実家がなくなった話。


終わりの始まりの、はじめの話。


自分の身の回りのことも、そろそろ、ぼちぼち、片付けなくてはならない。終活と言う文字が気になるお年頃の自覚はあった。
けれど、自分のことより、さらに気がかりが実家のことだ。
孤独死のニュースが流れると、ひとごとではない。
独特な距離の父と私であってもだ。

私と、実家にひとり暮らす父とはかれこれ25年ほどの国交断絶状態。
通信手段は4つ年上の兄を経由するか、気まぐれに父が寄越すハガキ程度。
直接言葉を交わしたのは、さて、10年ほど前の、親類の結婚式だったか。
それも「元気にしてるの?」「はい」以上、終了。

そんな距離感のオヤコであるが、一応もろもろを想定して覚悟はしていた。
が、いきなりのチチの死。
そして怒涛の家仕舞い。
親の死は二度目でも、その後の展開は初めての訳で、そりゃもうアタフタ。

そんなとき、私が頼りにしたのは、やっぱりネット。
検索窓にひたすら文字を打ち込んだ。
「実家 片付け 売る」とか
「実家 不動産 税金」とか
「ゴミ どうする 実家」とか

打ち込んだワードに、沢山の記事が答えてくれた。
遠く離れた実家の片付けに苦労した奥様の話やら、
遠く離れた実家のお父様の死と片付けを一人で泣きながら果たした話とか、
とにかく「遠く 離れて 愛する」が枕詞の、沢山の記事。

おかげでいくつか心強い情報も得られた。
いや、こんな時、頼りたいのは「私もよ!」的な、
誰しもが苦労して、乗り越えて、ゴール出来た、それだ。

そんな風にネットやら、リアル対人やら、
とにかくやる気をかき集めてやっと終えることのできた
実家終いの、なんていうか、苦労話。
を、ぼつぼつ備忘録として書いていこうと思っている。
それが私の、実家のなくなった話。

#実家しまい #終活

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