演奏コースを作ろう![SMM2]
こんにちは、最近マリメ勢がたくさん増えていて活気づいたなぁと思う鴇羽です。
さて、タイトルにもある通り、本日は演奏コースの作り方について詳しく解説します。
……「楽譜読めない!」「音感ない!」といった方でも作れるように解説するつもりですのでご安心を。私も音感はないですし、楽譜を読むのも苦手です。それでも基本的なことさえおさえておけば演奏コースは作れるようになります。
※筆者が音楽知識皆無のため、文章や図は厳密性を欠いている場合があります。
・1 まずは基本を知ろう
この記事を読んでくれている人はある程度マリメについての知識があるとは思いますが、思い切って初歩の初歩から解説します。
①演奏のしくみ
演奏コースを作るにあたって、一番大事なパーツといえば? ……そう、音符ブロックです。
白地に ♪ のマークのついているブロック。つまり音符ブロックを長押しすると肌色(うすだいだい色)のブロックに変化します。このブロックをマリオや敵などが踏むと、それぞれに対応した音色が鳴ります。例えば、クリボーが踏むとピアノが、スーパーキノコが踏むとリード(矩形波)(ファミコンとかゲームボーイっぽい音)が鳴ります。
更に、音符ブロックのある高さに音程が対応しています。一番下から順にド→#ド→レ……といった具合に2オクターブ+2音存在します(図1)
何も書いていないところは半音の部分となります。例えば、ドとレの間は#ド(もしくは♭レ)、ソとラの間は#ソ(♭ラ)です。
※ちなみに、スクロールの向きを縦にした場合は上図がループする感じです。最高音のレの一マス上は#レではなく一番低いドと同じです。
②音色
演奏のしくみがこの駄文でわかりましたかね? 文章だけだと理解できずとも、実際にやってみれば単純明快です。少なくともPC用作曲ソフトをマスターすることの何百倍も簡単だと思います。
さて、演奏のしくみがわかったら次は音色を知りましょう。音域は中々狭いですが、音色は非常に多彩です。私が数えてみた限りは66種類ありました。
以下、全ての音色の対応表(図2)、及びパーカッション類や特殊音声を除いた音色の高低表(図3)、そしてゲーム・シーンスキンによって使用できるかが変わって来る音色の早見表(図4)です。
※音色はこちら側で聴き比べて書いたものなので間違っている可能性があります。
※23/02/12更新 パーツ・音色の検索ツール(.xlsx)を公開しました
23/07/24更新 ごめんなさい! リンク先間違えていました
リンク→https://drive.google.com/file/d/1JLJRQYX0KXm4q9KM1wf46iNcmrPKEFUl/view
……はい。先駆者様の助力を借りてなおこの表全ての製作に4時間くらいかかりました。こうして見てみるとかなり音色が多いですね。
しかし、はだかノコノコなどゲームスキンによっては使えなかったり、雪玉,くさったキノコなど特定のシーンスキンでしか使えないパーツもあるので実際に作る時は66種類よりは少なくなります。……あと、クッパの吐き出した炎なんて演奏コースじゃ使えないです。私自身、気になって調べてみて初めて音色が設定されているのを知りました。
先述の通り、メカクッパ2種については「おそらくシンセサイザーだろう」とまではわかるのですがそれ以上に特定できませんでした。しかし普通のメカクッパとミサイルメカクッパはよく使う(個人の主観です)ので各自で音色を聴いておいてください。
③さっそく作る……前に
ここまで読んでくれた方は、様々な音色を知った今、演奏コースを作りたいうずきが抑えられなくなってるかもしれません。ですが少し待ってください。もう一つだけ重要なことがあります。
それは、パーツ制限です。演奏コースのみならず、ありとあらゆる職人を苦しませ、地獄へと引き込んでいるコイツについて解説させてください。
まず、このゲームはパーツの種類ごとにカテゴリが設定されています。だいたいはゲーム上に表示されているものと同じですが、それより少しだけ複雑です。
大雑把にわけると以下の4種類に大別されます。
地形
エンティティ(敵など)
ボス
その他
となります。これらを更に分けると……(図5)
※数え間違いがある可能性があります。
となります。準エンティティについては今は気にしなくてOK(おまけ項⑥にて説明)。
その他カテゴリを更に分解すると……
地面(上限3765)
クッパ(上限3)
クッパJr.(上限3)
ブンブン(上限5)
太陽(月)(上限1)
クッパ七人衆(7種合わせて上限7)
ツララ(上限300)
中間ポイント(上限1)
矢印マーク(上限100)
レール(上限1496)※
※レールは横3マスレールを使って個数を数えました。
演奏コースにおいて考える必要があるのは主に「エンティティ」「アイテム」「ボス類」「ツララ」ですね。これらの上限を全て足し合わせると1面では理論上は合計518音ならせるということになります。
