2024/02/26 草朧(くさおぼろ)

遠くが砂で煙っているようだと思ったそれは、ただ白くもやのように見える。季語ならばかすみだろうか。ぼんやりしたこの空気は春のものだ。

「ふへっ。食べちゃうぞ」
隣で姪がそんな寝言を呟く。私はタオルケットを姪に掛ける。
部屋の中には四季はない。ふっと息をついて立ち上がると、私は散歩に出かける。

外に出ると月がおぼろに空に浮かんでいた。ひと眠りしている間に陽が落ちていたようだ。


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