第ニ回にじさんじバーチャルパチンコ大会 決勝 感想

 一般的にスポーツの決勝戦といえば、並み居る実力者たちを押しのけて集う最強同士の一騎打ち。その激闘内容も推して知るべしなクライマックスイベントです。

 ですが、パチンコ大会で決勝戦となると、必ずしも激闘になるかどうかはわからない。決勝戦のみ30分延長の1時間30分とはいえ、実際のホールでは鳴かず飛ばずも十分ありえる短さだ。

 本戦Cのように誰も何も当たらない事態だって想定の範囲内なのだ。PKみたいな決着手段もない以上、盛り上がり皆無で終わり非難轟々……なんて悪夢を想像した方も中に入るでしょう。

 そんな不安と期待が入り交じる中、決勝戦がついに始まる!


ラトナ・プティ【ダンバイン】

 準決勝ではドヤ煙草の資格十分な超連荘を積み上げたプティさん。大工の源さんからダンバインにバトンタッチし、再び大当たりを重ねようという算段でしょう。

 56回転目、ハイパーゾーン経由でビルバインリーチ(レプラカーン)。保留変化なし、ビルバインリーチで熱い方のズワァースも行かず、ボタンや演出チャンスアップもないということであっさり敗北。

 開始して間もなく諦めるには早い。ホールなら500円を投入して回せるだろう約13回転(69回転目)、直前のハイパーゾーン不発に溜息を付いた瞬間発生するキリンフラッシュ(大チャンス演出)到来。保留変化は緑までだが、擬似連3回からビルバインリーチへ! またレプラカーンだが、タイトル色はチャンスアップの赤で、BGM変化で主題歌「ダンバインとぶ」が流れる! 

 歌詞に合わせてやって来たATTACKボタンの色は赤く、ドデカイ!

「おちろよぉおおおお!」

 決まったときの気持ちよさは打つ者が一番実感する。100回転もしない内に2度もビルバインリーチに行き、決め切る豪運は流石!

 しかし図柄の昇格は起こらず、時短50回転。ここで引き戻せたのは本大会だとマルマインのみ。時短駆け抜けてしばらく打ち続けたが、これといった熱い演出に恵まれずに台移動をする。行き先は、【戦国乙女6】

 9回転目に「もしかしたらなんかの間違いで当たるかもしれない」リーチに行くも大当たりには当然至らず。嫁からの電話(仕込み)でパチカス要素を足しつつ前進していき、

 103回転目。先読みヨシモー2人による擬似連3からストーリーリーチへ! 正直五分五分だが大当たりがあり得る状況、……も、外れ! 裏では別の台が爆裂している焦燥感からここで当てられなかったのは痛いのだが、

「五月雨は 露か涙か ホトトギス わが名を上げよ 雲の上まで」

 まさかの復活大当たりというエンタメ! 史実にもある本物の句と共に来訪する大当たりには会場も湧いた。本大会いっつも思っていることなんだけども、こんなにポンポン当たらんからね!? アマデジじゃなくてライトミドルだよこれ!

 いよいよここからが見せ場という士気高揚、それを砕くのがオウガイ様だ。

 戦国乙女2では【乙女8人VSオウガイ様】という信頼度最強リーチが存在するが、負けても不思議と「ですよねー」と諦めが着いてしまうほどの最強格。これをマサムネ単騎で倒したとか未だに信じられんし信じない。跳ね除けられて、再度大当たりを決めることは出来ず、準決勝で爆発した大工の源さんへと移動。

 しかしいくら源さんが速いとは言え、速さを生み出す右打ちに行くためのハードルは高かった。乗り越えることが出来ずに、後述の爆裂を決めた台によって敗北を喫する。ヨシテル様降臨をライブで見れただけでも個人的には素晴らしいプティさんの決勝戦だった。


安土桃【エヴァ15】

 ここまで大当たりを決めることは出来ても、右打ちの気持ちよさを示したものはいない恐怖の台【エヴァンゲリオン 未来への咆哮(通称エヴァ15)】。

 本戦以降限定の隠し台として満を持しての登場だけに、提供してくれた会社もそろそろ良いところを見せてほしいとか思ってそうだ。

 本大会においていわくつきの台を、決勝戦という大事な舞台で初打ちする猛者の名は、安土桃さん。座ったのは、先程まで舞元啓介さんが座っていた台。不調の台をあとから来た人が打つとあっさり当たる、そんなパチンコあるある。