もちろん、現実的にはスペースの問題があるのでそれよりも更に少なくなりますが、凝った演奏をしない限りは上限を気にすることもありません。
ちなみに、私が作る演奏コースはいつもエンティティ、アイテム類はほぼ上限いっぱいです。
・2 演奏コースを作る下準備
さて、ここまで2000字も書き連ねましたが、ようやく本題です。下準備とはいいますが、実際に制作する場合はこの手順からのスタートとなります。
①演奏したい曲を決めよう
……おそらく、この記事を開いた方のほとんどは既に決めているものだと思います。そういった方は読み飛ばしてしまって構いません。この項の話は生々しいので、夢のない話が嫌な方も読み飛ばしてください。
……さて。演奏コースを作りたい! という方には大別して2通りのパターンがあります。
ひとつは、「純粋に自分の好きな曲をマリメで聴きたい!」という方。
もうひとつは、「足跡とかいいね数を稼ぎたい!」という方。
もうお気づきかと思いますが、この項では後者の方向けの解説をします。
……マリメを遊ぶのも同じ人間です。やはり、足跡やいいねがつきやすい演奏コースを作るにはクオリティの高さよりも曲の知名度が重要です。もちろん、クオリティが高いほどいいね率も高くなってきます。
一昨年ごろの日本では「鬼滅の刃」が流行っていましたね。この時に投稿された「紅蓮華」の演奏コースはかなり伸びていたように思います。クオリティが最低限のものでも1万足跡を越えていたりしました。
このような事例やマリメユーザーの年齢層などを踏まえて、伸びやすい曲をリスト化してみましょう。
その時流行っている曲
有名ゲームの曲(特にスプラ,カービィ,アンテなど)
アニメの主題歌
有名ボカロ曲
有名な東方アレンジ
これ以外にもありますが例を挙げるとキリがないのでここまでにします。個人的には上から順に伸びやすいと思いますが、伸びるかどうかは運と製作者の知名度に左右されるので絶対ではありません。
※有名な東方アレンジ……最終鬼畜妹,ナイトオブナイツ,色は匂へど散りぬるを 等
これらの曲は、少なくとも他の曲よりは知名度が高く伸びやすいです。
②作りたい曲について把握しよう
把握、というのは要は「メロディの情報」を知れるようにしておくことです。才能のある方は耳コピでできるみたいですが、私は苦手なので違う方法を紹介します。
楽譜を入手する
midiファイルを入手する,もしくはmidiの演奏動画を見る
このふたつが主な方法です。midiファイルというのは音声ファイルの形式のことです。DTM……つまりPCやスマホなどで作った音楽の、楽器や音程などの情報も含まれています。これを自前のmidi解析ソフト(私はPCでDominoというソフトを使っています)で見ることによって音色や音程、BPMなどが全てわかるので耳コピを含めた3つの方法の中で最も簡単です。
ですが、有名かつ公開からしばらく経ったゲームミュージック以外はあまりネットにアップされておらず、また最近はmidiを配布している人はかなり減りました。東方の曲なんかはけっこう見つかりますが。
配布していなくとも、それを演奏している動画などはYouTubeにあったりします。たいていの場合はパッと見で音程がわかりづらいですが、まれにDominoなどDTMソフトの画面を直接キャプチャした動画があります。それを見ながらであればmidiを入手できる場合とあまり変わりません。
しかし、そのどちらも見つからない場合があります。そういう時は楽譜を検索してみましょう。楽譜の読み方は長くなるので割愛しますが、ここまで読み進めたあなたであればすぐに理解することでしょう。
……楽譜すら見つからない。そんなときの最終手段が耳コピです。まぁ楽譜を探す段階になると、三つ以上旋律のある曲を完全に楽譜に記したものが見つかることはほとんどないので、凝った演奏コースを作りたい場合には耳コピはほぼ必須です。
肝心のやり方ですが……
①手元にピアノなどの音色を鳴らせるものをおいておく
②音楽をきく(スローでの再生がやりやすいです)
③1音ずつ音色を鳴らしながら音程を確定させていく
というもの。ピアノを習っていたとか、そんな感じの慣れている人からしたら簡単らしいですが、私のような楽器に全く関わりのない人間は1つの音を聞き取るだけで一苦労です。がんばりましょう。
・3 実際に作ってみよう
長かったですね。実際にマリメを起動するまで実に3700文字かかりました。この段階まで書き進めるのに、私は6時間かけました。この時間だけで多少凝った演奏コースを1つくらいは作れてしまいますね。
といっても、ここまでの内容を全て理解し、音程も解析し終えたあなたにとって、このパートはほとんど苦ではないでしょう。やることは単純です。
①BPMにあった演奏方法を決める
②数音ずつ実際に聞いて確認しながら楽器ブロックを置いていく
③ ②を繰り返して完成!
