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夜のクラゲは泳げない7話「夜明け」感想

F(ake)F(antasy)

前回のあらすじ

 馬場静江31歳! 3日で80万回再生を超える動画を世に出した銀河の超新星アイドル爆誕! バツイチ子持ちで2度美味しい!

※この記事は【夜のクラゲは泳げない7話】のネタバレを含みます。


今回のあらすじ

 迷子の花音ちゃんが己の指針を見出すお話。

塞がるストローと遠近進路

 順風満帆な滑り出しのJELEEが、お正月から新曲を出していない? サーティワン・ロリポップ以降、浮いた話がないまま春を迎えて全員3年生。JKブランド喪失しても皆可愛いからいいじゃねえか…多分まひるは表面上残念がっているけど全然気にしてないと思うぞ。まひると木村ちゃんは順当に進学を選ぶが、花音ちゃんにはそういうしっかり現実的な進路がない。

キウイ「名門校の教育学部を受けるよ」

 高認試験もほぼ受かるという着実な夢を持っていた意外性。皆将来のことを真剣に見ている。

 無限に繋がる未来を、滞りなく水を運ぶストローだとしたら、今はどん詰まりだ。まひるに気遣われたりして停滞感のある自分を意識したのか「バイク合宿に行く」というキウイちゃんにとりあえず付いていくことにしたのだった。因みにJELEEちゃんアカウントでは過去にこんなことも

1人は不安

木村ちゃん「お泊りだなんて気が気じゃないです!」
まひる「大丈夫だって(キスされた)(確実に愛されてる自信)」

 今回は木村ちゃんとまひるの絡みがとても多く満足だ……絵を描いているシーンでは、進路についてとか、自分の中にあった気持ちを再確認する等のやり取りがあって等身大の悩みを感じる。

 私、笑顔もNGなのでとか言いそう。

一本橋が渡れない!

悪気はなく 講義の中で爆睡
そして学科試験に落ちる
諦めずに 一本橋に挑み続けても
もう少しが出来ない
100万バストがあれば 楽に重心が手に入るけれど
何度やっても 何度やっても
一本橋わたれないよ
あの鉄骨カイジみたいで少し怖い
才能無くて嘆いたけれど 免許はとりあえず欲しい
まっすぐ前をみつめたくても
足元怖くて日和るよ!
だけど次は絶対渡りたい
タスケテ 万能ヒーローキウイえもん!

ヤニカス整形Fカップ美人のミステリアスお姉さん

 ヤニカスVtuberに需要は……あるな(心当たりあり)。

 合宿先に現れたカッコいい系の美人さん小春。7話が終わった時点でも、公式HPのキャラ紹介には声優名以外一切の文面が書かれていないので、今後何かしらの出番があるか?(或いは更新が少し遅いだけ?)

 いきなりキウイちゃんに馴れ馴れしく失礼な態度をとるけど、これって最初から相手がどういう人間か、自分と話が合う奴なのかを試していたりするのだろうか? レスバ最強のキウイちゃんをいたく気に入って趣味の話を明け透けなく話す急接近ぶり。こういう大人の女性って雰囲気を醸し出すキャラってヨルクラ(夜のクラゲは泳げないの略)では店長以外初か? 花音ちゃんのお姉さんは大人のお姉さんと呼んでいいかよくわからん。

救いのヒーロー

 決定打は先生の言葉だったのか。「周りと違う」「普通じゃない」という言葉にメンタルをやられて、中学校から学校に行けなかったわけだ。固定観念や一般的女子の好きな者に迎合しない=普通じゃないわけじゃないのに。

 キウイちゃんが引きこもりのまま高校進学出来たのは立北が中高一貫校だった(この設定コミックス版で知った)からなのか? 今回の高認試験あっさりパスを見るに学業はトップクラスのようだし。

 同級生を見て吐き気や震えなどを引き起こすほど学校が嫌だったはずなのに教育学部を志す理由は、立派な物だった。是非とも本編で見て下さい。

 それと今回、タイトルに「夜明け」とあるのはキウイちゃんの部屋も。冒頭、何気なくキウイちゃんの自室が映し出されていますが、普通ですよね?放課後でまだ日が落ちていない時間帯にブラインドで日の光が差し込んでいるんです。引きこもって周りとの隔絶を示すような真っ暗の部屋がデフォルトだったキウイちゃんの心境変化がここで感じ取れます。確認したら5話の乾杯シーンではまだ暗かったです。天岩戸、大成功でした。

モザイク、欠けろ

 カップ数。小さくても私は好きだが、大きいほどロマンを感じるのは否定しないしむしろ私は「奇」まで好き。ここら辺の性癖は確実にエ〇ケンのせいに違いない。

 小春さんは元はBのF。花音ちゃんはC。そして風呂場……で、デカい! これが100万円で手に入れた人工Fantasy! 衝撃のFirst ブリット! しっかり肋骨の境目部分も見えるマジもんの色気で わ、私も! 私も触りた(轟くサイレンの音に怯む)

 そして花音ちゃんの見立てでは「キウイはこれより大きく見える」ので……つまり、ぐ、Glavity! 実った房が、重力に抗えないの、いいよね!

