💜設楽先輩2022お誕生日お祝い💜GS4再登場記念🎹ソロ・リサイタル考察🎵

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彼氏のお誕生日に何故創作をするのだろうか。

　設楽先輩お誕生日という最大の記念日に創作をするのは私にとっての一つの愛の表現であります。そして2021年度、設楽先輩を愛する者たちにとってはあまりにも大きすぎる激動の年であったと感じます。

　2021年6月。待ちに待った体育祭イベントが実施されました。私もお弁当を作り全力参加。高校生活の追体験と愛の再確認をすることが出来た夢のような時間でしたね。そしてGS4の発売日が決定。過呼吸になるのではないかというほど大号泣し、放送が終了してもなお微塵もその場から動けなくなるほどでした。(笑)

　そして8月23日のこと。GS4の先行PVがyoutubeにUPされた日のことです。我々は気が付いてしまったのですね…

イベントホールのアイコンに…　

グランドピアノ　

が存在していることに…！！！！！(絶叫)

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■葛藤の日々

　もうその日からは苦悩の日々です。設楽先輩と出会って重ねてきた約10年は並大抵の重さではありません。毎日彼と思い出を重ね、一緒に成長してきました。いまどうしているのかな、家に帰ったら笑いかけてくれるかな。そんな幸せの10年が公式の明言で崩れ去る可能性に息が出来ないほど頭を悩ませたのです。会いたい、だけど会いたくない…。アイコンがあるってことはデートスポットだよね…。KCH交響楽団みたいなことだよね…。デートの感想あるし、なんなら演奏シーンあるよね…。GS2の立て看板的登場で良かったのに。GS3のライブハウスレックロ的ポスターで良かったのに。この事実から目を背けたくて逃避し続けておりました。本当にあの時は苦しかったね…。
　発売日直前の色々も多大なストレスと共に襲い掛かってきたわけですが、速報プレイレポが各ゲーム誌ネット記事に上がった日なんかにゃ同じ痛みを分かつ設楽夫人仲間とどう心を保てばいいか長時間話し合い、事前に様々なパターンを検討し対応を相談したりもしたものです。

　GS4で設楽先輩に会うという事。色々な懸念点はありました。例えば先輩△設楽先輩敗北ルートを意味する「凱旋公演」の文言があったならば私は二度と立ち直ることは出来ないでしょう。もちろんそれ以外にも、自身の過ごした10年間との矛盾の発生には戦々恐々としておりました。しかし、何よりも許せないと思ったのが「GS3音源の再利用」でした。

　わたしは設楽先輩のピアノが大好きです。そして、彼がピアノにかけてきた人生とその思いがどれだけ大きく深く重要なものであったか、一番近くで見てきたのです。初めて会った日の今にも崩壊しそうな音色、4年のブランクの後辛酸を舐めながらそれでも不屈の精神で戻ってくることが出来た日のあの負けを認めた演奏。それをそのまま「28歳設楽聖司の演奏」として提示されたとしたら、それはピアニスト(魂を音楽へ捧げるもの)への冒涜ではないのかと。それだけは絶対に許せるものではない…と、身を切るような思いの中、GS4が発売となったのでした。

　とはいえGSシリーズ大好きマンですから、盛大にゲーム11個予約してワクワクも止まらないですし、早く新しい男の子たちと青春を重ねていきたいわけです。(笑)

1週目は設楽先輩へのこの重すぎる感情を消化しようと心に誓い、発売当日0時、プレイ開始したのでありました…。

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■運命の瞬間

　月が替わるたびに恐怖しながらホームページを開く。今月じゃない…今月…じゃない。来たる1月、次回予告。

【次回予告】至高のピアノ・リサイタル公演

　あああ…来てしまった…身動きが取れない。呆然としながらデートの約束を取り付ける。大好きな彼に会うのか？何が起こるのか？恐怖が勝り感情は止まったまま。ただただ胸が苦しく息の仕方も分からない。

2月。イベントホールに足を運ぶ前に、今回の公演の情報を読もう…。

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　比喩でもなんでもなく、ダムが決壊したかのように、堰を切って涙が溢れて止まらなくなったのです。嗚咽も無く、ただひたすらに涙が止まらなかった。それはここまで長い時間辛く苦しかった時間を救い上げてくれるようなものだった。恐怖の糸が突然切れて、わんわん泣いた。

　ピアニストとして、成功をおさめた大好きな彼。あの頃よりもっともっと大きくなって、人生を謳歌している美しい彼。一緒に過ごしたあの放課後の音楽室への慈しみを感じられる優しい文章。

気高く凛としたピアニストの誇りを、そこに見たのです。

　大きな不安要素だった「凱旋公演」の文言は無い。むしろEDを確定させる要素は何もない。あの思い出の時間を大切にしてくれている優しさだけがそこにある。この文章があれば、あとは大丈夫。何が起こったって私は彼を愛し続けていられる！

　そう思えたから、近年のテーマの内容とあの短すぎる演奏シーンだったから、絶対許せないって息巻いてた音源も納得させられたんですね。

「この数秒はあの日々を思い出して同じ演奏に聞こえたかもしれない…けど！他のとこはめちゃくちゃ成長してて深みのある演奏をしているよ…！！」

って素直に思えた。むしろあの我々が出会って恋した設楽先輩本人の演奏だって間違いなく言えるから良かったとさえ思えた。GS4男の子たちの感想も総じて優しくて褒めてくれて嬉しかった。いっぱいいっぱい、嬉しかった。(この1週目で全員分全選択肢を聞きました)特に一紀くん、ありがとうね。「繊細で迫力のある演奏」って、私が10年恋し続けた音そのものだもん。今この時を生きる彼に、会ったんだ…。そう思えて、私は前を向くことが出来たのでした。彼を愛する気持ちは本物だ！これからもずっと大好きだ！GS4全力で楽しむぞ！オーーー！！！！☺

