第47期最高位戦A1リーグ最終節を終えて

48回戦目のオーラス、元太が誠一さんのリーチに放銃した瞬間、今期の俺のリーグ戦は終わった。

終わった瞬間、口元がわずかに緩んでいたのは、最後までやり切った爽快感と、役満直撃したいところを逆に役満直撃されて終わる、そんなこともあるんだなと、ちょっと可笑しくなっちゃったから。

元太と170ポイント差を逆転する、前日から思い描いていたシナリオは、元太と2着順差を3回繰り返して、最終戦着順勝負に持ち込む、そんなシナリオ。
計算上1%にも満たない可能性だけどやるだけやってやろう、そう思っていた。

この日の俺はめちゃめちゃ手が入っていて、1回戦目は俺2着、元太4着と、目論見通りになる。
2回戦目は、オーラス俺ラス目で元太が1400点上の3着。そこから元太に4000オールを引かれ、俺も1本場に最終手番で2000-4000を引きあがり、元太1着、俺2着。シナリオからは外れたけど、ギリギリ首がつながった。
3回戦目は6万点の大トップを取るが、元太が2着に入り、95ポイント差で最終戦を迎える。

トップラス35000点差、トップ3着55000点差、トップ2着75000点差が最終戦の条件だ。
東3局、メンピンツモ一盃口ドラ2の6000オールを引き、微かに決定戦が見えてくる。元太から5800でも直撃すれば、一時的にではあるが条件を満たす。

1本場、元太が白ポン、2ソーポン、中ポンと索子のホンイツ模様で4センチ。
道中、45577m33367788sに4mを引く。
3sを打てば6s単騎のタンヤオチートイ聴牌だが、3sは元太に超危険、6s単騎では勝ち目が薄い。
打4mとして勝負を先延ばしにする。
数巡後、5枚見えとなっていた36mを引き入れ、5mを横に曲げる。
元太は俺のリーチの一発目、ツモって来た6mを逡巡の後叩き切る。(それは入り目だバカ野郎!)
流局2人聴牌。

2本場、14巡目、絶好のドラ表カン7pを引く、だがリーチ宣言牌の2sが元太のダマ6400放銃となる。
その後は元太の独壇場で場が進み、もう最後の親番で75000点あがるしかないとなったところで、件の国士を放銃。あっけない終戦となった。


A1リーグ1年目は決定戦ボーダーと1着順差の4位、2年目も決定戦に手がかかりかけての5位。
A2リーグにいた時も、2期連続で昇級争いに最終節で敗れ、4期目でA1に昇級した。
A1でも惜しい結果は出ている。A2から昇級した時と同じように、来年・再来年には決定戦に出られるんじゃないか。
否。A1はそんな甘いもんじゃない。去年A2を圧勝した3人が、3人とも1期でA2に逆戻り、あのクソ強い品川さんですら、9節で900負けることもある、A1はそんなこわい世界だ。
来年、俺も降級する未来だって十分に考えられる。っていうか、俺はそんなに麻雀強くないし。ちょっと頭おかしいくらい強いA1の猛者たちを相手に、よく戦っていると褒めてほしいぐらいだし。

離婚して会えなくなった息子と娘に、タイトルを取って父親が名のある人なのだと思ってほしい。そんな思いで最高位戦に入会して早や13年。
一生に一度でいいから最高位になりたい。いつの間にか目的は変わっていた。
入会した時は31歳だったけど、今はもう44歳。反射神経も思考の質も量も衰えていく中で、このまま今までと同じようにやっていて、どうして最高位になんてなれるだろう。どうしてA1に居続けることができるだろう。
A2からA1に上がるまでの過程でだって、毎年、今の自分に足りないものを補うために、私設リーグを新たに作ったり、いろいろ新しいことをやってきたじゃないか。
決定戦に残るために、やるべきこと、まだやってないことはいくらでもあるじゃないか。

幸いなことに、来期の開幕まで半年近くある。
その間に、もう一段階でも二段階でも、強くなれる余地がある。
リーグ戦は1年に1回だけ、1年で1つ年をとる。俺に残された時間は、実はそんなに多くはない。
来年の3月、また少しレベルアップした自分をみなさんに見てもらいたい。
でも、その前に、みんなで一緒に決定戦を楽しみましょう。

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