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アルハンブラ

もう何十年も前の話。
私がまだ関西在住で高校生だった頃、当時通い詰めたコンサートで知り合った、神戸の女子大に通う友人がいました。
その友人と神戸で会って遊んだ時、お土産にと持たせてくれたのが『スイス菓子ハイジ』のアルハンブラというゴージャスな名前の洋菓子です。

田舎者の私にとって、神戸の女子大生という素敵ブランドを纏った彼女は、友人であると同時に憧れ!
そんなおしゃれな彼女が選んでくれたアルハンブラは、ふわふわのスポンジに挟まれた濃厚なチョコレートクリームがたまらなくおいしく、当時味わったことのない高級なお菓子といった印象でした。
なくなっちゃうのが嫌で少しずつドキドキしながら食べたことを覚えています。

社会人になってからは、凄くがんばった時やとてもいいことがあった時に戴く最上級おやつとして君臨。
もちろん大事な場面での手土産にも使わせていただきました。
その後、住まいを関西から関東に移したことで買い求める機会が減り、2001年に娘が生まれた時に内祝いのひとつとしてつかわせていただいたのを最後に暫く遠ざかっていたのですが、ある時ハイジさんが倒産、閉店したとの情報が。
暫く食べていなかったなぁという思いもあって、大変お世話になったお菓子屋さんだったので悔しく、とても残念で、悲しかったです。

そのまま月日は流れて。
つい先日SNSに『ハイジのアルハンブラ買ったよ』というポストを発見!
にわかに信じられませんでした。だってもう無いんでしょうハイジ…って。
そして同時にめっちゃくちゃ嬉しくて、すぐにサイトをチェック!!
あるじゃんハイジ♡ そしてアルハンブラ♪

2007年に閉店されたあと、2009年には場所を移して再興されていたのですね。
何も知らなかったので大変驚きました。
残念ながら関東に店舗はなかったけれど、オンラインサイトで購入することができましたよ。やったー!

久しぶりのアルハンブラは、思い出補正に負けることなく、やっぱりすごくおいしくて。
以前と変わらずとても幸せなお菓子でした。
娘もすっかり気に入って、2人で大事に大事に戴いています。
一番はチョコ、でもモカも捨てがたい…どっちも一番かな♪

神戸の女子大生だった友人には、当時、御影や岡本の洋菓子屋さんやカフェにあちこち連れて行ってもらい、おいしいお菓子をたくさん教えてもらいました。
手土産にいいよと教わったケーニヒスクローネのクローネやアルテナ、ケルペス、アンリシャルパンティエのフィナンシェ、アンテノールのケーキにフロインドリーブのゲベックやシトーレンも、そして大善の焼き穴子も(笑)、当時の私にはとても贅沢なものでしたが、何十年と経ってもいまだ間違いなく手土産の筆頭です。

お互い環境が変わってもう長く連絡も取り合っていないけれど、おいしいお菓子と大善の焼き穴子を食べる時、私は必ず彼女を思い出します。

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