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ふんわりと強く、この先へ(遊佐未森さんのライブへ行った話)

先日、遊佐未森さんの35周年ライブへ行ってきました。

未森さんの作品を聞き始めからもうかなり経つのでそれぞれの曲に思い出があり、過去を思い出したり、懐かしい曲に新しい発見をしたり、MCを聞いて作品の背景を知ったり…。
まるで未森さんや、彼女の曲と共にあった自分の長い時間を俯瞰しながら旅をしているようでした。

そしてなぜかこの日、すごく印象に残ったのが、MCで未森さんが言っていた「うれしい」という言葉。
特に、強調していたわけではなくて、確か「(その時々の)うれしい気持ちを歌にしていけたら…」みたいな、さりげない言葉だったのですが、この日の自分にはなんだか強く響きました。

「うれしい」って、何か具体的な出来事に対しての「良かった」とか、何かに対する「ありがたいな」とも違う、理由がいらない感情のような気がします。

私は基本的に、刺激的だったり尖ってたり、そういう音楽を聞くことが多いですが、未森さんに関してはあまりそういう方向ではなくて、シンプルに「聞いてるとうれしい気持ちになる」という理由で聴いている気がします。自分をフラットに穏やかに整えるための音。
それを改めて感じて、ハッとしたのかもしれません。

35年分、着々と積み上げられた優しさと芯の強さが、暖かくもシャープに心の奥を突いてきて、心が震える夜でした。
深く突き詰めることも、しなやかな変化も、穏やかに続けていくアーティスト。未森さんは、ほんとにずっと憧れの人です。


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