2024/06/25 寝冷子(ねびえご)


「お……はよ」

同居人の声が変だ。
「おはよ」
私は体温計を差し出す。
「んー。そこまでじゃない。喉が少し痛むだけ。暑いと思って油断すると、身体が冷たい。難しいね」

体温計は仕舞うことにした。
「私はやっと治ってきたかな。のど飴はいる?」
自分用に買った飴を差し出すと、「ありがとう」と受け取って舐め始めた。

「タオルケット一枚は早かったな」
「……迷うよねぇ」

私は夏蒲団とタオルケットでいつも迷う。さすがに毛布はいらない。

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