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エッセイ『デタラメだもの』

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デタラメに生きる。デタラメに暮らす。薄暗い世の中をデタラメに生きるための処世術、バイブル。妄想まみれで日常を綴るエッセイです。
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2020年6月の記事一覧

年齢を重ねるごとに最近の曲の歌詞が覚えられなくなる現象。その謎をひも解いていると、生命の危機に遭遇したじゃないの。『デタラメだもの』

最近の歌がまったく覚えられない。好んで何度も何度も聴いているのに、歌詞は覚えられないし、メロディも難しい。鼻歌を口ずさんでいるときですら、何度も立ち止まってしまう。軽妙に歌って気持ちを愉快にさせる鼻歌でさえ、これほどまでに苦労してしまうのか。 それに比べると、若かりし頃に覚えた楽曲は、いつまで経っても忘れない。忘れようとしても思い出してしまう。歌詞の一字一句まで鮮明に記憶している。きっと、アーティストが急病でステージに立てなくなり、代役に抜擢されたとしても、完全に歌い上げる

予定調和と化したライブでのアンコール。それでも人はなぜ、全力でアンコールを求めてしまうのか。『デタラメだもの』

ライブやコンサートなどに足を運んだことのある人ならわかると思うが、ステージにはアンコールというものが付き物だ。本編のステージが終わり、アーティストが一旦バックステージに引っ込んだ後、来場者の熱望に応えるかたちでステージ上に再登場。そこから数曲を熱演し、ファンの「まだ足りないよ!」という腹ペコさを埋めてくれるサービスだ。 まだライブやコンサートへ参加することに不慣れだった若かりし頃は、このアンコールのサービスに興奮したものだ。まだまだ熱狂に浸っていたいと渇望する気持ちを満たす

歯ぎしりとの戦いにおける考察。全ての悩みを解決してくれる圧巻のアイテムは、果たして敵か味方か。『デタラメだもの』

生きていれば解せぬことは多いもので、あまりにも長いこと使用し続けてきたため、そろそろ買い替えようとエアコン。できればそう高くないものを。とは言え、安物買いの銭失いにならぬよう、9万円やら10万円程度のものを買おうとエアコン。無事に商品が見つかり購入し、いざ、エアコンを設置してもらうことに。 「これは設置、無理ですわ」と設置業者さん。どうにも室外機を設置することが容易でないスペースらしく、その日の設置は見送られ、商品もキャンセル扱いとなった。それどころかその業者さんでは設置を

日々の生活にオプションを加えることで、ルーティーン化した毎日が劇的に豊かになる。『デタラメだもの』

自然の中で食事をする。例えば、バーベキュー。そういった際に人はたいてい、「やっぱり外で食べるご飯は美味しいわぁ」と言ってのける。やっていることはと言えば、ご飯を食べているに過ぎないが、外で食べるご飯は美味しいわけだ。 いやいや。バーベキューは、火を起こしたりみんなで協力したりしながら食事を拵える醍醐味があるからこそ、「やっぱり外で食べるご飯は格別だわぁ」と言いたくなるんだよ。と主張したくもなるが、仮に自宅でお弁当を拵え、それを持参した上で自然に赴き、レジャシートで寛ぎながら