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　…そんなこんなで今年は気合の入れようが尋常ではないわけです。（毎年では…？）ま、10年目ですしね。
苦しみからの解放のキーとなったのはやはり「【世界ツアー後の単独公演】近年テーマにしている「過去」「現在」「未来」を軸にプログラムを構成し、様々な楽曲を演奏するリサイタル・シリーズ」の文言です。

・・・彼と彼のピアノを愛する者がここ深めないでどーーーーーするよ！！！？！？！？！？！？

　彼がなぜこの概念的すぎるテーマを選択し、自身のプログラム構成の要素としたのか。帰郷した公演で何を思い演奏に向かったのか。はたしてその「様々な楽曲」とは何なのか！？

　これを自分なりに考えて、彼からの愛を隅から隅まで受け止めて、高めていきたい。また形に残すことで彼への愛情表現・お祝いとしたい。そう考えたのが今回の創作に至った理由です。

音楽と一緒に選曲理由も楽しんでいただけますと幸いです！！設楽先輩大好きおめでとうございます💜

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こういった経緯で製作されたのがこのnoteと一緒にUPしたフライヤーです。

これね（きゃ～～～💜カッコイイ～～～😭😭😭💜💜💜💜） 

次のセクションからはこの楽曲を選択した理由とそれぞれの楽曲考察を進めてまいりたいと思います🎵

■この楽曲を選択した理由と経緯

　まず、今回の考察を行うにあたって私の質問攻めに快く応じてくださったピアニストのいー先輩。心より感謝申し上げます。一緒に設楽先輩の音楽の事を考えていただきました。ありがとうございました…！

さっそく本題！
曲目を考えるにあたって、まずは全体の構成を考えねばならないだろう。
全体の構成は、演奏会の目的や規模・時間、ターゲット層によって大きく変わる。まずはそこを考えねばなるまい。
情報をまとめておこう。

はばたきウォッチャーWeb1月掲載「至高のピアノ・リサイタル公演」

2月掲載「【世界ツアー後の単独公演】はばたき市出身のピアニスト設楽聖司さんが、近年テーマにしている「過去」「現在」「未来」を軸にプログラムを構成し、様々な楽曲を演奏するリサイタル・シリーズです。」

開催は2月。演奏会のシーンは各々の網膜に焼き付いていると思うのでこれを参照いただきたい。
また男子とのデート会話から多くの情報も確認できる。適宜挙げます。
（で、まあこの情報しかないんですけど…）ここからこの演奏会はどういった目的で行われたものか考えてみます。

■演奏会の目的。設楽聖司の思い。

　【世界ツアー後の単独公演】と銘打って行われたこのコンサート。「はばたき市出身のピアニスト」と地元出身であることを大きく見出しにした告知がなされていることから、地元への特別な思いを込めたコンサートではないかと考えました。そのためターゲット層は地元の人々と仮定しましょう。

　世界ツアー後ですから、久々の日本での公演ということで日本全国の「設楽さんのファンの人」(by行くん××選択肢)は待ちわびていたはずなんですよね。実際に聴きに来ていることが同選択肢から分かるのでもちろん駆け付けた人は多いと思われます。しかし、そういったファンが付いているにもかかわらず、首都東京ではなくこの人口50万人のベッドタウンはばたき市を選んだというのはやはりこのコンサートでのターゲット層は「コアな設楽さんファンの人」や「耳の肥えたクラシックオタク」ではなく「はばたき一般市民」なのではないかと考えられるわけです。

事実、高校生であるマリィと男の子(いうなれば颯砂くんや七ツ森くんといったクラシック音楽に明るくない男の子)も来場するような、一般はばたき市民向けのコンサートなのですね。

　では、地元公演というものは一般的にどういう意味合いがあるのでしょうか？いー先輩に聞きました。

地元公演ですと、自分を小さいころから知っている人も聴きに来ます。小さいころから習っていたピアノの先生、音大付属～高校、音大含めた多くの恩師の方、家族、そして、大事な人……たち。(紺野先輩答辞みたいに言うな)　こういった知り合いに聴かせるピアノというのは、完成された自分しか知らない聴衆に聴かせるのとはわけが違うと。

演奏家、特に器楽奏者は、ミステリアスで隙を魅せない美学を持ってステージに立たれている。それが全く通用しないステージ。全てを知っている人の前で挑む姿勢、それは自分のすべてをさらけ出すつもりで演奏に挑んだのではないか。…とのこと。

なるほどと。自分自身をありのまま表現するステージになるのかと。そして、教わってきた恩師や関係者に感謝を示し自身の成長を見せ伝える場でもあると。そう感じました。

また、「すべてをさらけ出すつもり」というワードには非常に痺れました。ADV「聖なる」でも見られるように、彼の若い頃は非常にプライドが高く、「決心」スチルで「弾かなければ負けたことにはならないって思った」と言ったとおり「神童・設楽聖司」の醜い敗北の姿は絶対に受け入れられなかったのです。高校生の頃も、ナイトパレードときめき会話で「あの頃の俺には会わせたくない」と言うあたり、その高潔さ気高さは依然として持ち続けており、不格好な自分を見せることへの抵抗感は強くあるように感じます。それでも親友モードやPVPで見せてくれた変化や成長は10年の時を超え、ありのままの自分をさらけ出す覚悟を持ちこのステージに立つに至るほどの精神的飛躍に繋がったのだと感じざるを得ません。

もちろんその気高さと隙を見せない美学を根底に保ったまま、です。

　そうなると、近年テーマにしている「過去」「現在」「未来」を軸にプログラムを構成し～の最もよく分からないぼんやりすぎるテーマの中身も見えてくるでしょうか？そもそもピアニストの掲げる「テーマ」とは何なのでしょうか。

■ピアニストの掲げる「テーマ」とは。

　テーマとは＝これを演奏で表したい、何のためにピアノを弾くのか、といった目指す場所だそうです。

一般的には、「モーツァルトに情熱を注ぐ」とか「ロシアのピアニズムを研究する」とか「ショパンを後進に伝える」とか、それくらい具体的に明示されるイメージが強いので、やはりこのテーマは広すぎかつぼやけすぎている気もします。

