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「I N I T I U M ⁄⁄⁄ イニシャル」についての解説

VRChatのワールドの一つ、Artsy Glitchさん作「I N I T I U M ⁄⁄⁄ イニシャル」、及びその背景設定についての非公式解説記事です。主にワールドに設置してある解説の翻訳とそことワールドから読み取れることを書いていきます。誤訳の可能性と独自解釈についてはご容赦下さい。

「I N I T I U M ⁄⁄⁄ イニシャル」とは?

地下鉄駅に始まり、謎のメカのある地下施設、及び地上の庭園のような施設からなるワールドです。樹木を中心としたそれは一見きれいな公園のようにも見えますが、そこまでの路程や散りばめられたメカや文字などからただならぬ場所である様子…。説明文にもこの「樹」を巡る物語の一編がこのワールドである旨が書かれています。
雰囲気からそれらを読み取るのみでなく、地下施設のモニターからこの世界の設定が色々読めるようになってます。

(フレーバーテキストにしては結構長いんですよこれが)

前置きが長くなりましたが今回はその文章を中心に解説と考察を加えていく予定です。

鳥取アトリウム、通称”INITIUM - イニシャル ”

ご安全に的看板

散見される日本語(怪しい日本語含む)から察するように、舞台設定は日本のようです。『1995年に鳥取県で発見され、現在世界に七つ知られているそれ”アトリウム”の一つとして同定された』とあります。専門の研究機関や委員会(Pasifiaなるものがそう?)なるものもあるようで、『年代は20000年以上前と推定され、これは知られているアトリウムの中で最古である』などの特徴があるとのこと。他の”アトリウム”がそこまででなくとも、他のそれも超古代文明の遺物であるとかそういう設定なのでしょう。

”アトリウム”とは?

最初からこうした施設として発見されたわけではなく、周囲の施設は後年人類によって研究や管理のために設置されたもののようで、メインは中央の大樹にあるようです。
『主要なパーツは石灰岩からなる”コア”であり、その中に”種”があり、日光と水を与えると急激に成長し大樹となる』『その樹の遺伝子を分析したが全く奇妙なもので通常の手段では解読できず、放射線学によって得られたそのパターンは(人類の)歴史を表す画像やイメージを示していた』『その事から"アトリウム"は神話の”知識の樹”のようなものであると言われている』
と、SFのような設定となってます。

地上階の周囲の機械はそうした情報を抽出するための機械であり、

サンプリングしたりお世話する機械?

地下階の根の周囲にあるモニターは抽出された情報を映しているとのこと。

(サブリミナルみたいに切り替わってます)

こうして何のための施設かや設定が分かるとワクワクしてきますね。

”天使(ANGELS)”又は"庭師(GARDENERS)"

(どっちに居てもこっち見てるのでこわい)

このワールドでは二階に係留されてる怪しいこいつのことのようです。”アトリウム”と共に発掘されるものであり、『おそらく”アトリウム”の管理に使われていたのではないか?』とされているようです。
中心のコアは設定では「花」とのことですが実際は目玉のように見えて不気味です。『(人類に)敵対的なのか友好的なのかは分かっていない』そうですが看板では『天使に接触・干渉しないこと』などと書かれてます。

展示されてる古文書っぽいもの(これも発掘品?設定では言及無し。)

ちなみに施設の色々なところについている赤い手形は彼(?)らによるものとのこと。これも分析しても(塗料などの)何の物質も検出されない実体のない超常現象ととのことで、この"アトリウム"に関することはまだまだ分からないことだらけの様子です。

”アトリウム”のその後

樹を分析したら歴史がわかるという事象は衝撃的な事実であり、世界の研究機関はその解読に取り組んでいた模様です。歴史の空白を埋めることも可能ですし、芸術・生物学・天文学などの情報も記録されているかもしれない。
『これらの発見は神秘的な思想にも影響し、巷では終末論の予言も沸き立つこととなったが、これで人類の歴史は塗り替えられることになるだろう。』

(死亡フラグ)。だったのかどうなのかは不明ですが、最初の電車の車内にあったテレビには『太平洋に隕石落下』との緊急放送が。

(よく見ないと見逃しますよね…。)

車内の荷物も散乱した慌ただしい様子、そして地上階の背景に見える街並みも岩の上などに登ると分かるのですが実は、水没してるんですよね。

施設に向かって水が流れ落ちているのでその水煙で虹が?

世界観の設定が読めるモニターでも最後のページは災害による機器の異常、外部との通信途絶というログで終わっています。残されたここはこの先果たしてどうなるのか、はまた別の話なのでしょう。

余談・他のワールドとの関連

「The City of Mist | 霧の街」よりテレビのニュース。

『太平洋に隕石が落下し大災害が起きた』設定は作者さんの別のワールドにも出てきてます。「The City of Mist | 霧の街」は一見サイバーパンク風の怪しいアジア街を模したワールドに見えますが、狭い島のその周りは水没した街と終末系でもあるワールド。ワールド内にあるテレビにもそれを示すニュースが流れています。「Derelict Sanctuary ~ 遺棄された」でも同様であり、窓が暗くはっきりしませんが部屋の外はやはり廃墟です。

また水没しか共通点が無いながら「Haikyo Bridge | 廃墟橋」も災害救助船があるなど災害による何かが示唆されその一部なのかもしれません。

「Haikyo Bridge | 廃墟橋」より

また”アトリウム”という単語は「The Atrium | アトリウム」「Oceanside Atrium | 海洋 アトリウム」というワールドにも使われてますね。前者は綺麗な庭園に見えますが後者は周りが暗い海で怪しい日本語やモニターが追加されるなど「I N I T I U M ⁄⁄⁄ イニシャル」に近づいた発想が見られます。

「Oceanside Atrium | 海洋 アトリウム」より

また両者とも樹を中心にした円形の建物という共通点もあり…。この頃から世界設定の案はあったのかも?とはうがちすぎかもしれませんが。

どちらにしろ、今まで作ってきたワールドやその背景をより練った形として最新作「I N I T I U M ⁄⁄⁄ イニシャル」が出来ていると考えるとエモいものがありますね。また後に続編が続くのかどうかは分かりませんがそうでなくても今後の作品には期待したいところです。

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