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クリームシチューの思い出

書けそうで書けないでいたこと。


子供の頃の多分、夢。

母親がある日いなくなって、私を含め4人の子供達が残された。
1歳、8歳、10歳、12歳。

長女の私は多分、食事の用意を誰かに任されたのだと思う。

台所でクリームシチューを作っていた。

当時の某食品メーカーのクリームシチューの素は、熱い鍋にそのまま入れるとダマになった。

いくら火を入れても粒が残ってクリーム状には決してならない。
泣きそうになりながら、鍋の中に入れたお玉をグルグルと回していた。

多分、夢なんだろう。
母親はいなくならないでずっと家にいて、私たちを育て上げ、今も存命だ。


リアルな夢。

ホーローの鍋の柄さえ鮮明で、薄暗い食卓の上には粉ミルクの缶が置いてあった。1歳の弟が私の洋服のはじっこをつかんでいる。

途方に暮れながら、クリームシチューをかき回した。

遠い夢の記憶。


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