しかし、彼のピアニスト人生、復帰後10年という節目も既に過ぎた今＜まさに近年＞だからこそ、集大成的なテーマにしたとも想像ができます。実際大きなアルバムを出されたピアニストさんが、節目に集大成となるテーマで…と様々な作曲家の楽曲を加えていたことがありました。

そこで出てくるこのテーマ。「過去」「現在」「未来」は全てを包括するようなワードですよね。

時間軸をどこまで広げるか、ですが…初めは様々な時代の作曲者に視点を広げた…とかも考えたのです。けれど、前述した「復帰後10年という節目も既に過ぎた近年の集大成的なテーマ」と捉えるのであればやはり一人の人間の人生と考えて良さそう。そして、これをテーマとするだけの何か、実生活で大きな転機があったのではないか、と考えたのですね。

例えば留学先で世話になったパトロンとの、例えば年老いた使用人や知り合いとの、永遠の別れ。例えば愛する人と誓い合った幸せ。例えば…。そもそも10周年記念本に「10年後は結婚くらいしてるんじゃないか」ってコメント残すような人ですよ！

彼にとって、人生というものを考えるにふさわしいだけの、こういった転機があったとしてもおかしくないと考えました。

　世界ツアーでは、このテーマに則った「人生」や「生と死」を表現するような構成にしていたのではないかと思います。しかし、今回は地元公演です。それは「ありのままの自分」を見せるということ。

　それは、神童と呼ばれ世界を敵に回しても自分はピアノが弾けると誇ったあの日々も、中2の秋から大学1年の秋にコンクールに復帰するまでの5年という歳月の葛藤や苦しみも、留学を決めてパリで学び得た経験も、これから自分が演奏家としてどうあるべきか今目指している目標も、全てをさらけ出すという事、なのです。

それならここで語るはやはり「設楽聖司の人生」で異論はないでしょう！次に行きます。

■具体的規模を考える

　演奏会のターゲット層は「はばたき一般市民」。目的は「教わってきた恩師や関係者に感謝を示し自身の成長を見せ伝えること」。その手法がテーマに則り「設楽聖司の人生」を演奏で表現する事。では規模・時間について考えます。

　まず、今回の会場ははばたき市民ホール。臨海地区、我々が涙を流したコンクールのあのホールです。

しかし、設楽先輩コンクールスチルと今回の演奏会会場、見比べてみていただきたいのですが、規模感が全然違うように感じませんでしょうか。

コンクールスチルでは、ピアノの向こう側にも客席が見えますよね。加えて国際ピアノコンクールをここで行うほどの規模です。国内を見ても指折りの大きなホールであることが推察されます。ここで風真くん〇選択肢会話を聞いてみると

「ヨーロッパでも知られたピアニストだよな。はば学のOBでもなきゃ、こんな身近なホールでは聴けないな。」

と言っており、今回の演奏会で使用されたホールが非常に身近なものであることが分かります。

そのため、はばたき市民ホールの大ホールを使用して行われたのがあの国際ピアノコンクール。中ホールを使用して行われたのが、今回のピアノ・リサイタルであると考えました。

　そして時間。つい世界的ピアニストのコンサートですから、2-3時間規模を想像してしまいます。こういったコンサートと言えば夜ですし、18時開演で終わったら21時電車間に合うかな…みたいなイメージをしてしまいがちですが、今回は中ホールで行われる、身近な演奏会です。対象は一般はばたき市民。高校生も来る。

ホールの使用枠と来場者のスタミナ、求められている適切な時間を考慮した結果。「休憩含めて90分強」でどうでしょうか！？！？

そしてお昼からの演奏会となると、概ね13時頃からか。中ホールだとすると1時間前ではなく30分前開場くらいが相場か。

というわけで、13:30開場、14:00開演（15:30までの予定）

と決定いたしました！！！

正直お昼開場なことくらい実際にデートで足を運べば分かるんですけどね(笑)(あたりまえ体操)

　わざわざキッチリと枠組みを考えたのももちろん理由があります。基本枠はやはり時間です。やりたい曲が軸にあったとしても、尺の中でどうするかが構成を考えるうえで重要となります。構成は奏者本人が考えるわけですから、実際に楽曲を選択して悩んでいると尺に頭抱える設楽先輩が見えてきて愛おしさが爆発したりもしたのは余談…💜
「尺が足りない…！！休憩5分でいいだろ5分で！！！」

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一旦まとめます。
曲目を考えるにあたって、まずは全体の構成を考えました。
一般はばたき市民を対象にした身近な演奏会。90分の枠で、「ありのままの自分」を演奏で表現し、地元と世話になった人々への感謝を伝える演奏会です。さあ！楽曲考察に参りましょう！！

　ととと、選曲基準に含めたい点がもう一つありました。例えば耳の肥えた聴衆に聴かせるのであればそれだけの難曲や挑戦的なプログラムで楽しませようと考えると思うのです。幼少期から神童と呼ばれ注目を浴びて来た身。自身の技巧と完璧な演奏技術には誇りを持っているはず。玄人を唸らせるような選曲をすると考えます。

しかし今回の聴衆は一般はばたき市民です。「クラシックって俺には評価するの難しいよ！」って△選択肢で話してくれる颯砂くんのようなスポーツマンも聴きに来ます。やはり、広く知られた著名な楽曲、日本人にも耳なじみの良い曲を中心に選択するのではないでしょうか。華やかでアッと驚くような曲はもちろん惹きつける力が強く選曲したい。加えてよく知られた曲を優先的に、そして尺を考慮して選び取る。こういった選考基準で考えました。

■決定稿と構成の理由

13:30開場、14:00開演（15:30までの予定）
第一部　約20分
ショパン
エチュード Op.10-5「黒鍵」　2分
3つのマズルカ（第30-32番）　5分
バラード第1番 Op.23　10分
(休憩10分)

