悪役令嬢レベル99~私は裏ボスですが魔王ではありません~ 第2話感想

ユミエラ様はこの国の火薬庫です

前回のあらすじ

「よくある剣と魔法のファンタジー世界」を舞台にした学園乙女ゲーをやり込んだゲーマー女性がトラックにひかれて当然のごとく異世界転生した。

 転生先はその乙女ゲーの中で裏ボスを張る黒髪美少女のユミエラ・ドルクネス。討伐されないよう目立たずに生きようと誓うが、それはそれとしてレベルアップは楽しいので幼い頃から魔物退治をやり続けた結果レベル99になってしまう。そして入学時に行われる潜在レベルを測る水晶に映し出された数字は当然、99だった。

1話は見なくても大丈夫?

 このアニメ見るつもりなかって人は2話からでも十分楽しめます。1話の半分くらいは乙女ゲーの主人公たちが繰り広げる入学式前夜のお話と、ユミエラ様の転生から入学するまでの経緯説明なので。余裕があれば1話を見返しても良いと思います。今期は見るアニメ多いから……

レベル99の強さとは?

 作中における入学時、レベル10で周囲から羨望の眼差しを向けられ、将来は安泰というくらい秀でた一握りの天才。レベル99はそもそも人の身で到達出来るかすら不明で仮に存在した場合は王国の宮廷魔法使いが束になっても勝てないし「あんた一人で魔王を倒せるし魔王にもなれる」ほど。つまり、常軌を逸したチートじみた強さ。幼少期から魔物退治に明け暮れて10年くらい経過したら99になったというユミエラ様だけど、もしかしたら転生特典がレベルアップ緩和とかそういう経験値ブースト機能なのかもしれない。

ハメフラの対義語?

 乙女ゲーの悪役令嬢に転生した作品は、「乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…」が有名。あちらはそもそもRPG要素のないアドベンチャー作品らしく、主人公は「追放されても自給自足できる農家として生き残れるように土いじりに精を出す」斜め上の対策をとった結果、健やかかつ大らかな心で周囲の好感度をマックスまで上げて破滅フラグを回避したという物語。

 こちらはというとまるで別物。レベル99なんて恐怖と畏怖の対象でしかない上に、実力を示すまでは大嘘つき呼ばわりで、元のゲーム攻略キャラの男たちからは敵意の眼差しを向けられる有様。2話(今回)で如何なく実力を見せつけたため、今後はドラゴンすら跨いで通るくらいの存在として扱われること請け合いだ。

この作品には以下の要素あり

異世界転生:ただし明確な転生特典はなし。前世の記憶がある程度。
追放もの:今回もしかしたらこれをされるかもしれなかったが未遂に終わる。
わからせ:突っかかってくる男3人や先生に理解(わからせ)する。
ジト目黒髪基本無表情美少女:可愛い。

※ここから先は2話の感想になります。ネタバレありますのでご注意ください


嘘つき扱い

 レベルの見える水晶に細工をしたに違いないと決めつける先生方。信じたくはないだろうねそりゃあ……入学前からカンストしているなんて宮廷魔法使いはおろか伝説の英雄でもあり得ない異常事態だから、「そうか君はレベル99か!」と手放しで信じたら流石にアホである。それよりもレベル表示がしたからぬるっと出てくるの『テテーン』みたいな効果音ありそうで草。
では事実を話したらどうだろう?「幼い頃から魔物を狩りまくっていました」いやいやいや……デュラハンすら易々と倒せるなんて子供の嘘と思うっしょ絶対。

「最悪国外に逃げよう」

 もしもそういう事態になったら、遠方に住んでいるかもしれないカタリナ嬢を訪ねて土いじりと人たらしのイロハを教わるといいよ。

カッコいいOP

 映像を見る限り、本来の主人公組とは敵対関係になるようだ。そっちが強大なデーモン1匹を総力戦で倒しているとき、ユミエラ様はドラゴンクエスト列伝ロトの紋章でしか見た事ないくらいの魔物の軍勢に囲まれた四面楚歌を、汗一つ流さず周囲を更地にしていた。力の差がありすぎてどうにもならん! もはや勝てない!!