※ハイエナという人もいるけど、ハイエナは【通常時のように見せかけた確変状態(潜伏確変)の台を探し、誰も座ってなかったら座る行為】。今は殆ど見かけないけど、少し前には潜伏確変がたくさんあった時代も存在しました。

 開始早々「何だか熱そう」な演出からの激寒リーチへいきハズレ。その後100回転以上音沙汰ないまま、ようやく巡り合った初号機リーチも当然のように外れる。アスカリーチも外れる。合計400回転を超えても当たらない台……ホールだと普通の光景だが、決勝戦だとのんびりした感じだ。

 408回転目、ようやくありついた サハクィエル赤字テロップのチャンスすらも、この台では勝ちきれない。442回転をしたところで移動。移動先は、またもエヴァだった。

 1回転も回されていないエヴァを打つ。30回転目、かかったリーチは特に前触れも演出予告もないノーマルリーチ。突如白光、綾波背景!! 一気にボルテージ上がったまま行ったリーチは最弱級のシンクロリーチ。

 ここで私に湧き上がる予感。旧シリーズのパチンコエヴァを知っている方なら察しもつくだろう。激アツ演出時のシンクロリーチで期待されるのは、図柄揃いよりもっと凄い展開。リーチライン2・3の次図柄4で止まらなかったら、止まらなかったら! 図柄5! 警報音! ざわめく会場! 何が起こる? どうなる、図柄が止まらなかったらどうなる!?

「私たちには、もう    安土桃を止めることはできないわ」

新世紀エヴァンゲリオン 未来への咆哮

 ST(スペシャルチャンスタイム)163回転以内に約1/99を引けば、1500発を獲得できる。大当たり=出玉1500発は、今大会だと海とかユニコーンを彷彿とさせます。しかし海は確変確率50%、ユニコーンは転落という不安要素がある。当たればST163回転、転落もないエヴァの安定感はぴか一。演出は多めだけれども回転速度はダンバイン並のためスムーズだ。要するに継続率の低いダンバインと思えばわかりやすい。

 継続したら大爆発だという場面に10回転目で大当たり。加減して!? 1/99って言ったばかりでしょ!? 完璧に暴走している安土桃さん、ゆるふわボイスでエヴァを乗りこなしている! 大当たり時の頭悪くなる音と合わさって脳がバグる中、30回転目で先読みからの突発大当たり! ミッションも達成して調子づく。

 赤保留・ダミープラグ・普通の演出などで約8000玉を獲得する。普通なら十分勝てるし現実ならとりあえず肉を食いに行きたくなる。

 そのまま打つのではなく【戦国乙女6】へ移動。勝っているときのノリ打ちほど気持ちいいものはない。


椎名唯華【ガンダムユニコーン】

 豪運の女王という冠は、人によっては荷が重すぎて脱ぎ捨てたくなる代物だ。

 技術や経験のように磨けばいいってわけではなく、その時々で、豪運どころか平運すら発揮できずに終わることもザラ。期待値は高いのに乗り越えられるかが不安定。どうにも出来ない部分に失望されるかもしれないと思うと、辛い。

 それでも彼女、椎名唯華さんならばやってくれるはずだ。彼女を応援するならそんな期待を、誰もが抱く。

 別の台でエヴァが当たり、戦国乙女6が復活を決める中、ようやくチャンスが訪れる。

 保留変化演出で「役モノが少し動いてユニコーン出てSHOOTする演出か」と眺めていたらガッツリ覚醒済みユニコーンが落下! 保留を慈しむように抱く演出こんなの見たことないんだが!? 保留が金になってーの、虹色がでーの、「それでも!」ラッシュでーの、2図柄大当たり! これが奇数図柄なら確変行けるし、逆に行けなければこの勝負は負けるという大事な局面。しかしもう一つ、ユニコーンには裏ルートが存在するのだが

F E V E R

 の文字が出て少し、文字が真一文字にぶった切られて!