第二部　約25分
シューマン　トロイメライ　3分
ドビュッシー　月の光　5分
ラヴェル　高雅で感傷的なワルツ(抜粋)　12分
シューマン＝リスト　＜献呈＞　4分
(休憩10分)

第三部 約30分
ラフマニノフ　プレリュードOp.3-2「鐘」　5分
ムソルグスキー　組曲『展覧会の絵』（抜粋）　25分

　まず、当然ですがピアノリサイタルで実際に聴けた「バラード1番」は絶対に入りますから、これを軸に考えていくことになります。

　テーマである彼の人生の＜過去＞を象徴していることは、誰が見ても明白でしょう。折角＜過去＞を完璧に表現しうる大曲が軸となるのですから、3部構成にして過去現在未来それぞれの意匠を表現する楽曲を配置したい。

休憩のイメージは間に1回ですが、中規模なコンサートで客層も一般はばたき市民。間延びして飽きさせないよう、3部構成で2回短い休憩を入れるのもアリだという結論に。

　次に、キャスで以前紹介したことがあるのですが、「決心」スチルで演奏したのは「バラード1番」ではなく「展覧会の絵」である可能性が存在しています。

↓参考地獄キャス。地声注意。※5分半頃から始まります。1時間半喋る。
https://twitcasting.tv/tokimekikokko/movie/638966476

　詳しく話すとこれだけでキャスよろしく1時間半喋り倒してしまうので割愛しますが、この曲は亡くなった友人へ向けた哀悼の曲です。死後の世界から過ごした日々を眺め、最後の扉まで歩みを進めていくようなイメージ。

これをあの「決心」スチルで演奏したと考えてみてください。「俺にはやっぱりピアノしかない。もう逃げるのはやめだ。覚悟を決めたってことだよ。」これは彼のピアノ人生を「一度崩壊させてゼロから始める」ということを意味していると考えています。

ですから、ここで演奏された「展覧会の絵」は、過去との決別を意味する曲。まさに設楽先輩が過去の自分へ贈る鎮魂歌であると考えられるのです。そして最後の扉＜ロシアの大門＞にたどり着いた先は新たな未来が始まります。門は開かれるとか明るい未来とかそういうイメージをわき起こしてくれます。曲そのものもそうですが、祝福されているような光輝くイメージを彷彿とさせます。死後の世界と捉えても、ここは天国で最後の楽園で、その逆の始まりでもあるわけです。

この解釈はやっぱり入れたい。彼が自分自身の人生を語るうえで、何か大きな転換期となった今、未来を表現するならば。先輩の未来が明るいものであると予感させるこのメロディーは、彼の人生を応援したいと改めて思わせてくれる素晴らしいものになっています。あの日、あの夕焼けの音楽室で、一生忘れないと誓い合ったこの曲は入れてくれるのでは…ていうか入れて欲し～～！！じゃあこれを＜未来＞の軸にしよう！

さあそうなると「現在」はどうしよう？
　地元公演の意義は「教わってきた恩師や関係者に感謝を示し自身の成長を見せ伝える」ことと前述しました。とすれば、ここに彼が今現在学びを深め注目している事、つまり「狭義のテーマ」を入れるべきではないでしょうか？
であれば、高校卒業以降、彼が何を学んできたのか考える必要があります。唯一のヒントとなるのはED後の「パリへ留学」という進路。バラード1番でピアニストとしての活動を再開し、受賞した彼が留学先にパリを選択したのはショパンを深く学ぶためであると考えるのは自然です。実際に、ショパンはフランスとポーランドのハーフなのでパリやワルシャワに留学し学びを深める音楽家が多いそう。とすれば、オールショパンでリサイタルを組むことも十分あり得ると考えました。

しかし、彼はいつだって挑戦的で進み続ける人だと思っています。
初めて会った音楽室であのバラード1番のあの冒頭のフレーズを弾いていたのは苦しみを解放できず同じ小節を何度も何度も繰り返していたからだと考えています。苦しみ葛藤しているときはその場から動けなくなる (大学生と高校生ADVでも足踏みをしてしまう彼の特性が分かります)。けれど、いざ進み始めればその視点は大きく変化していく人ではないかと思うのですね。

大きな壁となったショパンを学ぶためにパリに飛んだ、その先そんな彼はどうするか。特筆したいのは卒業後7月にメールが来る「シャンパーニュ地方の音楽祭」の話です。ここで彼はパリの街中で開かれる音楽祭に魅了されています。クラシック音楽だけでなく様々な音楽が一堂に会するこのお祭りを全身で楽しんでいるのですね。もとより彼は自らライブハウスに誘ってくれるほどクラシック音楽一辺倒というわけでもない、受け口の広い人だと感じています。10年経っています。彼がパリの都で見た景色と歓び、音楽に対する様々な刺激を受け、パリの作曲者に傾倒していくことを想像してみたのですね。

　そこで候補として挙がってきたのがラヴェル。生粋のパリっ子で繊細で神経質、完璧主義者な作曲家です。パリの美しさ、甘美で愛に満ちた情景を、計算されつくされた音楽技法を用いて表現し続けた人であります。さらに、展覧会の絵をオーケストラに編曲して一躍有名にしたのもラヴェル。全体の流れとしても統制が取れています。

そんな小賢しいことを抜きにしても、＜現在＞で見せるのが完璧主義者で崇高なピアニズムを掲げ愛を語る設楽聖司なの最高なので、ラヴェル中心に置きたい気持ちになってしまいました。もうそうしよう。ね。

　繊細で神経質で、完璧主義者。そんなラヴェルやショパン、シューマンは、設楽先輩とよく似てるなあと思うのです。
シューマンやリストはドイツになるのですが、ドイツはピアノの王道です。ヨーロッパに飛び、音楽を学ぶのであれば、当然のようにドイツ音楽の重要性を強く感じることも想像できます。

ラヴェルを中心に組みながら、パリで学び感じ取ったこと、広がった音楽観を伝え、ドイツ音楽の重要性を学び安定感のある音楽そして世界的ピアニスト設楽聖司へと成長したことを魅せる。そんな、10年で学んできたことと我々への愛が詰まっている＜現在＞にするのではないかと。そう考えました。

