家庭内管理職?

 父親が定年を迎え5年経った。私自身も社会人になり10年ほど経つ。10年も経つと今まで先輩が行っていた管理職への報告なども増えてくる。もちろん父親も管理職をしていたと思うのだが、最近母親とのやり取りが会社での管理職と部下のような流れになっている気がする。

 長年管理職をやっていたのだから、その癖がついてしまっているのかもしれない。母親に色々と頼み事をするのだが、中には「自分でやれよ」と思ってしまうこともある。

 家事がほとんどやらないし、お中元やお歳暮など挨拶的もできない。その辺は母親がフォローしているのだから良いのだが親戚の連絡まで指示をして、してないと文句を言っている。これを会社組織で考えてみたら、お中元やお歳暮の依頼や取引先への連絡も会社で良くある指示かもしれない。確かに営業部門がやることはないかもしれない。自分がめんどくさかったり、嫌な仕事を部下に任せる感覚に近いのかもしれない。上司と部下の間でよく見る光景だ。

 会社では管理職の立場からすると当たり前の行為かもしれないが、それを家庭でも同じようなことをやっているのは頂けない。普通の家庭には管理職なんてないはずだ。金銭も発生しないし何か失敗をしたところでその責任を取ることなんでない。百歩譲ってやるべき事リストを作成してくれれば、そんなに文句はない。一番の問題は「知らない」を免罪符にしていることだ。

 よくよく考えてみると、私は祖母ちゃん子で親戚との付き合いとかを間近でみていた。祖母はもともと、どこかの社長の家でお手伝いをしていたらしく一般的な礼儀や付き合い方が今考えても完璧だったと思う。そんな奥さんと結婚した祖父は全てまかせっきりで、職人気質だった祖父でも大丈夫だったのだろう。そんな環境で育ってしまった父親だからそうなるのはしょうがない。

 こんなことを書いているが、そしたら「お前は何かしているのか?」って話になるかもしれない。私自身は、例えば祖母の親戚が墓参りに良く来てくれるみたいなので定期的にお墓を掃除に行ったりと「だらしない家庭」と思われないようにあまり目立たない部分で動いており、大事なところを両親に任せるような事をしている。たぶん両親も気付いてないかもしれないが、これは祖母ちゃん子だったからの動きだと思う。会社でいえば雑用係的な仕事だろう。

 こう考えてみると我が家は結局会社組織みたいな家庭なんだろうと思ってしまう。

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