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DATASaberBridge [Ordeal 0-1]

データとはなにか?なぜ必要とされているのか? #DATASaberBridge [Ordeal 0-1]

※動画を見て感じたこと、考えたことをまとめていきます。

データを理解することは、ひとを理解すること

コールセンターは、エージェントの行動を秒単位で集計し、管理に活用している。
おそらく、管理されている時間のうちで一番大きいものが業務時間で、これは業務開始時刻と業務終了時刻の幅で表される。
業務時間はここから、顧客対応時間や休憩時間、研修時間等に分割される。
顧客対応時間は通常、一回の対応に要した時間としてAHT(Average Handle Time)で表現される。AHTはさらにトークタイムと後処理時間に分割できる。
顧客目線で見れば、問い合わせ窓口への最初のコールで問題解決に至ったのか、別部署での対応引き継ぎとなったのかは重要で、一次解決率として品質指標のひとつに採用される。
1時間あたりの顧客対応件数はエージェントの「生産性」として表現され、トークタイムや後処理時間を秒単位で効率化できるようトレーニングや運営上の工夫が繰り返される。
別の部署でないと対応できない場合は、通話中に電話を保留したり、一度電話を切ってから該当部署に対応依頼を行うが、これらの時間も顧客対応時間に含まれる。

どう考えているか

これらのデータからひとを理解しようとするとき、どのように考えているか。
基本的には、同一業務を行なっているエージェントの平均値や中央値、傾向などと比較して、個人の特性を考慮しながら異常値に注目していくことになる。
例えば休憩時間が長すぎたり、短すぎる場合、体調不良や仕事に対するモチベーションの変化(モチベーションということばは好きじゃない)が起きていないか、また無理をして休憩を削っていないかなどを確認していく必要がある。
また、トークタイムが極端に短い場合、顧客対応が雑になっていないか、対応すべき範囲を正しく理解できているかなどが気になる。当然、対応すべき内容を対応せずに終了していれば顧客満足度は下がり、同一内容での再コールとなる可能性があることから是正されるべきだが、エージェント個人で見れば「生産性」は高くなり評価されている可能性もある。
後処理時間が極端に長く、顧客へのコールバックが多い場合、もしかすると適切な業務知識が身についておらずいちいち確認してから連絡しているのかもしれない。さらに現場管理者が不足していたり、関係が悪化していたりすると上司への相談もしづらくなるため、顧客を待たせる時間は長くなる。
トークタイムに含まれる電話の保留時間も参考になるだろう。

こうしてみると、データを理解することは、その先にある「ひとの振る舞いを理解する」ための重要な一歩であると言える。
重要なのは、ひとを理解するためにデータを理解するということだ。

データにまつわる、冷たい印象

数字、データが冷たい印象を与えるのは、それが評価として利用されるときではないか。業務内に限らないことに留意すれば、価値付けと言い換えても良いかもしれない。
コールセンターでも、数字には表れない(数字として取りきれていない)と感じられるホスピタリティを重視する人が増えていると感じる。
これはCSやCX、NPSといった指標が現場レベルにも評価として浸透してきていることの表れだろう。
しかしながら、とエージェントたちは感じている。
数値化したそれらが「本当に妥当な評価なのか」「それは私たちの努力を正しく評価できる指標なのか」。

コールセンター業務は感情労働といわれる。

感情労働(かんじょうろうどう、英: Emotional labor)とは、感情が労働内容の不可欠な要素であり、かつ適切・不適切な感情がルール化されている労働のこと[1]。肉体や頭脳だけでなく「感情の抑制や鈍麻、緊張、忍耐などが絶対的に必要」である労働を意味する。

Wikipedia「感情労働」

数値化されるに馴染みのない「感情」が重要なスキルとされるコールセンターで、管理される対象のエージェントたちがデータに温かみを感じることがあるとすれば、それはどんな世界なのだろうか。
そして思うのだ。
やはり、エージェントたちを冷たい世界に置き去りにはしたくない。


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