2024/02/12 「ダーウィンの日」

「種の起源を書いたダーウィンは……」

眠たくなるような講座を聞きながら、私はカチカチとシャーペンの芯を押し出す。
午後の授業はすでに眠りの世界に入ってる人たちもいる。講師はそれには構わずダーウィンの話をし、進化の過程を話していく。

「哺乳類の進化は……」

聞いてる人はどれだけいるのか。せめてもう少し面白い話題を入れて欲しいと思いながら、ノートに落書きをしつつ眠気と戦う。板書を取る気力はない。今はスマホで写真を撮っておくのが主流だ。

チャイムが鳴り、やっと講座が終わる。

「という事で、君たちの進化はここで止まり、新しい種が世界に台頭するのです」

講師は最後の言葉をそう締めた。私たちはポカンとそれをみた。
気持ち悪い匂いが部屋に充満し、講師の姿が変わっていく。


『有利な個々の変異を保存し、不利な変異を絶滅すること。
– これが自然淘汰である。』ダーウィン

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?