いちから誹謗中傷行為への対応についていろいろ考える(2020/11/22)

 このような記事を書いてから早3カ月が経とうとしています。こんばんはこんにちは、音霧カナタです。ところで9月に発せられたいちから株式会社(以下「いちから」と表記)プレスリリースには、具体的に何をしたら攻撃的行為になるか明記されていました。何が誹謗中傷に当たるかもしっかりバッチリ書かれています。「そんなの関係ない!! 俺は俺の言いたいことを言うぞ、それが誹謗中傷でもな!!!」という輩はやっぱり出るわけですが。

10月の騒乱

 そういうプレスリリースのしばらく後に、一つ大きな騒動がありました。例のアレによる動画が端を発して起こった内部告発のリーク&いじめの実態というセンセーショナルなもので、荒れに荒れていました。まあ、どう見ても片一方の主張しかないのに鵜呑みにする人たちが大量に釣れたわけですけれども。

 運営の対応を信じましょうと記事書いておいてなんですが、すぐに運営から子細な情報、及びDMの内容開示には流石に驚きました。騒動の渦中にされた夢月ロアちゃんもやり取りを公に出して以降ツイートがありません。戻ってきてほしいと思う一方、心無い非難を浴びることになっていたためしばらくは表に出ない方が良いとも考えていました。この問題を運営がどうクリアするのかが焦点となり、例のアレはこの事態を招いた責任をどうとらされるのかというのが注目されていました。

今年の汚れは今年の内に

 やきもきしながら迎える日々の先、2020年11月19日。重い腰を上げたのではなく『既に行動は終わっていた』。いちからの出したこの声明文は過去、2020年5月に起きた問題(それも例のアレ絡みの誤情報)とパっと見た感じ似ていると思った方。いいえ、全く違っています。

 5月段階でつづられた声明文には『法的措置を含めた厳正な対処を検討』という牽制文が入っていたのに対し今回は『法的措置を含めた対応を講じてまいります』に変わっています。

検討(けんとう)とは、物事をよく調べて考えること。また、それでいいのかどうか、物事のよしあしを色々な角度からしっかり考えることをいう。
対策を講じるとは、なんらかの問題を解決、乗り切るために対応方法を出し実行するという意味のこと。英語で表現すると take measures である。対策とは、事前に相手や状況の応じて取る手段のことを指しており、講じるは実行に移すことを指している。 【weblio】より抜粋

 5月に起きた騒動に関しては、にじさんじトップの月ノ美兎の配信により丁寧な解説&エンタメで何事もなく収束したため、実行に移さずに穏便に済ませていたのは想像に難くありません。

 しかし今回は問題の性質が全く違います。夢月ロアちゃんへの誹謗中傷、彼女の名誉を毀損し、信用に傷をつけるような言動、それに伴うイベントの参加予定キャンセル(=返金問題も発生)、活動が出来ない(=収入源を断たれる)といった実害が押し寄せています。ひいては、いじめに便乗したのかという運営への疑念や企業への信用棄損行為も散見されました。

 9月に設置したことによる牽制はあまり意味を成していないのではないか??というファンの不安もある中、運営はどういう行動に出るのか。その答えは被害についての情報を収集し、【論評の域を逸脱し、所属タレントなどに対する攻撃的意図を有していると判断されるもの】を警察に被害届提出。そして【法的措置を含めた対策を講じてまいります】とツイートで報告。既に警察へ証拠の提出、及び被害届の提出も完了したという実に粛々とした対応です。一切こういった情報を外部に漏らさずに水面下で進めていた辺り、運営と対策チームは距離の離れた位置にあるのかもしれませんね。

あとは警察のお仕事

 警察に被害届を提出したとありますが、それはつまり起訴なのかというと少し違うらしくて。被害届には、犯罪を捜査機関に知らせる役割があるとのことです。詳細はこちらのサイトに書かれています。

 しかし企業が公式で発表した「提出した」は、「提出したよ~!!」という軽いノリじゃないだろうなと考えられます。上記サイトに寄れば、被害届は基本的に受理されるとあるけれども『警察としては証拠があり確実に事件性があるもののみを被害届として受理したいと考えています(上記サイトより抜粋)』という側面もあるらしいです。だから受理されるだけの証拠を集めてから提出したと考えるのが自然でしょう。

 約一カ月間もの間、炎上し続ける問題に最低限の説明以上触れずにいた、いちからの沈黙期間、何をしていたのか。証拠の提出という事はつまり該当動画やツイートなどが対象なのは言うまでもありません。だから誹謗中傷していた人はもしかしたらその範囲に入っているかもしれないし、証拠を提出された以上は今更削除しても後の祭りというわけです。

 被害者側としていちからは証拠を集めて被害届を出すという極めて一般的かつ正道な手段で解決に乗り出しました。ここからはその被害届を基に捜査や事件性の確認などをしていく警察のお仕事になります。ここからいちからに出来るのは「被害届の取り下げ」でしょうが……まあ、しないでしょう。

いちからは今後どうする?

 名指しはされていないものの、19日のいちから声明文で誰をターゲットにしているかは大体察しが付くでしょう。今回の騒動における問題を思い切り扇動し続けたいたので、仮に例のアレが対象じゃなかったらぶったまげるレベルです。民事事件として取り扱うか、刑事事件として取り扱うかはこの時点では確定ではないようです。(コメントで教えてくれた方ありがとうございます)

 因みに上記サイトに寄れば示談という手もあるようです、その場合活動自体の大幅な制約、自身が行ったデマの謝罪等等が課されるのは想像に難くありません。

民事事件:いちからと例のアレが当事者、和解するか紛争するかになる。
刑事事件:いちからは当事者ではなくなり、国の機関と例のアレ(犯人)(法律上、裁判になる前は被疑者、裁判となってからは被告人と呼ばれます)が当事者になります。被害者は刑事事件の当事者ではなくなるので、後はいちからに出来ることはありません。(下記サイトより一部抜粋)

 よって、沙汰がどうなるのかは今現在いちからが決める事ではなくなりました。色々な証拠を以て警察が判断し、行動するフェーズ(段階)です。

「何だそれじゃあまり効果が無いじゃないか!!」と憤慨した人、多分いちからが直接ぶっ叩いてくれるという期待を持っていたのでしょうけど、それは元々ないので安心してください。そもそも民事で解決できるような問題では既にないので、こうなると刑事事件になるより致し方ないのです。

 ……あと今回は『論評の域を脱した攻撃的意図なものを警察に提出』とあるので、損害賠償関連はまた別にある可能性は大いにありますね。

 ともかくロアちゃんは大事なファンを頼りにしっかりと養生することを祈るばかりです。

まとめ

 何にもしてこないから安心と思っていたらいけない。って現代の寓話になりそうな一連の事件。まだどうなるかはわかりませんが、今後根も葉もないうわさでいちからの炎上を狙おうとするとどうなるか明確に示されました。この一点だけでも評価に値するので、運営を信じて待った甲斐があったというものです。

 いよいよ師走迫る12月。年末は楽しい行事一杯なので、こういったニュースが11月中に来て本当に良かったです。今後もVtuber界隈のエンターテインメントをどうぞ牽引していってくださいませと祈りながらこの記事を〆させていただきます。

サポート1人を1億回繰り返せば音霧カナタは仕事を辞めて日本温泉巡りの旅に行こうかなとか考えてるそうです。そういう奴なので1億人に到達するまではサポート1人増える度に死に物狂いで頑張ります。