2024/02/24 朝朗(あさぼらけ)

はらりと空の色が一枚落ちてくる。

パシャリ
はらり

今どき、スマホでもない完全フィルムのカメラなんて骨董品だと思いながらもその重い骨董品を三脚に乗せて撮る。烏の声が響くビルの隙間。
風は刺すように冷たく乾燥している。

連射で撮ればいいのだが、このゆったりとした音も悪くはない。凍えそうな指先でボタンを押す。

パシャリ
はらり

空の紺色が落ち切ったところで烏が鳴いた。

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