 しかし肝心の揉みまくりシーンは一面のモザイク処理。BDでもモザイクかかってそうな気がするな! それでも! 見たい世界があるんだ!!

薔薇?

小春「自分の行きたいところに、しっかり視線を向ける」

 一本橋(人生)を渡るコツを伝授する小春さん。

花音「けどそれって怖くないですか? どうしても転びたくなくて、近くを見ちゃう」

 ここで小春さんの左半身の背中に、恐らくバラの入れ墨跡が色濃く残っていることに花音ちゃんは気付く。しっかり視線を向けずにふらふらしたその結果がこれだということが、若干鈍い花音ちゃんにも理解出来たのだろう。かつて掘った入れ墨を消したのや、顔を変え、豊胸した理由が何かを考察することも出来そうだが「薔薇の入れ墨の色によって意味が変わる」ため、各々キャラクター像を想像する余地があって面白い。

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 あれだけ失敗した一本橋をクリアしてハッピーエンドと思いきやw 花音ちゃんJELEEの活動を通してポンコツっぷりが次第に明らかになっていくの愛おしい。

光ファイバー

 自分がノクスというVtuberをやっていることを明かすand連絡先交換するくらい親密になったキウイちゃんと小春さん。何やらこの先、とても濃密な関係になっていきそう……。

 電車内で正体明かすっていうのも「そこでバラして大丈夫!?」とかネットリテラシーの崩壊を感じるが、それはもう今更って感じ。最後の眩しい笑顔が、スーパーヒーローって感じで凄くいい。

花音ちゃんバイクどこへ行く?

 美大を目指すと決めたまひる。同時期に免許を取得して大得意顔の花音ちゃんは、早速レンタルバイクで「どこに行こう」とするが……行き先を決めることが出来ない。

 バイクは、移動手段だ。行動範囲は間違いなく広がる。けれども手段でしかない。プログラミング素人が持つ低価格ノートパソコンを、ハイスペックノートパソコンに買い替えてもいきなりプログラマーにはなれないように。手段は、目的を達する道筋に過ぎない。

 合宿中「フォロワー10万人を目指している理由」をキウイちゃんから聞かれた時、花音ちゃんは答えることが出来なかった。

 1話の頃、堂々とまひるには言えた爽やかな復讐「覆面アイドルのまま皆を夢中にさせて、最後に正体をばらして自分をバカにしてきた皆を見返す」という夢。その手段として、有名になるためにフォロワーが必用だった。

 ……つまりは、5話の初詣の時点で「手段が目的にすり替わっていた」。

 4話でサンドーの両A面発売では対抗意識か何かで同日までに曲を作ると意気込んだりしていたのに、現状歌詞は浮かばず、かといって歌ってみた動画で繋ぐとかもせずにいる。(もしかしたら他の媒体でこの辺りの詳細が明かされるかもしれないが、現時点ではそういう活動も見られない)

既に夢が叶ってしまっていた

「神様聞いて下さい。私は今まで、ずっと一人でがむしゃらに走ってきました。でも今は、大好きなイラストと、大好きな曲と、大好きなMVに乗せて、歌を届けることが出来ています。だから私にはもう、願い事はありません!」

夜のクラゲは泳げない 第5話「コメント欄」より

 このシーンを察するに、爽やかな復讐は彼女が1人だった時に浮かんだ「何でもいいから活動したい」目的を達するための手段・方便だったのかもしれない(がむしゃら部分)。引きこもりで意味もなく体を壊すような生活の末に、このまま消えたくない思いを抱えていたのかもしれない。

 3人の友人を得て自分の好きを世に届けることが出来て、神様への願いに託さずとも進んでいけるという漠然とした安心感を得ての発言だったのだろう。元々誰かを恨んだり、恨みを晴らすとか、そういう子じゃないから。