3人の顔がいい酷い奴ら

 赤髪の逞しい少年は怒っていた。皆がレベル1の中で俺だけレベルアップな件により鼻高々で「俺のレベルは……10だ」とドヤ顔で回りから羨望の眼差しを向けられたかったのに、レベル99と誇ることもなくしれっと言ってのける女がいる。プライドが傷ついた。

 金髪殿下は「ドルクネス」の名を聞いて小声で「中央もどき」と蔑称を吐いて捨てる育ちの悪さと傲慢さを見せつけた。赤髪の努力を知っているから苛立っているのだろうが、ユミエラ様だって頑張ったことを一切想像しないのは色々と浅はかだ。

 青髪のクールメガネは添え物だった。

 どちらにせよ、乙女ゲーでは攻略対象だった3人が自分に敵意を向けてくるわけだけど、性格が悪すぎて草も生えない。多分学園生活で多少は丸くなっていくのだろうなと期待したいが、どう矯正した物か……。

メイドのリタさん

 いろいろ事情を知ってそうなメイドさん。可愛いけど若干そっけないし間が抜けているうっかりさんで好印象。中央もどきについても説明してくれたが、やはり差別的な用語だったことが判明。だからと言ってユミエラ様が何かアクションを起こすわけではない。ユミエラ様は静かに暮らしたい。

「置物として3年間過ごすのも悪くない」

 ぼっちなのにロック(置物石)、つまり、ぼっち・ざ・ろっく! しかし本当にレベル99なら触れ得ざる者確定で殺生石みたいなものに変化しそう。「自分の事をレベル99と思っている」「頭お花畑で草」みたいな噂話も当然聞こえる。

 そんなに、ユミエラ様の力が、見たいのか? マジでレベル99だった時に報復されるかもしれないリスクを一切考えないのかな? ユミエラ様ほどの慈悲深さ(無関心)がなければ多分死ぞ。

剣術

 赤髪で逞しい男の誇りは、入学前から鍛えに鍛えた剣術の冴えとレベル10、いうなれば努力の証だ。レベル10で華々しいデビューをしたかったのに出来なかった鬱憤は、剣術で晴らすより他ない。
「イカサマ女! 剣で戦ったことは!?」この時ユミエラ様、剣術の授業をする前まで土産屋の木刀に憧れる程度のありさまであり、剣技など一切知らない。ド素人以前の状態だったという。しかしだ、レベル99ともなれば全体的にステータスがケタ違い。

 特に名前はないけど強そうな構え方でリラックスするユミエラ様に怒り心頭で向かってくる赤髪さん。しかし、遅い。周囲の人間から見れば速くても、ユミエラ様から見ればスローモーション。如実に表れるステータスの違い。その圧倒的格差。

 そして難しい事に、手加減しないとミンチより酷い事になるため大振りは以ての外だ。流石に学生諸君にそんなグロテスクな場面を見せるのは酷なので、ちょっとズッコケさせるにとどめたユミエラ様の慈悲が良い。でもその優しさが赤髪をキレさせた。「出てこなければやられずに済んだのに」と私が思った時、赤髪は吹っ飛ばされていた。剣と剣の衝突による衝撃波で数十メートル吹っ飛んで気絶。「なんかあったら教師の監督責任を追及す所存」かつ、気絶した赤髪の胸ぐらを軽々つかみ上げる膂力を持ったユミエラ様、これぞ悪役令嬢だ!(錯乱)私の胸ぐらも掴んで!

 なお、そのあとはひたすら素振りをすることになるのだが、ただの素振りで暴旋風を巻き起こすオモシレー女状態なユミエラ様が素敵だ。

今のはメラゾーマではない

 次の授業は魔法。特殊加工された甲冑に魔法を当てるだけでオッケーの簡単なもので、皆各々の得意な属性魔法を撃っていく。青髪眼鏡君は火水土風魔法の4属性全部をわざわざ使って有能アピールをした。でも光魔法は使えないのである。

「アレ壊しても大丈夫ですか?」に対して
先生「宮廷魔導士でも壊すのに苦労する」
青髪「僕ですら壊せないんだぞ?」(自信過剰すぎるだろ……)

 自称、筋肉と闇に才能を極振りした女。今頃シャンフロの鳥頭さんや筋肉で魔法使いをぶっ飛ばす男辺りが大きく頷いて拍手してそうな極端すぎるステ振り。ゲーマーあるあるだ。そんなユミエラ様が出した魔法が『ダークフレイム』(闇の炎に抱かれて消えよ!)
 撃った瞬間に魔法の先生は、ユミエラ様が闇属性であることと、その魔力の高さを看破した。レベル99であることが嘘ではないと信じる方向に針が進んだ。

 んでこのダークフレイムがえぐすぎて息をのんでしまう。実際魔物に試したことあるらしいが、「中々エグイ」らしい。防護魔法をかけた鎧すら跡形もなく溶け落ちるほどだからなあ……。骨が見えるとかありそうで絶対怖い。しかもこれ闇魔法の中でもあんまり強くない部類かもしれないのが更に怖い。

 その場にいた全員が吞まれそうになったが、唯一先生は即座に「闇魔法自体は恐ろしくない」ことを力説して偏見の目を逸らそうとしてくれる。この優しさで魔法の先生は信じられると思った。

「ありえないこんなの……僕は魔法天才なんだ……!」と発狂して青眼鏡君退場。そらまああれだけいきり散らかして惨敗は惨めすぎて、羞恥心があったら塞ぎこんでしまうよな。分かるよ。だから今後は言葉を慎むようにして真の強者を目指すのじゃ。

追放系もプラス?

