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トキメキ運送



家にこもりモニターを中心にまわる生活のもと

配送員のドアをたたく音をきいて
ドアの外におかれた箱をみて
その箱にさわり

血の通った感覚を覚えた人は多いはずである、あの感覚はなんだろう。

小ロット多頻性、依頼主との力関係、物流コストへの不寛容、、
「安く早く」な要請にくたびれ果てた流通業界に対して、政府は、AIと絡めた交通システムの更新を見据えた「省人化」の方向に舵を切ろうとしている。
「もの運び」の身体性を軽視した時代の果てに、そもそもの身体を消してしまう時代がやってくるのだ。

人類の生活にとって「もの運び」は、とても大切な活動だ。
それは、経済活動や生命維持だけの話ではない、「人間の想像力」の話でもある。

「時間、距離、関係性の隔たりに想いを馳せ、遠くのことを想像する」
過去や未来をかんがえワクワクし、思想の違いを感じおもしろく思うこと。これは、やさしい社会をつくるために超重要なことであると同時に、
人間が人間であるための最後の砦、気持ちの核になるのではないか。

昔から、手紙、贈り物、嫁入り道具、など、大切な荷物は圧倒的な労力をかけて、人間の力で運ばれてきた。
その行為に宿るものあり、だからこそ結ばれる関係があった。その景色を想像するのがすきだ。

トキメキ運送は、古来より「もの運び」が向き合ってきた距離的な「隔たり」を価値として拡張し、それを愛す方法を考え実践するプロジェクトである。機械にはできない、ゆらぎうつろう人間の身体や気持ちを丁寧に扱う、トキメキな運送を発明してゆく。

無駄だけど心踊る、無意味だけどなぜか気になる、人間にしかできない運送を求めて。


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