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エッセイ『デタラメだもの』

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デタラメに生きる。デタラメに暮らす。薄暗い世の中をデタラメに生きるための処世術、バイブル。妄想まみれで日常を綴るエッセイです。
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2020年3月の記事一覧

アーティストのライブ中のMCをはじめ、スーパーの畜産チーフの異動の場面にまで潜む、周囲との温度差がもたらす違和感とは?『デタラメだもの』

大阪に住まうコピーライター界の巨匠と、夜な夜な酒場で呑んでいる際に、「こういう時って、すごい温度差感じるよね」という類の話になり、そういえば昔からそういうこと感じてたなぁ、と積年のモヤモヤが晴れたような気分になり、意気揚々と帰宅した後、ポケットに入れていた2千円を紛失していることに気づき、ワンワンと泣きじゃくったあの夜。 そんなことよりも、何に温度差を感じるのかっていうと、ライブなどを観に行った際に、ステージ上のアーティストが叫ぶMCの言葉の数々に温度差を感じるというわけで

道案内に隠されたさまざまな物語。滅私奉公の精神で目的地まで案内して差し上げる勇姿をとくとご覧あれ。『デタラメだもの』

ふと自分の人生を思い返してみると、やたらと人から道を尋ねられることに気づいた。当の本人としては、人と違った生き方をしたいと、はみ出し者の生き様を貫いていることから、常に変顔をして道中を移動するなど、奇をてらった行動を演出しているつもりが、どこか朗らかなムードを醸し出してしまっているのだろう。老若男女、特にシニアの方々に道を尋ねられる機会が実に多い。 こうも道案内に精通してしまうと、前方十数メートル先にいらっしゃるシニアの方が、道を尋ねるべくこちらに寄ってくるだろうことを事前

執筆した文章を読んでもらいたいなら、これくらいは意識しておかないと。逆張りに溺れた人間の末路とは?『デタラメだもの』

ファンというものを抱えていない物書きにとって辛いことが、執筆した文章の面白さよりも、まずは読んでもらうというところに配慮しなければならないところ。読んでもらえなければ内容の面白さは伝わらない。しかしだ、無名の作家が執筆した文章を好き好んで読んでくれる人などそういない。だとすると重要なのは、人の目に留まり、興味を引きつけ、まずは文章を読んでもらうという難関をいかにクリアするかということだ。 殊更、インターネットで文章を披露する場合、インターネット上には無数の文章が存在している