チェンソーマン10話「もっとボロボロ」感想

前回のチェンソーマン

 確殺圧死アタックで壊滅した銃撃集団。デンジも奪還されて作戦失敗這々の体。しかし公安特異4課、その他も壊滅という最悪の状況下で、どうなるチェンソーマン。

これがお見舞いでやることかよぉ!

 アキ君のお見舞いに来たデンジとパワーの振る舞いが酷すぎて義務教育と道徳の授業が恋しくなる。アキ君がデンジのお見舞いに来た時は1個だけリンゴをうさぎに剥いてくれたからか、デンジも沢山ある内の1つだけリンゴを残して去っていった。やかましい上に椅子は倒し放しで礼節を感じないけど、今のアキ君にとってはこの賑やかさこそ救いかな。

 当のアキくんは糞の役にも立たなかった呪いの悪魔に寿命を奪われて余命2年の通達を受ける。気を紛らわせるためのタバコに火を付けることで、バディで親密な関係だった姫野を思い出してしまう苦しみ。逃げることが出来ずに静かに泣き出すアキ君の姿にグッとくる。本当にチェンソーマンは良い意味でアニメらしくない描写が多い、この涙のシーンも、涙の溢れ方が現実的で私は好きだ。

人の心がない?

 デンジにとって姫野は一晩を共にし、友人になろうと呼びかけられた仲。それでも死んだことに涙を流さないし心の凝りもない。親しい人間が亡くなっても多分涙を流さない。

 人の心っていうのは関わる人間や置かれた環境下で揺れ動き育つから、クソみたいな人間+愛すべきポチタ(悪魔)しかマトモな交友関係なかったデンジにとって「他人の死」は同情する以前に興味関心のない事柄。つまりなくなったんじゃなくて、まだまだ未成熟ってこと。人間関係などを通じてこれから成長していくはずだ。

岸辺との邂逅

3つの質問

岸辺「仲間が死んでどう思った?」
デンジ「別に?」 パワー「死んだと思った」

岸辺「敵に復讐したいか?」
デンジ「復讐とか暗くて嫌い」 パワー「ワシも」

岸辺「お前たちは人と悪魔どっちの味方だ?」
デンジ「俺を面倒見てくれる方」 パワー「勝ってる方」

評価:100点

 マトモなやつはデビルハンターをやっていると簡単に死ぬ。それとはかけ離れているデンジとパワーの解答に岸辺は満点を出した。少なくとも恐怖に駆られることはないだろう(パワーちゃんはマキマさんの恐ろしさがなかったら前回裏切っていた可能性大)

 そのまま「大好きだ。先生と呼んでくれると嬉しい」とハグ、しよ? からの絞め殺し。あんまりじゃね? マトモなハグじゃないとは思ってたけど魔人とチェンソーマンを退治しちゃったよ!? もちろん、死んじゃあいないけど。

最強のデビルハンターを殺せる悪魔は最強

 デンジはパワーから支給された血のトンカチで迷いなくドタマかち割りに行くが、一振りを躱された一瞬で3箇所、ナイフで刺し貫かれる。そのまま前のめりの頭を顎から串刺す早業。炭治郎なら顎の時点で止まってたかもしれない。

 秒殺されたことを把握すら出来ていないままバックアタックを仕掛けるパワーも、振り向きざまの一閃で喉がバックリ開いた。

 人間なら多量の出血後に失血死ルートだろうが、デンジもパワーもこれだけでは死なない。主人公たちがサンドバッグになる、ジャンプ王道の修行回だ!(スプラッタ増し増し)

マトモなアキ君

 訓練という名の嬲り殺しにあっているデンジとパワー。その間アキ君は「デビルハンターを辞めるて残り少ない余生を送るか、公安を止めて民間、或いはこのまま残って地獄を見るか」の選択肢に

「家族を殺したやつも。バディを殺した奴もまだ生きてる」と復讐を支えに残留を決意。

 京都から来たデビルハンターから見たら「マトモじゃない(少しばかりイカれている)」んでしょう。けど、岸辺から見ると「マトモ(まだ人間的な心がある)」な奴だ。これでは2年を待たずに早死する。

楽しむための苦労で楽しくない

 20は軽く超えたデンジたちの死亡回数。精神に何度か失調を起こすほどの痛苦。多分、永遠の悪魔が感じていた痛いはこれ以上にひどかったんだと思う。ポロッとデンジが漏らした「楽しむための苦労で楽しくない」は、現代を生きる人の大半にぶっ刺さりそう。苦労を重ねて強くなっていこうぜ。

(振ったらカラカラ音が鳴りそうな)頭で戦うんじゃ!

「酒で頭がイカれた奴に勝つためには頭を使うんじゃ!」
「漫画の頭いいやつみたいに戦えたら良いって憧れてるぜ!」
「頭脳でぶっ殺すんじゃ!」
「なんか俺すげー頭良くなってきた気がする!」

 バカの会話が聞こえる……。

超インテリ作戦

 メガネをかけて頭脳アップ! その発想がすでにバカなのだ。

「俺たちの日常を壊すやつは、死だ」何気に今の生活を「特別なもの」ではなく日常という感覚に落とし込んでいるのは良いことだ。今までは憧れだった普通の生活を自分たちが持っているものと認識している。

 岸辺攻略の作戦名は【超インテリ作戦】。手始めに斧の柄を咥えるデンジ。作戦内容は全然わからないが、作戦名もデンジのポーズも全体的に馬鹿っぽい。何気にパワーとのマトモな共闘は初ではなかろうか?

 訓練(嬲り殺し)のため岸辺が早川家のドアをあける、その一瞬、スキを突いてドア越しにパワーがブラッディ・ランスを投げた! ドアすら貫通する血の槍は、正確に頭を射抜けたはずの奇襲だった。ところが岸辺これを回避。続けざまにドアから攻撃、ではなく上階に仕掛けていた血のペットボトルを槍衾にして上から串刺しにしようと、しても回避された、シャドーボクシングの悪魔でもいる?

 失敗しても間髪入れずにデンジが上階から岸辺の背後に襲いかかり、鬼殺隊同様に首を狙う。が、咥えた斧を持ち、構えて振りかぶる動作が無駄で、岸辺の反撃時間を許してしまいダウン。

「粗はある戦い方だが今までで一番良かった。今日はもう終わりにしよう」

 やったぜ! と喜ぶデンジの眉間にナイフが突き刺さった。

「獣が狩人の言葉を信用するな」よくも騙したああああ!

 もう一回どころか何度でも遊べるドン!!

未来最高!と言いません

 狐の悪魔に嫌われ、バディが身内に送っていた手紙を受け取っても止まらないアキ君。契約する悪魔の名は未来の悪魔。デンジたちが日常という輝かしい未来を求めているのに対し、アキ君の未来は限界が見えた地雷原。そして復讐に囚われた彼は早くに死ぬだろう。そんな彼が手持ちにする悪魔が「未来」という最高の皮肉。

 未来の悪魔の声優は千葉さんとかだと個人的に嬉しい。

サポート1人を1億回繰り返せば音霧カナタは仕事を辞めて日本温泉巡りの旅に行こうかなとか考えてるそうです。そういう奴なので1億人に到達するまではサポート1人増える度に死に物狂いで頑張ります。