たった三行で終わりましたね。BPMというのはようはテンポです。曲の速さと思っておけばOKです。
①演奏方法を決めよう!
演奏方法は大別して2種類あります。
ひとつは、スクロール演奏。
もうひとつは、ループ演奏。
ここではスクロール演奏について解説します。
スクロール演奏も細かく分けるとかなり種類があります。
基本的には、「地面の上を走る,オートスクロール,ドクロリフトに乗る,レールに乗せた羽根つきブロックに押される」の4種類が使われます。ただ、可能な限り操作不要で演奏されることが望ましいため、エンティティに余裕があれば走り演奏の代わりに「ドッスンにキラー砲台を乗せ、マリオを押してもらう」(図6)方法をとるのがおすすめ。
上記の5種類以外にも非常に多様な方法があります。それらを簡潔にまとめた早見表がこちら。(図7)
※先駆者様の情報を流用している箇所があります
色々書きましたが、「走り演奏」「青ドクロリフト演奏」が手っ取り早くて楽なのでおすすめです。
②楽器ブロックを配置しよう!
音程などについては既に解説した通りなので実例についてはカットします。ここまでのことを全て理解して実行に移していれば配置することそのものは難しくないです。もし手詰まりしてしまったら……他の方の動画なりを見てください。文章と画像だけでは非常に説明しづらいのです。
あ、音色選びで困った時は「4.おまけ」の「④メロディごとの楽器の仕分け」を見てみてくださいね。
……楽器ブロックの置き方は以下の三手順です。
①音程を確認して、「スタート位置の画面左端から数えて27マス目以降に」楽器ブロックを置く
②1つ上のマスに雲ブロックを置く(ツララを使う場合のみ不必要)
③雲ブロックに楽器となるパーツを置く
①は、要は演奏開始位置の段階では楽器ブロックが読み込まれないようにしようね、ということです。
……はい。ブロックを一通り配置しましたね? これから書くことは一度経験していなければ「それ要る?」となるようなことですので、一回作ってみてください。
もちろん、作らずにこのまま読み進めても大丈夫です。
……楽器ブロックを配置していくと、ある問題に直面することがあります。それは、「他のブロックが邪魔で別のブロックがおけない!」という問題。この問題の解決方法はいくつかありますが、その中で一番簡単なものを紹介します。
・楽器ブロックをズラす
――待ってくれ、それじゃあ音も一緒にズレちまうだろ?
ご安心ください。そうならないための方法があります。それは、楽器となるパーツを上にズラすこと。
――どういうこと!?
……走り演奏での方法となりますが、「パーツ同士が重なった場合」、「まず2マス手前にズラせるか確かめる」「ズラせなければ元の位置から3マス手前にズラせるか確かめる」「それでもだめなら元の位置から1マス後ろにズラせるか確かめる」
次に、「2マス手前にズラしたなら、楽器パーツを1マス上におく」「3マス手前にズラしたなら、楽器パーツを2マス上におく」「1マス後ろにズラしたなら、楽器ブロックと楽器パーツの間に地面がくるように半当たり地形を重ねる」
たったこれだけ。もちろん、あくまで走り演奏の場合なので、歩き演奏などでは異なってきます。青ドクロリフトでもこの方法は流用できますが、ズレが少し大きいので3マスもズラすのはおすすめできません。また半当たり地形を使うのは最終手段です。けっこう違和感があるのでメインメロディには使わないこと。
……と、ここまで書きましたが、正直自分でもこれ読んで理解できるか? と思うので、参考となる動画を共有します。
私の作った動画ではありません。……が、わかりやすく理解しやすい内容となっていますのでぜひ。
③あれ? もう完成?
はい。最後でも最初でもいいですが、マリオ自身に「シーン」のオトアソビを付与すれば、あとはここまでの内容で99%完成させられると思います。音楽的なアレコレだとか、小技だとかテクニックだとかいったものはまだ紹介していませんが、よほど演奏コースに傾倒しない限りは不必要だと思います。
必要ないとは思いますが、ID:Q09-CQ7-2RGで投稿している演奏コースは自由にビューアなりで読み取って参考にしちゃってOKです。
ただし、パクって投稿するのはやめてね。
……別アカでも演奏コースを投稿したことがある(3SY-WXC-X5G)のですが、実はそのコースが個人的に一番気に入ってます。よければ聴いてやってください。
あとは装飾をして、何度もテストプレイを重ねて死亡事故が起きないように調整を重ね(特にドクロリフトなどでの演奏ではどこかしらでそういった事故が起きることがほとんどです)ましょう。そしたらもうタイトルと説明文を書いて終わりです。おつかれさまでした!
