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どん底

金がねえ

彼女に振られた。無理に金作って貯金に手出して彼女に尽くしてそれでも一緒にいたくて頑張ってたけど振られた。典型的な心に穴があくって感じのやつ。「本当に自分は愛されていたのだろうか」的なありきたりな歌詞みたいな気持ちにもなった。そりゃ死にたくもなるよ、彼女に振られただけじゃなくて金も無くなったんだから。

FXで生活していた頃の自分が今の自分を見たらぶん殴ると思う。20代前半で中流階級程度の年収を稼いでこれからって時にその金を全部女に使うなんて知ったらね。

トレーダーは嫌だって言う彼女の為に仕事もしたけど月30万も稼げない。トレードしてる方が稼げるし家にもいれるのに。理解はできなかったけどしようとも思わなかった。だって彼女が嫌だって言うんだから。それが愛だと思ってた。

「30歳までにとりあえず1億の純資産を保有する」

これが僕の20歳のときの目標で22歳で500万円くらいの貯金ができた。複利で増やしてポートフォリオも組んで効率的に動かせば目標は達成できたはずだ。それが現時点で24歳の僕は貯金どころか200万円近くの借金も背負っている。彼女と別れて地元に帰ってきたけど見栄が邪魔して友達になんて会えない。

外出はいつも眼鏡にマスクに帽子の芸能人スタイルだ。FXで稼げるようになって彼女とそこそこいい生活もしていたお陰で生活水準をさげられない。いや、お金が無いから下げざるを得ないのだが、焼肉に行くのも高級店ではなく大衆のチェーン店になった。そんな生活を1ヶ月も続ければさらに金も無くなりFXをする軍資金すらもないから財布から出る一方だ。

今はもう1日1000円以下の生活。それでもしんどい。こんなはずじゃなかった。金ももう借りれないし働くしかない、けど地元で働くのは嫌だ、いまだにそんなわがままな自分がいる。この期に及んでだ。死にたい。

このままでは家族に迷惑をかけてしまうのと人としてもお荷物になってしまう、なんて気持ちもあるからとりあえずバイトの応募をした。普通のバイトは嫌だったので変わったことを探した。

条件は1.住み込み2.生活コストを抑えれる3.地元から離れるという「プライドを保ちつつ働くこと」という妥協点にしては糞だがまあとりあえず探してみた。そしたらなんと見つかったのだ。リゾートバイトってやつだ。

場所によって条件は異なるのだが場所によってはホテルの客室に住みながら働けたりもする。もちろん家賃光熱費の他に飯も出る。インターネットも使い放題だ。この国は天国かよ。早速応募をして派遣会社に条件を伝えて数件紹介してもらった。

人間性の腐ってる僕は好条件で働かせて貰えるにも関わらず細かいとこまでどうしても気になってしまう。例えば風呂トイレ共用とか、持ち物が多いとか休日は飯が付かないとか立地が悪いとか。生活水準を上げたつけが自分の行動をことごとく縛る。

派遣会社様に2回も探し直してもらってしまった、本当に申し訳ない。それで熊本県の観光地がよさそうだったのでそこにしようと今は手続き中だ。なんと金も無い社会的ステータスも無い能無し不細工にも楽しみができた。でも僕は知ってる、期待しちゃだめだ。

期待しちゃだめだし信用もしてはいけないことを学んだ。トレードでとっくに20歳の頃に勉強したはずなのに実生活では活かせない。今や人生のどん底だ。気持ちが本当に乗らない。24歳の同学年はみんなバリバリ働いてる。隔離された世界に行きたい。くそが

必ず這い上がる