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【山口陽世】私をモノに例えると、潤滑油のような存在です。しかし、よく燃えます。

 「大学院1年生になったのでもうすぐ就職活動の時期だなぁ。」と思い、とりあえず図書館で「面接のコツ」みたいな本を手に取ってみる。こんな小手先の技術が役に立つのかと半信半疑のまま、でも何か就活対策が進んでいるようで心が落ち着く。
 面接官は就活生の対応力や自己分析の練度を見るために急に突拍子もない質問を投げてくるらしい。それを読んだとき、「あなたをモノに例えると何ですか?」と、それに対するテンプレ回答「私は潤滑油のような存在です!」が真っ先に思い浮かんだ。そして次の瞬間に「潤滑油のような存在」とはどんな存在なんだろうという疑問が浮かぶ。その意味に納得できなければ就活なんか始められないと焦っていたとき、”潤滑油のような存在”が先輩後輩含めた8人とのツーショットが載ったブログをアップしていた。

 現メンバー28人のうち17人が彼女の家に訪れたことがあり、「連れ込み隊」という団体まで作られている。先輩・後輩・同期どれとも態度を変えることなく接しており、本人も「人が好き」「常に誰かと一緒にいたい」と言っている。先輩達と一緒に遊んでいればそこに後輩を連れて行き、先輩と後輩の接点を作ろうとしている。みんなから愛され、常にメンバーから引っ張りだこになっている。先輩からは「娘」「双子」と言われ、後輩とはイチャイチャしすぎている。舞台の千秋楽が終われば共演者全員の似顔絵を描いてプレゼントしたり、ラジオで共演したロッチさんの似顔絵を描いたり、外の共演者とのつながりも深い。他の場面でも「人が好き」だというパーソナリティが人と人を繋げることに役立っている。「のびらじ」ではロッチのコカドさんに「中間管理職」と評されていることもあった。初期の髪型であるサイドテールを「就活生みたい」と言われていたし、グループの人間関係の真ん中にいる彼女こそ「潤滑油」を名乗るのにふさわしい存在だろう。

よかった、「潤滑油のような存在」のモデルケースを見つけることができたから就職活動を自分の中で解禁することができる。自分は彼女のようにはなれないから絶対に面接で「潤滑油のような存在です」なんて言わないようにしよう。



そう決意して今度は「絶対に通るES」みたいな本を開いた瞬間に大事なことを思い出した。
そうだ、その潤滑油はよく燃えるんだった。

お外のラジオやテレビ番組に出るときは告知ブログやメッセージを欠かさず、入念な予習をしてから臨んで共演者を驚かせる。与えられたチャンスはモノにしようと準備を欠かさない。
「ラジオをやりたい」という目標があればメッセージアプリで自分のラジオ番組を制作して練習し、その後ラジオ番組のMCを任される。ライブやイベントがあると必ずブログを更新し、短い動画を編集してまとめたvlogをメッセージアプリで送ってくれる。2分足らずのvlogには10人以上のメンバーが登場することもある。ライブのリハーサルでは開始時間よりも前に来て自主練、休憩時間にも自主練。あまりにも楽しそうに3期生が踊っているものだからスタッフ陣もそれの楽しそうな雰囲気に引き寄せられて見守っている。野外ライブがあるときは二か月前から体力づくりのためにランニングをしており、リハーサル以外においての準備も欠かさない。

後輩の単独ライブがあればそれを楽しそうに見守りながら、心はメラメラと燃えている。慕っていた先輩が卒業することを知ったときは誰よりも泣き、それをバネに強くなると宣言した

しかし、グループ初の選抜体制においては選抜に入ることは叶わなかった。

私は今回選抜には入りませんでした
あの時色んな気持ちがあり全てをさらけ出すことはできないのですがとにかくとても悔しい気持ちがあります
だからこそここで諦めてしまったら本当に終わりのような気がしています
あの時踏ん張れたからと思えるこれからを作っていきたいです
とにかくこの期間もどこかで日向坂46を盛り上げていけるような人でいたいです
私意外と強い人間です
なのでまだ折れきってはないです!
皆さんも自分のペースで新しい日向坂を楽しんでくださると嬉しいです☺️
おひさまの皆さんこれからもよろしくお願いします☀️
山口陽世のひとりごとだに🤫
変化を受け入れるというのは勇気が必要な気がする
でもきっと変化しても楽しいと思うの
変化と言うより進化なのかな
私も止まっていられないなー
止まってる場合じゃないもんね

https://www.hinatazaka46.com/s/official/diary/detail/54830?ima=0000&cd=member

ただ、その陽は落ちることなくメラメラと燃えている。夜になって月が出ても、その月を照らすように燃え続けている。そう遠くないうちに朝が来て世界を照らすんだろう。その潤滑油はよく燃えるのだから。


 ここまで考えてひと段落ついたとき、図書館も閉館の時間になっていた。急いで「絶対に通るES」みたいな本の目次をペラペラとめくってみる。すると最初に「自己分析が大事」という内容が書かれており、「それもそうか」と思いながら大して読みもせずに本棚に返した。

就活めんどくせー

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