クッション爆弾5
※R複合体(爬虫類脳)
一般的に、人間の脳の主要部分は「爬虫類脳(R複合体)」と呼ばれている。爬虫類脳は攻撃性や冷血性、所有欲や支配欲、強迫観念や儀式的行動、服従、崇拝といった人間の性質に影響している。爬虫類脳は現在の地位や権力、優位性や自意識を、「生き残れないかもしれない」といった恐怖から守るように作用するため、全ての争いは爬虫類脳から生ずる。また性的刺激やマネーに関わる商品広告は全て爬虫類脳を標的にしたものである。(デビッドアイクより)
爬虫類に悪い気がしますねえ、(Mより)
※マッハの原理
物体に働く慣性力は宇宙にある他の物質との相互作用によって生じる、とする原理。 ... こうしてマッハは、地球上の物体の運動において、地球に対する宇宙全体の相対運動の影響を考慮すべきことを主張した。 これをマッハの原理という。(日本大百科全書より)
水の入ったバケツを回転すると、遠心力で中央部の水面はへこみ、周縁部は盛り上がる。これをバケツは静止していて宇宙の物質が回転することで縁が盛り上がると考える。
やはり天動説もありですなあ(Mより)
Mは自分の部屋、つまり士官学校の研究室で次の研究に取り組んでいました。
その時ドアが開いて誰かが入ってきました。
「久しぶりだな、元気そうで何よりだ、お前がここまで活躍するとは思わなかったよ、友人の校長(将軍)にも感謝されてね、俺としても喜ばしい限りだ、」
入ってきたのは中学校時代の担任の教師でした。
「先生、お久しぶりです、こんな素晴らしい環境で研究が出来て先生には感謝してもしきれません、本当にありがとうございます。」
「こちらもそこまで感謝されては心苦しいのだが、実はお願いがあってここに来たのだ、はっきり言おう、今敵国でハリケーンを起こしているマシンを頂きたいのだがね、断るという選択肢は君には無いと言う事だ、分かってくれるな。」
そして銃をちらつかせておりました。
意外にもMは、
「はい、お渡しするのは構いませんし、宜しければ設計図も差し上げます。唯先生がこれを持って帰ったところでこのマシンは誰にも使えません、脳がR複合体に支配されている状態では無理なのです。このマシンは昆虫や動植物と対話するマシンです。自分達のみならず自分達の種を危機に晒す人間とは対話は出来ても言うことは聞いてはもらえませんよ。」
「なる程、かもしれんな、ならば昆虫やらを騙せば良いはずだ、」
「先生、彼らは生命維持に関しては人間以上に敏感なんです。はっきり言って無理です。実は僕にはこのマシンが既に必要無いのです。僕の脳自体が何時でも彼らと対話できる状態にあるのですから。」
「ならば何故俺が来る前に逃げない?」
「こちらからも最後に訊きたいのですが、平和な国や団体や人物を残酷に侵略するのは先生はどうお考えなのですか?」
「俺だって国に帰れば妻と子供がいる、食わせていくには仕事しか無いんだ、平和は当然望んでいるが侵略はもっと上の連中の企てなんだろうな、贖うことは不可能だ。しかも下っ端の我々だって残酷、侵略を好む様に脳が作られているのだろう、それは教師時代に痛感したよ、そんなクソみたいな世界で勝負が存在しているだけのチキンレースみたいな世界だ。」
「そうですか、でも既に僕はこの世界に一粒のエッセンスを落としたので思い残すことはありません、
そして既に次のステップに進んでいるのです。」
「そうか分かったよ、苦しまずに一思いに逝ってもらおう、」
そういって引き金を引いたのでした。
その瞬間にMはマッハ理論が少し分かった気がしたのです。
「ワームホールでも抜けるかな、、、」
足がビクンと跳ねた感覚で目が覚めました。
隣で寝ていた妻も目が覚めたようです。
「どうしたの?また変な夢でもみてたんでしょう?」
「ああ、誰かに撃たれた様な夢だったかな。」
「変な寝言も言っていたわよ、『種はタネなのか種類なのか』だったかしら?」
それを聞いた途端Mは「これだ!」と叫んで自分の部屋に飛び込んで行きました。
終わり
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