 授業にも出ずに何か書類を作っていた殿下曰く「君は退学だ」。良かったな、幼馴染と眼鏡君の醜態を見ずに済んで。
学園長「自分のレベルを偽る者はこの学園から出ていけ」いやいや、入学式で実力は授業で分かるとか言ってたのあんたやん??? 根回し殿下に忖度したんか??? 取り敢えず王国追放されたら別の国に行かなきゃだよね。

 ほんの少し実力を見せるだけで大地が震え、宮廷魔導士を遥かに凌駕する魔力を持つ闇魔法使いを放逐する。

 先ほど嫌と言うほどその実力を目の当たりにした魔法の先生は大慌てで引き留める。先生としての立場から生徒を庇うのもあるだろうけど、それ以前にこんな天才どころか厄災の塊を国外追放などしたら報復で国が滅びかねない。

学園長「宮廷魔導士でも壊せるならレベル99の証明にはならない」
 最低でも宮廷魔導士レベルの実力を持つ希少な闇魔法使いと分かっても一顧だにしない爺様はもう駄目だ、こんな国はいずれ滅びてしまうだろう……。

「今のが全力ではないのでしょう、やってみてちょうだい」とお願いする魔法の先生のアンコールにお応えするユミエラ様は金輪際現れそうにないアイドルの才能が有ります。

圧倒する力

 さて皆様方。『空に魔法を放つ』と聞いて何の魔法を思いつきましたか? 私は魔法少女まどか☆マギカの大弓です。シンキングタイムは1秒、ハイ終わり! 正解は

ユミエラ様「ブラックホール」

範囲:徐々に拡大していずれ王国全域
効果:真空の大穴が全てを飲み込み消滅させる
使用条件:魔王または裏ボスであること

 この世の終わりかな? 今回は手加減したから窓ガラスが割れる程度で済んだけど、そのまま撃ったら国が亡びることは明白だ。乙女ゲーではこの魔法を使ってもここまでの被害はなかったのかもしれないが、裏ボスがレベルカンストしたため威力が桁外れ。現代で言うなら核とかそういう広域の戦略兵器扱い。

ユミエラ「どうでしょうか殿下。私がレベル99だと、納得していただけましたでしょうか?」 可愛いユミエラ様の可愛い笑顔を見て殿下は恋ではなく、恥も外聞もない特大の悲鳴を上げて恐怖に落ちたのだった。

 こんな化け物じみた魔法、膨大な魔力と精度が要求されるに決まっている。にも拘わらず汗一つ流さず、何事もなかったかのように振舞うのだ。それを放逐しようとしていたこと、報復された場合この国はおしまいであること。そしてさらに恐ろしいのは、こんな存在と3年間学園生活を穏便に送らねば破滅するという持続的恐怖が待っている事。殿下のSAN値は風前の灯火だ! ドキドキスクールライフの始まりだぞ☆

実質まなロラで大歓喜

 まだ本編に登場していない金髪お嬢様。声優は私も大好き日高里菜さんだ! ……待てよ、確かユミエラ様の声優はファイルーズあいさんだ。つまり、つまりぃ!

 トロぴかっってきたあああああああああ!!!!! VIVA悪役令嬢!!!!

 まさかこんな、こんな形でまなロラを再び目撃する日が来るとは夢にも思っていなかった!!! めくるめく思い出、ああ、まなロラ、ああまなロラ!! 五臓六腑に染みわたるトロプリのえきすぅうう~! 発作的に欲しくなるこの2人の思い出が脳細胞の記憶の引き出しからあふれ出す!

 それはそれとして可愛いな2人とも。やはりこのアニメはユミエラ様と謎の新キャラ目的で見るかーと誓う、音霧カナタなのでした。

 ところでバーンブレイバーン、こっちは可愛い百合EDだぞ。そっちは何であんな濃厚なんだよ(誉めてます)

 この記事が面白いと思ったらいいねをクリックしてくださいませ!

次の話

感想まとめ


サポート1人を1億回繰り返せば音霧カナタは仕事を辞めて日本温泉巡りの旅に行こうかなとか考えてるそうです。そういう奴なので1億人に到達するまではサポート1人増える度に死に物狂いで頑張ります。