……え? ツララ演奏がやりたい? それは簡単です。ツララ特有のタイムラグを測定してそのぶんズラすだけでOK。
ね? 簡単でしょう?
・4 おまけ
ここから先はおまけなので無理に見る必要はないです。細かい技術などについてをさらっとメモ程度に書いてあるだけです。
①音域の幅を広げる
高精度で可能……クリボー&ブラパ,くつ&ワンワンの杭
低精度で可能……カロン&ファイアフラワー
マリメでは表しきれない音域を「表現」するテクニック。低い音からブラパ(杭,フラワー)を置いていき、(マリメ基準で)高いレ以上の音を演奏したい場合に上半分にクリボー(くつ,カロン)で設置する。
いずれにせよ不自然さは出てくるので他の音の圧をあげて誤魔化すことが大事。
作例:8NF-39Q-D4G の、バトコ部分を抜けた先でのリフト演奏。ピアノの音を上記の方法で表現し、一番高いレの音をレールなしで出している(ように見せかけている)
②上方向に詰まった時の対処法について
楽器ブロックを同じx座標に置いた場合、楽器パーツの2マス上の部分に楽器ブロックがあると、下側にある楽器パーツが2回跳ねてしまう。例外はトゲゾーメットやカロン甲羅など。
対処法のひとつは「ズラし」だが、もうひとつはレールを使う方法がある。
下側の楽器ブロックをレールに乗せ、右or左向きに。進行方向側を破線にし、その先に受け止めるレールを用意する(他に影響が出なければなくてもOK)。音数が少ないと、これによるズレは目立ってしまうため注意。ただしスクロール方法に何を用いてもズレの大きさは変わらない。
③それっぽい演奏コースの作り方
低音を絶対に入れる(ベース)。パーカッションを余裕があれば鳴らす(しかけ類など)。余裕があれば和音を取り入れる(ズラしがほぼ必須)。ボムへい(オーケストラヒット)をコードの変わり目に置く。というかコードを取り入れる(長音は音数制限にひっかかってすぐ途切れるので印象深い聞き取りやすい音を変わり目におくだけでOK)。オトアソビを使う。コイン取得音を演奏に組み込む。演奏の終わりに10コインの音を鳴らす。ツララで演奏する。音圧をあげる。等々。
④メロディの役割ごとの楽器の仕分け
メインメロディは、クリボー,トゲゾー,カロン,くつクリボー,USAキノコ,ボールフラワー。
副旋律(ベース)は、ブラパ,ガボン,ミサイルメカクッパ,赤ノコノコ,フラワー,スーパーキノコ,1UPキノコ。
コードは、ファイアパックン,ハンマーブロス,カロン,メカクッパ,サンボ,ボムへい。
パーカッションは、POW,Pスイッチ,バネ。
大雑把な区別はこんな感じでやってます。キラキラした曲の時はスーパースターを使ったり、ラスボスっぽい曲はカメックやボールフラワーにマスターソードを使ったりします。かなり多彩な音色がありますが、正直使うのはこの項で挙げたものが9割だと思います。
⑤メカクッパについて
通常メカクッパは主旋律やコードに使う。ミサイルメカクッパはベースに使うとかなりカッコイイが、イヤホンなどしないとはっきりと聞こえないことが多いのが難点。ビームメカクッパは使いどころが少なく、他の音との親和性も低いので非推奨。全体的にシンセ系なので使う場合はゲームミュージックが多い。
⑥準エンティティとは
演奏コースで使う機会はほぼないが知っておくと便利。
(おそらく)一方通行カベのみが属しているカテゴリで、エンティティカテゴリとは異なる上限枠にありながらも、エンティティ上限に影響を及ぼす。
例えば、98体のクリボーと土管に入ったクリボーを設置した状態で一方通行カベを1つだけ置くと、「土管から出てくるクリボーは1体のみ」になり、「クリボーを1体倒す」とまた土管から1体だけ出てくる。
土管以外にもジュゲムの投げるもの、ブロックから出てくるものに影響を及ぼす。最初から設置されている敵やレールに乗ったブロックへは影響なし。
・新たに出現することのできる敵の数は、「100-(設置されているエンティティ+設置されている一方通行カベの数)」となる。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?