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「少し生意気な君と。」

午前6時。
教員という職業に着いている私にとって、
この起床時間は至極当たり前なものだ。

午前7時。
家を出る。
朝ご飯を食べる時間は無いので、コンビニで適当に買って早めに学校に行く。

午前7時半。
学校に着く。
私は市立乃木中学校に勤務している。

午前8時。
少しずつ生徒の姿が見えてくる。
勉強する者、読書をする者、そして、、、

「おはよ、〇〇先生!」
そう、僕に構いに来る者。

〇:お前は毎日構ってもらいに来るなよ。
?:彩って呼んでくださいよ!


〇:1人の生徒を下の名前でなんか呼べないだろ?
彩:(⑉・̆-・̆⑉)ムゥ...
〇:そんな顔しても無駄だ。教室に行きな。
彩:今日はね、〇〇先生に勉強教えて貰いたくて早く来たの!
〇:おお、それは感心。
彩:教えてくれる?
〇:いいよ。
彩:やったー!
〇:じゃあここ座って?
彩:準備室でやろうよ〜!
〇:なんで?
彩:彩、勉強あまり出来ないからちょっと恥ずかしいの。
〇:あぁ、そういう事か。分かった。
彩:じゃあ、行こ?

ギュッ

〇:ちょ、ちょっと、手握らない。
彩:あれ、先生ドキドキしちゃってる?


〇:、、、やっぱり1人で考えな。
彩:あぁ!ごめんなさい!お願いします!
〇:まったく、、、。

ガラガラ

〇:はい、で?教えて欲しいところは?
彩:ないよ。
〇:は?
彩:〇〇先生と2人きりで話したかっただけ。


〇:じゃあ?帰るね?
彩:もし帰ったら昔彩とちゅーした事みんなに言っちゃうもん。
〇:なっ、、、。
彩:いいでしょ?〇〇先生、じゃなくて、〇〇君?
〇:、、、生意気になったな。
彩:えへへ。

そう、僕と彩は年の離れた幼なじみ。
昔は妹みたいだったけど。

彩:ねーえ、〇〇君?
〇:、、、なに?
彩:彩が高校生になったら付き合うって言ってくれたじゃん?
〇:そんなこと言った覚えは、、、
彩:(⸝⸝ o̴̶̷᷄ ·̭ o̴̶̷̥᷅ ⸝⸝)
〇:い、言ったけどまさか僕のいる高校に来るとは思わなくて。
彩:彩は〇〇君のことが大好きなの〜!
〇:ちょっと、聞こえるから!静かに!
彩:じゃあ付き合ってよ〜!
〇:生徒と先生の関係だからだめ。
彩:そんなの関係ないよ?
〇:そっちは平気かもだけど、こっちの立場にもなってくれよ。
彩:じゃあ、、、次のテストで100点とったら!
〇:彩なら頑張ればとれそうだからやだ。
彩:なっ、なら、、、。
〇:はい、この話はおしまい。先生授業だから。
彩:あっちょっと!ちゅーしたこと言っちゃうぞ〜!
〇:お好きにどうぞ。
彩:むぅ〜!

𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄
キーンコーンカーンコーン

〇:おはよう〜。
?:先生!


〇:ん?菅原か。何?
咲:彩ちゃんとちゅーしたって本当ですか?
〇:あいつ、、、。
彩:ふんっ!


〇:小川の嘘だよ。笑
咲:そうなの?彩ちゃん。
彩:違うもん!
〇:小川?
咲:彩ちゃん?
彩:違うもん!〇〇君は彩のこと好きなんだもん!
〇:彩、、、
咲:彩ちゃん、、、
彩:〇〇君なんかもう知らない!
咲:彩ちゃん!
〇:小川!

、、、
、、、
、、、

咲:先生。
〇:ん?
咲:行ってあげてください。
〇:え、、、
生:そうですよ!
生:彩ちゃんの気持ちに答えてあげて下さい!
生:彩ちゃんが可哀想ですよ!
〇:分かった、、、。
〇:皆、自習してて貰えるかな?
全:は〜い!
咲:先生。
〇:ん?
咲:男でしょ?
〇:え、、、
咲:ちゃんと答えてあげてください。


〇:わかった。

𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄
彩:なんで、、、彩だけなの?
彩:彩は〇〇が好きなだけなのに。
彩:どうしよう、、、。

ガチャ

〇:小川、、、。
彩:〇〇君。


〇:準備室かと思ったら違って学校中探し回っちゃった。
彩:こういう時は大体屋上でしょ。
〇:そういうもんなのか?
彩:、、、
〇:小川。
彩:、、、
〇:はぁ、、、彩。
彩:、、、何。
〇:彩の気持ち、聞かせてくれる?
彩:え、、、
〇:受け止めなきゃ。
彩:分かった。

タッタッタッ

〇:ちょっと、彩!どこに行くの!
彩:〇〇君の事が〜!大好きだ〜!


〇:彩、、、。
彩:これが私の気持ち。
〇:彩、、、泣いてるよ。
彩:嘘っ!ほんとだ。成長した所見せなきゃなのに。
〇:彩。
彩:な、何?
〇:僕と彩は6歳も離れてる。
彩:関係ないもん。
〇:生徒と先生だ。
彩:関係ないもん。
〇:お互いの両親も、僕達を知ってる。
彩:関係ないもん!
〇:それでも、いいの?
彩:えっ?
〇:それでも、彩は僕がいいの?
彩:彩は〇〇君がいい!
〇:分かった。おいで?
彩:、、、

ギュッ

〇:直ぐには恋人にはなれないかもだけど。
彩:彩も頑張るもん。
〇:他の学校に行っちゃうかも。
彩:そしたら彩が転校するもん。
〇:それは辞めてくれ笑
彩:〇〇君。
〇:ん?
彩:返事聞かせて。
〇:いいよ。
彩:、、、
〇:、、、
彩:返事は?
〇:だから、、、いいよ。
彩:ほんとに!
〇:うん。
彩:やったぁっ!!!

咲:彩〜!!!
彩:さっちゃん〜!!
咲:おめでとう!


彩:ありがとう!
〇:おい、菅原。
咲:はい?
〇:自習は?
咲:シ、シテマシタヨ。
〇:嘘、だな?
咲:、、、はい。
〇:じゃあ放課後居残りで勉強。
咲:うぐっ、、、。
彩:ずるいずるい!さっちゃんと2人なんてずるい!


〇:小川も勉強するか?
彩:小川じゃやだ!彩って呼んで!
〇:、、、彩も勉強するか?
彩:する!
咲:名前呼びいいなぁ。
〇:お前もか。笑
彩:さっちゃんはだめ!彩だけの特権!
〇:そんなことばかり言ってるとさっきの取り消すぞ?
彩:それだけはだめっ!
〇:じゃあ、教室戻ろうか。
彩:うん。

咲:ちょっと待って!


〇:ん?
咲:もう少し2人でお話してから戻ってきなよ。
彩:さっちゃん、、、。
咲:〇〇先生もかっこいいところあるじゃん!
〇:菅原、、、。
咲:お幸せに!じゃあねっ!

、、、
、、、
、、、

彩:〇〇君。
〇:ん?
彩:もう1回、ギュッてして?
〇:え〜。
彩:お願い!


〇:しょうがないな。

ギュッ

〇:こんなとこ見られたら、先生失格だ。
彩:そうなっても彩が守るもん!
〇:、、、頼んだ。笑
彩:〇〇君!

彩:だいだいだーいすきっ!!!

fin.

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