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物差し
小説や、ドラマなどを楽しむ時に、自分の中に物差しとなる作品がある。
例えば、小説であれば、中村文則の『教団X』、ドラマであれば、『池袋ウエストゲートパーク』あたりだろうか。設定はシンプルだが、その中に重厚な意味や物語がある、構成もわかりやすいが飽きのこないひねりがある、主人公はいるが、どの人物が主人公でもおかしくないくらいの人物設定になっている。今、読んでいる、見ている作品が、物差しとなる作品にくらべて、どの点がどう違うのか、似ているのか、あるいは、似て非なるものなのか、という視点から見るのは面白い。
もちろん、それらの物差しから離れて、今読んでいる、見ている作品を楽しむというのは一つの楽しみ方だ。ただ、多くの小説を読んだり、多くのドラマを見てくると、自ずと自分の中に、自分が楽しめる作品の傾向がでてくる。そういう意味でも、物差しになる作品がいくつかあると、これから読む、見る作品を選ぶ指標になる。
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