システムという仕組みを知る大切さはインポータントだと思います
小学校〜中学校をアメリカで過ごしていたのですが、友達の家に遊びに行くとほとんどの家に地下室がありました。竜巻が毎年発生して警報がなったら地下室に避難するためだと思うんですが、その地下室の使い方がほとんとお父さんたちのDIY作業場となっており、色んな工具が揃っていたのを思い出しました。
アメリカで学生をしているととにかく多かったのはレポート提出とジオラマ制作等のDIY要素の強い課題でした。そしてジオラマ制作等のDIY要素の強い課題にはだいたい同級生たちのお父さんたちの影の助力が働いていたのです。我が家は日本人なのでそんなDIY作業場もなければ助力もありませんでした。
そうやってアメリカの子どもたちはお父さんたちをみて育ってDIY力を鍛えられるのだろうなと思いました。小さい頃はとにかく手先が不器用ですし…私は日本人で日頃から箸を使って食事をしていたせいか、手先だけは誰よりも器用だったので、ギリギリお父さんたちの制作物といい勝負できていたのかも?とは思います。
DIYって一般的に製品化されているものをよく再現したりすることもあるので、モーターの仕組みだったり、ポンプの仕組みだったり、色んな仕組みを目にすることになるし、覚えることになります。
仕組みの大切さ
仕組みというのは私のようなシステム開発者でいえばシステムになります。ものづくり大国ニッポンのはずなのに気がつけば我が国は世界のテックから置いてけぼりを食らっています。なぜなんでしょう?
Google WorkSpaceやMicrosoft Office365とか、一部サイボウズ等を除いてグループウェアと呼ばれるものは海外の製品がほとんどです。これらの製品をただ日本語化しただけではローカライズされたとはいえず、多くの日本人ユーザーたちにとって不評だったりするケースがあります。なぜなんでしょう?
社内でグループウェアのもつ役割や仕組み(システム)を理解していないがために単に日本語に翻訳されていても良い使い方が見いだせないのではないでしょうか?その仕組の根本的理解が低いところから我々日本人の多くはスタートしなければならず、世界よりも後ろからスタートしていて、かなり相手(世界)にアドバンテージを与えてしまっているのではないでしょうか?
日本のシステムの塩漬け問題について
という塩漬け的な考え方があります。大手になればなるほど多いように思います。私はスタートアップの開発者なので、自社のシステムはまだ若く、比較的容易にシステムを改変するなど、手を加えることが可能です。
おかげさまで自社サービスも色んなお客様にご導入いただくこともあり、大手の事業者様との連携のお話やOEM展開のお話などを頂戴したり調整したりすることが増えてまいりました。そして、大手であればあるほど連携元・連携先のシステムは塩漬けだったりします。
日本のTechは有能なフリーランスたちに支えられている
これに尽きると思います。今、塩漬けになっているシステムは、かつての優秀だったフリーランスたちによって構築されているものが多かったりするのだと思いますが、企業側が優秀な人材を囲うことができなかったり、フリーランスからみれば、企業に属するメリットがなかったりするから、構築した技術者は吟遊詩人のようにさまよい続けているのだと思います。なので優秀な技術者は確実に存在しているのです。
また、企業がフリーランスたちからシステムの納品をうけて、ドキュメントを読んでそれらを理解して保守できるレベルの技術者を雇うのは更に昨今では難しいことなのだろうと想像します。
日本の作る力は落ちていない
それなのになぜ我が国のGDPは先進国最下位レベルの成長率なのでしょうか?それは優秀な技術があってもプロダクトが売上げなければカウントされないからで、残念ながら日本にはこれから海外に進出して場を荒らしそうな新しい産業がありません。
また、日本のプロダクトの多くは日本のユニークな商習慣をターゲットにしたものが多すぎて、それも海外進出しにくい原因になっているのではないかと思います。
ローカライズからグローバライズ
スモールスタートする事業はほぼローカライズされています。しかし、グローバライズを意識した設計をしておくことは可能だと思います。そのためにも私たちも日頃から仕組み(システム)を意識して仕事をすることが大切だと思います。実際、働き方改革とか言われていたものはそういうものだったのではないかと私は解釈しています。
そして、昨日、デジタル庁のデータ統合を諦めた的なニュースも拝見しました。そりゃ全国の都道府県の数だけローカライズされたシステムがあって、担当した人・企業によって業務理解度(ビジネスロジック)も違うし、普通にできると思うほうがおかしいと思いましたし、早い段階で諦めたことは今までの日本的ないわゆる圧力的な解決方法に着地しなかったことは大きな前進だと感じました。むしろあのまま進んでいたら我が国がみずほ銀行になるところだったのではないかと…
イーロン・マスク氏のいうように大きな変化というものには期待できないのかもしれませんが、我々が徐々にグローバライズされた思考で仕事をすることが定着したら、その先にあるグローバルなニーズが見えてくるのかもしれません。そういったニーズをみることで日本から新しい産業が生まれるのかもしれません。そう願ってやみません。
ってことー
Freelance Cloud Architect/Consultant @ 時藤屋 https://tokifu.jp/