「見せてもらおうか。新しいガンダムの性能とやらを」

 通常時大当たりの40%で確変。40%で通常落ち。そして残る20%に、合計3000発の超大当たりを実装するユニコーン。約1/5はそうそう引けるものではないが、エヴァが疾走して止まらない頃合いで満を持して出すのは、しかも1時間30分以内でこれを決めるのは並外れた運でなければ無理だ。コメント欄で「斬れ」と流れるのはこの演出。

 因みにこの3000発大当たりについてですが、実際は

1500発大当たり+【めちゃくちゃ長い時短+転落引いても大丈夫な回数極大=ほぼ1500発獲得濃厚】というもの。金色のゾーンはそういう演出です。パチンコって大当たり1回につき出せる出玉の制限があるみたいで、現行機種は1500発が限度っぽい。なので、3000とか4500とかの表記は、そういったカラクリがあると思ってくれれば大丈夫。

 ともあれ、エヴァVSユニコーンという夢のスーパーロボット大戦が開幕したのだ! 欲を言えばここでプティバインが飛んでいたら新旧超高速三つ巴バトルという撮れ高しかない場面も拝めたのだが、そんな場面は夢のまた夢である。

 覚醒HYPERに到達し連荘を重ねた場合、基本即当たりで演出がほぼない+出玉は全て1500発のユニコーンならエヴァに追いつくことも容易い。

 覚醒HYPERモードに入るには自力でもう一回、転落(約1/153)前に大当たりを引く必要がある。しかし椎名唯華さん、これを簡単にクリア! エアル王子の時にも披露していたユニコーンガンダムの真の力、ホールを席巻し今でも人気の高い神台の力を解き放

「ここが、この世の果て」

 20%の3000発。虹プレミアの連発など、常に低い確率を引き続けた椎名唯華さん、ここに来て大当り確率よりも低い転落当たりを引いてしまう。起こり得ない奇跡は連発するものであり、それは良い悪い関係なしにやってくる。

 エヴァに届くと目された一縷の望みはここで絶たれた。これはまるで、予選の笹木咲さんと同じ不遇っぷりである。

「それでも!」

 いくら高速のユニコーンであってもここから逆転は不可能な時間。最後の最後で

・赤い彗星の再来ゾーン
・キャラリーチ(金タイトル)
・ユニコーンフリーズ
・激熱告知
・最終保留 紫(不安要素)
・フル・フロンタルリーチ(チャンスアップなし)

 激熱のたたき売りが始まる。どれも見ればわかる熱さで会場も熱狂。その当たりを決めたところでタイムアップとなり、集計の結果、優勝は安土桃さんに決定した。

 余談だが、その後確変に突入し、覚醒HYPERに到達したものの

「人がどれだけ足掻こうと、結末は変わらない」

 再度フル・フロンタルに阻まれて3連にて終了。ユニコーンの覚醒HYPERを堪能できたのは今大会だとエアル王子のみとなった。


今大会の総評

 大会として最後に熱い展開が待っているのが奇跡だった。

 最初にも書きましたが、運否天賦が全てのパチンコで大会を開き、決勝戦がきっちり熱いだなんて言うのはそれだけでも奇跡に等しいんです。

 しかし今大会はそれを当たり前のように超えていった。ユニコーンの王子、全てが強い安土桃さん、海の成瀬鳴さん、豪運の椎名唯華さん、源さん超爆連のプティさん、ダンバインのアルスさん、乙女では叶さん。見所ありすぎて次回開催が待たれる。

 運否天賦が全てのため、練習期間などの時間が必要なく、個人技なので責任感も殆どないなど、にじさんじが行う大会の中でも屈指のゆるさ。それ故に誰でも参戦しやすい。

 視聴者目線でも、通常時などはラジオ感覚で聴いていれば問題ないので拘束もない。なんやかんやで今回は音源などに配慮した結果、本戦アーカイブは丸々残った。再生回数は約150万回と注目度も抜群だ。これは開催期間をもう1日増やしたりしてもバチが当たらないのでは?

 大会を開催するにあたって尽力された全ての方に感謝します!

 次回はどんな台が出るか楽しみにしながら待ちます!


余談

 客将の上乗恋さんが後日、見どころランキングを配信しています。振り返り、後夜祭感覚でどうぞ。


サポート1人を1億回繰り返せば音霧カナタは仕事を辞めて日本温泉巡りの旅に行こうかなとか考えてるそうです。そういう奴なので1億人に到達するまではサポート1人増える度に死に物狂いで頑張ります。