その日は帰りが遅くなった。帰りの電車でついウトウトしてしまい、降りる駅を乗り過ごしてしまったのだ。 眠い。人間生活って大変だよ、ホント。 春乃舞は、花びらの妖精だ。 七月七日の夜空から落ちてきた流れ星。そこにあった一枚の花びらが人の姿になったのだ。 それからまぁ色々あったのだけれど、人間社会で、大変ながらに楽しく暮らしている。 「とはいえ……ふわぁ~」 普通のご飯じゃ、妖精の力の栄養にはならないのだろうか。今日も一日欠伸がとまらない。最寄駅から、重たい