夜のクラゲは泳げないけど

 行きたい所は多分あるのに、どこか分からない。モヤモヤする気持ちの中で目にした「まひるが渋谷にいる」情報。友人たちと渋谷の街中で練り歩いているところに、花音ちゃんは現れた。

「まひるがいる所に行きたい」という無意識での行動だったのだろう、一緒にどこか行こうと誘うでもなく、何を話せばいいのかもわからず、折角バイクに乗っているのに合格報告をして自慢することもしない。

 本当にどうしたらいいのかわかっていない迷子のような花音ちゃんに、まひるは少し待ってから笑顔で呼びかける。そしてバイクに乗る。

このシーン。好きすぎる。

 驚きの顔をする花音ちゃんだけど、笑顔になっているんだよ。眉の形が、動揺しているというより安らぎを感じている。自分の後ろに迷いなくついてきてくれる大切な人が自分にいる。

3人娘の心境の妄想

「見た?」「見た」「エグイ美人にまひるが積極的に行った」
「え?? つまり、最近付き合い悪かったのって…!?」
「そういえばハロウィンの時もいきなりいなくなったし」
「DMの時も乗り気じゃなかったって、そ、そういうこと!???」
「そういえば文化祭の時もいたらしいじゃん!」
「いたいた! まひるのところ行ってた!」
「でもヨルって呼んでたけど?」
「あだ名?」「まあとりあえずさ」
「「「今度詳しく教えてもらおうか」」」

どこでも

「どこに向かえばいい?」の問いかけに「知らない」と返すのひたすら尊いとか感じている中「ていうか、どこでもよくない?」と言ってあげるまひるが好きだ。

「どこにいくために何をする」ではなく
「何をするためにどこにいく」で、優先順位が逆なのだ。

 まひるにとっては目的地よりも、花音ちゃんと一緒にバイクデートすることが大事なのであって、目的地は単なる到着地点でしかない。進路も一緒。何が大事なのか。何を優先するのか。いつも花音ちゃんは感性を重視していたから今回は「目的がない」ことに惑わされたが、目的地は1つだけじゃなく、どこでもいい。これから選べばいい。

「寄り道・脇道・回り道。しかしそれらも全て道」

スマイルプリキュア! 43話より

(個人的に花音ちゃんにはスマイルプリキュアの43話を見て欲しい。周りの期待とか、自分の考えとか、そういった心の綻びを解いてくれるはずだ)

まひるのために歌う

 美大への進学を聞いて、つまりは皆進学し、自分だけ取り残されてしまうのではないかという不安。でもまひるが美大に進む理由をくれたのは花音ちゃんだ。自分の絵(トラウマ)と向き合う機会をくれて、それを好きだと思いたいまで愛しいものに昇華させた恩人。その恩人が自分だと気づかないのは鈍感だという事もそうだけど、自分に自信がない花音ちゃんらしい。

 まひるにとって自信がなかった絵を「好きだから」と全力で支えてくれた花音ちゃんへ、「私のために歌って」と幸せな笑みで言いきっちゃう…………青春。ラブコメよりも、青春の波動が溢れてくる。

きっとこの一歩は初めてに繋がる

まひる「野生のクラゲを見るのは初めて」

 告白してもいい? からのこれだから一瞬拍子抜けたが、これってつまり「クラゲ大好きでも全部は知らない」「この世はわからない事ばかり」だと言いたかったのか? そして1話では花音ちゃんがまひるに手を伸ばし、今度はまひるが花音ちゃんに手を伸ばす。7話までに築き上げた絆(奇跡)を見ている。美しい浜辺をひた走る2人、足跡も不揃い、向かう先もよく分からない。

 でもきっと、止まった世界では見れなかった初めてが、その先にはいっぱいあるのだろう。それこそ、25時間じゃあ全然足りないくらい。そんな祈りにも似た希望が満ち溢れているようで、いてもたってもいられなくなる、沸き立つ幸福感に自然と私の目頭が熱くなる。

 ここのやり取りはもう、本編を見て欲しい。そしてフル版の歌詞を読み解いてほしい。素晴らしくて、綺麗で、最高だから。

青い切符

 スーパーカブなら許されていたのに!!!!

 この職務に忠実で有能な警察官め! いつもお疲れ様です!!

 というか2人乗りダメって知ってたのか花音ちゃん……愛ですわ


サポート1人を1億回繰り返せば音霧カナタは仕事を辞めて日本温泉巡りの旅に行こうかなとか考えてるそうです。そういう奴なので1億人に到達するまではサポート1人増える度に死に物狂いで頑張ります。