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63年ぶりに仲間入り

昨年末に63年ぶりに誕生石が追加されたのを知っていますか?

その前に誕生石の由来を少し。
旧約聖書の「出エジプト記」に出てくる祭司長の胸当てにはめこまれた12種類の宝石という説。
紀元前のバビロンに住んでいたカルデア人によって作られた占星術。
月々の石を取り替えて身につけていたという説、などがあります。

この様に由来も様々ですが、誕生石も国によって馴染みのある石や採れる石などで多少違っています。
例えば日本の誕生石はアメリカの誕生石が元となり、サンゴなど日本由来の石も追加されています。

今回63年ぶりに新たに加わった10種類の誕生石は、日本の全国宝石卸商協同組合によって追加された日本の誕生石です。
馴染みの石もあれば、どんな石?というのもあると思います。
それではそれぞれの石を見ていきましょう。

追加誕生石

それぞれ簡単に紹介していきます!

クリソベリル・キャッツアイ(センターストーン)

[クリソベリル・キャッツアイ]
ギリシャ語でゴールドという意味のChrysosが名前の由来。
内部に細い針状の内包物(インクルージョン)が隙間なく並んだ場合に
シャトヤンシーという猫目が現れます。
ハニーカラーにシャープなシャトヤンシーのストーンが最上級品とされています。
新たに追加された6月のアレキサンドライトも同じクリソベリル族の変種です。


[ブラッドストーン]
カルセドニー族の変種。
深いグリーンに赤い斑点模様が入っている石。
その名の通り赤い斑点が血のように見えることが由来です。


アイオライト(裸石)

[アイオライト]
ギリシャ語でスミレ色を意味するIosが名前の由来。
青いスミレ色がサファイアと似ているので「ウォーターサファイア」という別名もあります。
見る方向によって肉眼でもわかる多色性が特徴です。
その昔、バイキングが航海する際に羅針盤代わりとして使われていたと言われています。


モルガナイト/ピンクベリル

[モルガナイト]
ベリル族の変種。
もともとはピンクベリルと呼ばれていましたが、アメリカのモルガン財閥の創始者、そして宝石コレクターであったJ.P.モルガン氏に敬意を表して、ティファニーの有名な宝石学者クンツ博士によって命名されました。
淡いピンクが桜を連想させる、と言うことで今回4月の誕生石に仲間入りしました。


アレキサンドライト(センターストーン)

[アレキサンドライト]
新たに2月に追加されたクリソベリル・キャッツアイと同じクリソベリル族の変種。
1830年にウラル山脈で発見された石です。
この石の有名な特徴がカラーチェンジ。
自然光下では緑色系、白熱光下では赤色系に色が変わります。
ロシア帝国に献上された時が皇太子アレクサンドル2世の誕生日だったのでアレキサンドライトと名付けた、と言う説もあります。


国立科学博物館宝石展より

[スフェーン]
チタンを含んでいるので別名チタナイト。
ダイヤモンドは光を当てると無色の石がキラキラと虹色に光ります。
テレビや写真などで見たことがあるのではないでしょうか?
このような効果をファイアと呼びます。
このスフェーンはとても珍しい石で、ダイヤモンド 以上に強いファイアが出ます。


クンツァイト(中心左)

[クンツァイト]
スポジューメンの変種。
1879年にアメリカで発見され、1902年に4月のモルガナイトでも名前が出てきたクンツ博士によって鑑別されました。
そして後に彼に因んでクンツァイトと名づけられました。


タンザナイト(センターストーン)

[タンザナイト]
ゾイサイト族の変種。
名前からもわかるように、1967年タンザニアで発見されました。
正しい宝石名は「ブルー・ゾイサイト」なのですが、「タンザナイト」と言う名前でアメリカのティファニーがプロモートし、その名で世界的に有名になりました。
現在ではタンザナイトという名前で業者間でも取引しています。
紫青色が一般的ですが、緑青色のグリーン・ゾイサイトも1990年に発見されました。
まれにキャッツアイも見られます。


国立科学博物館宝石展より

[ジルコン]
ジルコンは44億年前に形成された最古の鉱物と言われています。
特性はダイヤモンドの特性にとても似ているので、無色のジルコンは人造石のキュービックジルコニアが誕生するまで長い間ダイヤモンドの代用品とされていました。
ジルコンは無色透明だけでなく、イエロー、グリーン、レッド、ブルーなどの色もあり、コレクターの間ではとても人気の高い石です。


新たに追加となった誕生石はいかがだったでしょうか?
聞いたことのある石、聞いたことのない石、また、自分の生まれた月が追加されていない!という方もいらっしゃったと思います。
自分の誕生石を身につけると気分も上がり石に守られている気持ちになりますが、あなたにとって大切な人の誕生石を身につけるのもとても素敵なことです。
色々なカラーストーンから力をもらい、日常を少し豊かにしてみてはいかがでしょうか。



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