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　さあさあそうなるとかなり手広い曲目になってしまうんですね！！！！！！(笑)さすがにやり過ぎな気がします。普通のピアニストにはこんな構成出来ないぞ！

しかし、そもそものテーマが大風呂敷をひろげすぎているんですよ…ですから、これくらい手広くてもテーマとしては納得か。

そしてなにより、世界ツアーをこなしきった28歳の彼ならやってのけるだろうと信じて。。楽曲考察に移ります！！！！！

■楽曲考察　～第一部＜過去＞～

　バラード1番を中心とした楽曲構成とするのであれば、第一部はオールショパンで考えるのが無難でしょう。彼が乗り越えてきた大きな壁をここに配置する意味合いもしっかり保持しています。

ショパンで聴衆受けしやすいものを一つずつピックアップしていきます。まず挙がったのは「華麗なる大円舞曲」。もう言わなくても分かると思うんですけどイメージしてみてください…華麗なる大円舞曲で華麗に出てくる設楽聖司を………！漆黒の燕尾を翻し鍵盤の前に腰を据えます。呼吸を整え、静けさに包まれたホールが瞬く間に舞踏会の世界へ…輝きを放つのです…！！！彼は鮮やかな人間だから！！！！絶対にこれが良い！！！！！！

他にも「繊細かつ迫力のある演奏。」との一紀くんの発言からスケルツォ１，２番をイメージ。いやあまりにもカッコイイ………！！！！！！！こんなんお客さんというか大切な人枠で招待されている我々が失神してしまいます。

が、バラードは大曲なので華麗なる大円舞曲やスケルツォのような大曲が続くと味が濃すぎるのですね。胃もたれしちゃってお客さんが疲れてしまいます。まだまだ序盤なのです。

ここで出てくるのが、七ツ森くん△評価の「エレガントマスター」です。これは、いったいどういう意味合いの言葉なのか解釈が難しくはあるのですが、△評価での発言であること、七ツ森くんの好きな音楽は電子音の派手で分かりやすいゴチャッとした（それこそ濃い味の）ものだと思われるので、「エレガントマスター」とは落ち着いたウルトラシックな印象を包含していると考えます。こう言われるに値する軽やかで落ち着いたクラシカルなもの、そして耳なじみのいい小品曲をチョイスすべきと考え、プレリュードやワルツ、エチュード辺りから選曲することとしました。長い曲はバラード1番ひとつにして、短いのをいくつか入れる構成にしよう。

🎵黒鍵のエチュード
　黒鍵のエチュードは、1833年に出版された『12の練習曲 作品10』の第５曲目。この曲が黒鍵のエチュードと呼ばれるのは三連音符を連ねた音形を主体とするこの高音がすべて黒鍵だけから成っているから。
この曲は冒頭から「f」で、「Vivace」と速いテンポで始まる。また「Brillante(輝かしく)」の指示が楽譜にあり、華々しく煌びやかな楽曲である。
　設楽先輩のソロリサイタルが、華々しく華麗に始まる願望はやはり捨てきれず。実際に夜ノ介くん◎〇評価でも「最高の演奏。自分たちの先輩と思うと誇らしい。」と言ってくれます。観客全員をアッと言わせるような物であると舞台での演出を生業とする人にも言われるような圧倒的な華々しさによる掴みだったと思うのです。
　そこで選択したのがこの黒鍵のエチュード。「輝かしく」の指示が彷彿とさせるのはやはり設楽先輩の枕投げ必殺技「アレグロ・コン・ブリオ」でしょうか。allegro con brio（伊） アレグロ・コン・ブリオ。[輝きをもって速く、陽気に速く]と訳される指示記号です。アレグロ・コン・ブリオの考察も以前したことがあるのですが、煌びやかで繊細かつ迫力のある演奏そのものであったり、彼がピアノ人生を輝かしく歩んできたその足取りであったり、高校生活での何気ない喜びであったり、ベートーヴェンのような自ら道を切り開き続ける独自性であったり、そういうものをあの必殺技からは感じられるわけです。（※アレグロ・コン・ブリオはベートーヴェン独自の指示記号）「過去」を語らう冒頭に、また彼自身の人生を表現する演奏会の冒頭に、圧倒的な煌びやかさを携えて華麗に登場する設楽聖司！！そんなイメージで選曲となりました。

🎵3つのマズルカ（30番31番32番）
　マズルカとは、ショパンの祖国ポーランドの一地方に伝わる国民的舞曲をもとにした曲であり、祖国への思いを託したともいわれている。民族舞踊独特のアクセントを備え、生涯をかけて作曲されたショパンにとって重要な意味を持つ作品である。
　今回演奏する3つのマズルカは、1841～42年に作曲、1842年出版された。同じ頃、ショパンの恋人であった文学作家のサンドは自身の小説の中で、ショパンが作曲する様子を「創造への心残りに絶望し、部屋に閉じこもり1小節を100回も繰り返した。」と描写している。革新的芸術家同士が相対することで生み出される苦悩と活力を持つ楽曲となっている。
　マズルカはショパンの祖国の民族舞踊の曲。昔から親しんだ曲であり、フランスでの亡命生活で故郷を思い出しながら作った曲たちです。ショパンのポーランドへの故郷愛がマズルカだから、この「故郷への思いを込めたコンサート」に選ぶのにもピッタリだと感じたのが一つ。また、ショパンの楽曲の中でも民族舞踏独特のアクセントがあり非常に難しいマズルカ。如何に演奏するかがショパンを極めるピアニストの大きな課題でもあるそう。ピアニストは死ぬまで変化と成長を続けるとも言われます。特に設楽先輩はそういった困難課題こそ好んで挑戦していくような人だと思っているので、マズルカを極めたいと挑む姿勢は28歳の今こそ見たい姿であるわけです。そのマズルカの中でもこの曲を選んだのは、前述したショパンの作曲の様子がこの＜過去＞のセクションにぴったりだなと感じたから、ですね。高校時代の設楽先輩を思い出させます。

