2024/01/17 「おむすびの日」

「おむすびころりん……すってんてん」

不思議な歌と共に、おむすびが……落ちてきた。見事に私のお弁当箱がそれを受け止めた。私は校舎を見上げた。

「ごめぇぇん。それ、わたしの」
やって来たのは三つ編みにした先輩だった。落ちたおむすびは私のお弁当と混ざってめちゃくちゃだ。それを見た先輩が涙目になっている。

「混ざってしまったので良ければ、半分どうぞ」
彼女は首を振った。

「おむすびじゃないと意味がないの」

次の日、同じ声が聞こえ、『誰かが宝くじを当てた』という噂が学校中に広まっていた。

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