2024/02/10 「ふとんの日」

パンパンと叩くと埃が舞う。天日干しした布団は柔らかくお日様の香りを吸い込んでいる。

「ぬくぬくぅ」

そういって布団に倒れ込むとふわりと光が舞う。

「ずっと眠っていたいね」
「ずっと眠っていたら、お日様が消えちゃう」
「お日様が消えてからが、寝る時間だよ」

ふわふわと子供たちが布団の上でそう囁く。

ぬくぬくの中で子どもたちは布団に包まれて眠ってしまった。可愛くて起こせないがそこは私の布団の上だ。

そっと彼らを摘まみ上げて、机の上の小さな布団の上に置いておく。

「ううぅーん。おひさまぁ。まってぇ」
起きてしまったかと思ったけど、そのまますやすやと寝ている。

「おやすみなさい。小さな精霊さんたち」

私は私の布団のお日様を吸い込んだ。


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