🎵バラード1番
　バラードとは、何かを物語る曲を意味しており、ショパンはこれらの筋をいずれも同郷の詩人ミツキエヴィッツの詩によったと言われている。どれも3拍子系統を用いて叙述風の筆法を取っていますが、決して描写曲ではなく詩を読んで受け取った印象をここに自由な形で吐露したものでしょう。1835年に完成された第1番は、若い王子の悲劇の一生を扱った詩の内容を反映して極めてドラマティックな様相をとっており、淡々と物語るように始まって次第に波乱に富んだ物語と発展していきます。
　言わずもがな設楽先輩と出会った大切な曲。実際に４の演奏会で弾いていたので割愛。あの頃よりもっともっとドラマチックで優しく煌びやかな演奏になっているんだろうなって思います💜世界一好きです

(休憩10分)

■楽曲考察　～第二部＜現在＞～

　ラヴェルを中心にパリの情景を描く。10年で学んできたこととお世話になった人たちへの愛が詰まっている＜現在＞を考えます。

ラヴェルと言えば「亡き王女のためのパヴァーヌ」や「水の戯れ」が有名どころかと思います。ラヴェル自身の初期の作品ではありますが、まさに印象派と呼ばれる時代の代表作ですね。その名の通り情景の美しさやそこから受ける感情をそのまま音にしたような音楽です。私は「亡き王女のためのパヴァーヌ」が好きなのと、宮廷の舞踏会を思わせて一部からの流れが自然かな、ということで採用を考えていました。しかし、この曲はイタリアとの国境の古城でいにしえの王女が踊るイメージなのですね。ちょーーーっと今回のパリの情景を表現するには違うか…？と思い…。逆に「水の戯れ」はパリの公園の噴水の水なので良いかな！？とも思ったわけですが、もっと我々への愛も欲しくないですか…？？(笑)

　そこで案として挙がったのが「高雅で感傷的なワルツ」です。えっ、何それ入れたい。。ちょっと長い曲だけど抜粋で良いから入れたい。。だってもうタイトルが設楽先輩じゃん。。。。。。高雅で感傷的な人、でしょう…？？(考察とは？)

高雅で感傷的なワルツ、シューベルトの作品を元にしていてフランスみが非常に強い。その上、のちに花言葉をテーマにしたバレエとして管弦楽曲として完成されたという経緯があります。それぞれの幕で贈られる花、最後の幕で赤い薔薇を贈って「私が愛しているのは貴方だけ」と告げてハッピーエンド乙女チックフィナーレ。

いや・・・・・・！！ねえ・・・・・・！！？？（同意を求める眼差し）

　そういうわけで(？)この曲を軸に他の楽曲(短めの曲をいくつか)を選考していくことになりました。思ったより甘々になりそうで不味いぞ？

　ラヴェルを置く、パリを表現する、となるとやはり対抗馬(？)にドビュッシーが挙がると思います。美しく甘美。ベルガマスク組曲とか是非採用したいところですが、さすがにロマンチックになり過ぎか？しかし第3曲の「月の光」の美しさたるや…。設楽先輩も好きな曲だと思います。好きな音楽聞いたときに「組曲」ってハッキリ明言していますし、キャラソン組曲ですし。しかしかなり印象派なので、すこしテーマとブレるか…？

　ここで悩み過ぎたので、一旦パリから離れてリストのことを考えました。
設楽先輩はテクニックの鬼だと思っています。通常告白で「どんなに技術を磨いても～」と言うところから演奏技術に自信と誇りがある人であるなとは感じていたのですが、そう思う原因に幼少期の環境があると聞きました。

天才扱いされるピアノストはどれだけ感情表現や解釈が素晴らしかろうがすべてテクニック在りきなのです。特に幼少期であればそれだけ「指が速く動いて凄いね」が最低条件。小中学生で評価されているという点だけでテクニックは絶対だと考えていいワケです。「神童」と呼ばれているならテクニック。加えてブランクを越えた後、テクニック落ちたうえで国際ピアノコンクールであれだけの演奏をするというのはやはりそれだけの技術力があったという事。

リストと言えば超絶技巧を魅せるエチュード。幼少期注目されたとき弾いていたに違いない。曲としても有名なものが多く華やかで技巧的で観客を惹き付ける魅力を持つ。ここにリストを持ってくるのもアリだなと。

そういった経緯でリストの曲を検討する中で、＜献呈＞がアリなのではと挙がってきました。20代ラストを飾るに相応しいチョイスではないか、と。

　献呈はもともと歌曲として作曲されました。設楽先輩自身様々な音楽を好む人だとは思っていますが、カラオケの反応と言い自分が表現するものはクラシック一本だと自負しているように感じます。「ピアノ曲が好き」だとハッキリ言っておりますし、そんな彼がソロリサイタルで歌曲を選ぶかと考えると、やはり以前の設楽先輩であれば選ばないのではないでしょうか。色々な経験をして、元歌曲を弾くように変化した。

これはピアノだけじゃない自分、リストを弾いていた幼少期(特に人気の高かった超絶技巧中心に活躍していたころの作品)からの脱却、成長を魅せるという意味でもぴったりなのでは！？と考えられはしないでしょうか。

（リスト自身も、後期は「愛の夢」などの作品を作り、超絶技巧からの脱却を狙っていたそう。）

　そういうわけで＜献呈＞を入れることとなったのですが、実はこの曲リスト編曲シューマン作曲なのですね。さっきもシューマンは設楽先輩に似ていると話しましたし、シューマンの曲を入れるとより統一感のあるプログラムになるのではないか。ではトロイメライを入れるのはどうか？と。

トロイメライを入れるのなら、やはりドビュッシーを1曲入れ、優しくロマンチックな二部でまとめると綺麗。このようにして第二部が嘘みたいなロマンチック甘々プログラムになってしまったのでした。

