2024/06/21 「キャンドルナイトの日(夏至)」
ゆらゆらと揺れる炎は少し怖い。
「これ、倒したら大変」
目の前のろうそくに独り言を言っていると、小さな明りを同居人が持って来た。
「どさくさに紛れて、虫除け線香まで持ってこなくても……」
「だって、灯りに寄って来たら嫌だから」
同居人は蠟燭の傍に線香を置いた。
蝋燭は長めのが一つ。香炉に使うための小さな蝋燭が2つおいてある。夏至の日には電気を消してそうするのだと同居人が言うのでやってみた。
思ったよりも神秘的に思える。いつもの景色が闇の中に沈んでいる。
「読書には灯りが足りない」
私の文句に同居人が笑う。
「スマホの灯りで読める」
「それは反則でしょ」
現代は灯りが強すぎる。
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