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エッセイ『デタラメだもの』

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デタラメに生きる。デタラメに暮らす。薄暗い世の中をデタラメに生きるための処世術、バイブル。妄想まみれで日常を綴るエッセイです。
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2019年9月の記事一覧

1等賞の人間が著しく劣勢に立たされるという不条理。世の中、繊細な人間はいつだってハズれクジを引かされる。『デタラメだもの』

1等賞というものは、誰よりも恵まれ優位に立てるもんじゃあないの? という風に信じてきた我が人生。よくよく考えてみると、以前チラッと語った飲食店の券売機同様、1等賞の奴が著しく劣勢に立たされる場面があることに気づいてしまったのだーよ。それはどこかい、と言いますと、トイレのハンドドライヤーだよ。あれこそ1等賞の奴が著しく劣勢に立たされるんだよ。 お手洗いを済ませますわな。で、お手洗いスペースから洗面スペースへ移動しますわな。もちろん現時点で1等賞。で、手を洗うわけです。キレイに

世の中に未来永劫続くものなんてない。それを学ばせてくれた小さなカフェの物語。『デタラメだもの』

世の中に未来永劫続くものなんてないはずで、飲食店もそのひとつ。つい先日までそこにあった居酒屋や喫茶店がなくなってしまうというのはよくある話。よくある話と言えども、愛着を感じている景色がこの世から姿を消してしまうことに、ただただ悲しみを覚えてしまうわけです。 その昔、稼ぎの少なさから貧乏ひとり暮らしをしていた頃の話。ひっそりとした住宅街の中にあるマンションに住んでいたわけだが、その近所に小綺麗なカフェがオープンした。店頭のショーケースにケーキ類が並べられて、ティーと共に食せる

完成品であるラーメンに対し胡椒を振りかける。これは冒涜なのかアートなのか。決死の覚悟でその真髄に迫ってみる。『デタラメだもの』

食というのは、とにかく謎めいたものだ。外食などをしていて、テーブルの端に置かれた調味料の類を眺めていると、殊更にそう思う。店によっては調味料の瓶やら缶やらがズラリとならび、これは胡椒かしらこれは山椒かしらなどと呟き、オーダーした料理が運ばれてくるまでのちょっとした時間潰しができるほどのラインアップが取り揃えられているところもある。 そこで思うわけだ。調味料ってやつは、味を変えてしまう代物よね。そんな危険なアイテムを、素人が自由に操れるような場所に置いてしまっていいものかね、