🎵トロイメライ
　シューマン(1810-1856)は、短い曲を連作的にいくつかまとめたピアノ組曲の名作を残している。「トロイメライ」は彼が28歳頃に作曲した組曲「子供の情景」の第7番目の曲である。組曲の13曲には、1曲ずつ子供の無邪気な生活を表した表題が付けられており、シューマン自身が語ったように「親が昔を思い出して、成長した子供に与えた」アルバムである。なかでもヘ長調、4/4拍子、甘く夢見るような旋律の「トロイメライ」は非常に有名。
　調べると思った以上に28歳の設楽先輩が今現在の自分自身を表現するのに演奏するにふさわしいのでは…？と思いました。シューマンが感じた昔を思い出す気持ちももちろん、「親が成長した子供に与えた」が良いなと思いますね…。何度も繰り返しますが、この第2部はお世話になった人へ成長を見てもらうことが目的です。ですから、そういった方々にも喜んでいただけるプログラムを組むはずなんです。そして当然、先輩のお義母さん(設楽先輩の婚約者である我々はそう呼ぶべき！)も来ているという事なのですよ！！（ていうか招待席なのでワンチャン我々の隣の可能性があると設楽夫人会のお仲間が仰っておられて震えました。それ、ある…。）お義母さんだけでなく、幼少習った先生も同じように感じられるかもしれません。

幼い頃の楽しかったこと、沢山の思い出、そこから続く今現在の28歳の彼から贈られる感謝。それをゆっくりと語り始めます。まるで夢を見るように。

🎵月の光
　ドビュッシー(1862-1918)によるピアノのための「ベルガマスク組曲」の第3曲。静かな夕べに蒼白く降り注ぐ月の光が繊細なタッチで表現されており、その細やかな雰囲気によって広く愛好されている。
　トロイメライに続きこちらも非常に有名な楽曲。詩人のポールヴェルレーヌが悲しみを隠す幸福を綴った誌からタイトルが付けられています。感じるのはフランス革命前後のパリの情景、仮面舞踏会で不安定な立場を隠して愛を歌う、そんなイメージでしょうか。ドビュッシーも恋人にこの曲を元にした詩を捧げており、我々への愛のメッセージと捉えても差し支えないわけです。(そうなんか)
　さてさてここで面白いなと思うのは、月の光ってまさに印象派！って感じの情緒的で幻想的で美しい音楽ですよね。しかし、当のドビュッシーは自身の音楽を印象派と呼ばれることを嫌っていたそうなのですね。設楽先輩美術館デート「印象派展」での会話です。「印象派と言えば音楽もですよね♪」と言うと「無理に音楽に繋げなくていい」って△評価出されます。もちろんこれは高校3年生の彼だからこそではあるのですが、無知・知ったかぶりでそれっぽいことを語るのを嫌がるところがあると思っていて。印象主義ではなく象徴主義云々思っていたとすれば…。偏屈だったとされるドビュッシーと似ているところもあるなぁと感じました。(笑)

🎵高雅で感傷的なワルツ(抜粋)
　ラヴェルによって1912年作曲された。シューベルトの「高雅なワルツ集」「感傷的なワルツ集」に着想を得た作品。後にバレエ曲「アデライード、または花言葉」として管弦楽化、台本も書いている。
　「アデライード、または花言葉」は、７つのワルツとエピローグからなる。それぞれの幕で水仙、キンポウゲ、ひまわりなどが登場し、花言葉にまつわるエピソードが展開される。最期は赤い薔薇を贈り愛を伝えてハッピーエンド。ラヴェルのロマンチストな一面がうかがえるバレエ作品となっている。
　このように、ロマンチックで乙女チックで最高の我々への愛のメッセージなんですけど、特筆したいのは彼の生活が幼少から花に囲まれていたことにある部分ですね。誕生日前下校会話や好きな女の子のタイプ会話で分かる花が身近にある生活。植物園デートでのファッション評価「花を合わせてきたか」含め会話全般、花と花を慈しむ心への美しさを常に語ってくれている人です。これは、お義母さんのフラワーコーディネートの腕前を思うと、お義母さんも凄く嬉しいのではないかなと思いました。そして、彼自身が28歳になった今でも素直な気持ちで花の美しさを奏でてくれたら嬉しいなあと思ったのでした。
（余談）この曲にまつわる逸話を調べるとパリで同時期に活躍した作曲者たちの決して平和とは言い難い大爆笑エピソード満載だったので調べてみるのをおススメします！！(笑)

🎵＜献呈＞
シューマン作曲、リスト編曲。ドイツの作曲家シューマンが1840年に作曲した歌曲『ミルテの花』、その第1曲目が＜献呈＞である。
『ミルテの花』はシューマンが花嫁となるクララに捧げた愛の歌曲集。音楽の創造に日々苦悩していたシューマンが、結婚により人生最大の幸福を手にし溢れかえるほどの歓びを表現したのがこの歌曲集である。そんな歌曲を、ライプツィヒの新居に遊びに来ていたリストが気に入りピアノ独奏曲に編曲したのが今回演奏する曲である。
正直＜献呈＞どうでしょうか？て話が挙がった瞬間にいやプロポーズじゃん！？！？！？！？！？っと絶叫してしまったほどにはとんでもない曲なのです。ここまででも十分お分かりいただけるかと思うんですが、何よりも元々の歌曲の歌詞が凄い。

『お前は俺の魂、心、喜び、苦しみ。お前は俺の世界、その中で俺は生きている。お前の瞳は俺を浄化する。俺の素敵なエンジェル、俺以上の俺！』

って甘ったるすぎて森林公園秋会話で甘くないココアを飲みに誘ってくれる設楽先輩は耐えられるのか！？！？！？！心配なレベルなんですが、でもあの、彼ってすっごくロマンチックな人じゃないですか…クリスマススチルとか参照…(照れ…///)なので、まぁ、ありかなぁ、なんて…()

