品に出会えたらと思います。


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