　愛だの恋だのは歌曲には多いわけです。「同じ音楽でも、歌は愛や恋を表現することがほとんど。歌をやる人は性格もオープンな人が多い。対してピアノ曲は音としての美しさを追求したものが多く、表現にもよるがピアノ曲を崇高なものとして捉えるピアニストが多い。」と聞きました。30を目前にして、成長した彼が元歌曲をやる意味ですよ。もとより彼はピアノ曲が好きと実際に言ってもいますし、邪道とまでは言いませんが積極的に好んで元歌曲の曲はやらなかったのではないか。さらには歌曲はより一層愛や恋をオープンに語る性格、そして積極的に経験していくことがその深みを増す糧となるのです。ADV「高校生と大学生」で恋をするとまだ怒りの感情を出してしまうもどかしい幼い彼が、我々と過ごす経験の中(それは様々なライフイベントを含むかもしれない)で遂げた成長でいま改めてこの楽曲を演奏するに足る…。さらには、ショパンの「春」ト短調も元々歌曲なのですが、先輩△春森林公園で春と言えばの回答にこれを挙げ「月並みだ」と高校時代は話していました。その月並みを意味を持って表現することができるようになった成長も考えられる。
これぞ第2部＜現在＞の締めとして相応しいと考えました。

(休憩10分)

■楽曲考察　～第三部＜未来＞～

　ここに関しては前述した通り「展覧会の絵」を軸に構成していきます。ただ、この曲をフルで演奏しようとするとそれこそ時間も内容もあまりにもボリューミーになってしまうので、抜粋と言う形をとります。
元々はこの曲1本で考えていたのですが、抜粋にする関係や1部2部とのバランスを考慮しもう1曲欲しい。そこで、ラフマニノフ「鐘」を入れてはどうかと提案がありました。私はもうこれを聞いた瞬間GS4のモチーフである教会の鐘もイメージできる、メタ的ではあるがGS4という作品で出会える設楽先輩が演奏する曲としてあまりにもふさわしいと感じてしまったのですね…。
「展覧会の絵」はロシアの風土を色濃くする作品です。その前奏曲として、同じロシアの代表的な作曲家であるラフマニノフの幻想曲を合わせることで、ロシアの静かで広大な大地に吹く風、そして鳴り響く鐘を感じさせるはじまりの音色になるのではないかと考えました。

🎵前奏曲 嬰ハ短調「鐘」（幻想的小品集 作品3 第2曲）
　ラフマニノフによって1892年作曲されたピアノ独奏曲。モスクワ音楽院を卒業後、幻想的小品集作品3を発表した。第2曲の〈前奏曲：鐘〉は、ショパンの《幻想即興曲》（嬰ハ短調）を思わせる低音、憂いに満ちた鐘のモチーフが印象的な作品。
　花の都パリからロシア革命真っただ中の混沌の地への流れもスムーズに表現できるのではないでしょうか…？？聴いていただければ納得かと思うのですが、鐘モチーフの音形が本当に重く響く鐘そのもので、これから始まる第3部を合図してくれるよう。さらにこれは＜未来＞を表現する幕です。GS4で卒業式＝未来の始まりに聴くのは鐘なんです。そして語らう未来の事！

🎵組曲「展覧会の絵」(抜粋)
　ムソルグスキー(1839－1881)が、友人であった建築家ヴィクトル・ガルトマンの遺作展に基づいて、ピアノ独奏のために組曲の「展覧会の絵」を作曲したのは、1874年のことであった。この作品は、展覧会で接した作品を素材とした１０曲の小品を、冒頭とそれらの間に置いたいくつかの「プロムナード」によって、統一的に構成した傑作となった。
第4曲『ヴィドロ』
この一節は、単調な旋律を繰り返す場面があるのですが、ショパンのソナタ第2番『葬送行進曲』を彷彿とさせる。彷彿とさせるっていうか左手が同じ音型なんですけど。
ヴィドロの元となったと考えられている絵は、ポーランドを訪れたガルトマンが1860年代に描いたものであるとされている。ポーランド各地は長年にわたって支配されていたロシアからの解放のため民衆運動が行われていた。その民衆が鎮圧される様子が描かれている。
『葬送行進曲』はショパンによるピアノソナタ。1837年に作曲された。失われた祖国ポーランドへの哀悼の意を強力に打ち出したものと考えられている。主部の低音は、葬送の行列が動き出すときに打ち鳴らされる吊鐘つりがねの音を模したものであるとされています。
第8曲『カタコンブ』これもムソルグスキーのガルトマンへの鎮魂歌です。
設楽先輩がショパンにとらわれて何も考えられず生きる屍のようになっていたこの数年を見送っているように見えるんですよね。自分が分からなくなってそれでもピアノを辞められなかった。一時はそんな自分も大嫌いで自暴自棄だった、そんな彼がその過去すら受け入れて前に進むために見送る鐘を鳴らすのです。すごいね。
第10曲『キエフの門』11世紀初のロシア皇帝によって建設された美しい門はロシアの文化・民族の誇りを象徴的に描いた作品。
これが最後のクライマックスで、設楽先輩がロシアの情景を華々しく表現しているんですよね。門の先に続く輝かしい未来。門から始まるのもあの先輩組卒業式スチルを思わせませんか？

これからも続く道をしっかりと描き切ったところでフィナーレです。お疲れ様でした！！！

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■まとめ

GS4設楽先輩のピアノ・リサイタルは、ありのままの自分でこれまでの人生の感謝と愛を伝える楽曲構成であると考えました。実際にこれらのピアノ曲を聴いていただければ、もっと設楽先輩のピアノが好きになるんじゃないかなって思います。

これからもずっと一緒に2人でこの道を歩き続けていきたい。幸せの未来が永遠に続きますように…。そう願いを込めて締めとさせていただきます。

設楽先輩、29歳のお誕生日おめでとうございます！！過去現在未来ずっとずっと貴方のピアノが大好きです！！！！！✨✨✨

～完～

(？？？)「うんうん！物販で買った『天才ピアニスト設楽聖司語録』読むの楽しみ！」