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第25回 海外と日本の環境の比較

 こんにちは、Tokiです。今回は第15回以来となる海外と日本の比較・分析を行っていきます。今回比較するのは大会で活躍しているファイターの比較をして、日本と海外の環境の違いを考察していきます。

 今までの海外勢と日本勢の比較はこちらにまとめてありますので、興味のある方はこちらもご覧ください。

分析方法

 OrionRank制作者Barnard's Loop氏が公開しているOrionStatsを参考に日本の大会リザルトからキャラ分布を作成しました。

OrionStats

 OrionStatsでのキャラごとのスコアの部分を参考にしましたが、正確な手法は不明のため(単純に自分の調査不足の可能性が高いですが)、以下の手法でキャラ分布を制作しました。

大会をS,A,B,C,D Tier分けし、B Tier以上の大会の結果をもとに制作。大会のTier分け手法は現在制作しているランキングでのTier分けを引用。

Tierによって1位のキャラの獲得ポイントを設定、順位が一つ落ちるごとに1pt獲得ポイントも低くする。獲得ポイントはOrionStatsを参考に優勝の場合S Tier 16pt, A Tier 15pt, B Tier 14ptとなっている。

単キャラの場合は獲得ポイントをそのまま獲得、複数キャラの場合使用キャラの数によらず獲得ポイントを0.5倍とする。例えばA Tier大会をスティーブ単で3位だった場合スティーブに13pt、A Tier大会をロボット・パルテナで4位だった場合ロボットとパルテナにそれぞれ12pt×0.5の6pt。

使用キャラは各大会におけるリザルト画像を参考に制作しているため、大会ごとに何位までポイントを獲得できるかは異なる。

 以上のような方法でキャラ分布を制作しました。以下のリンクのスプレッドシートにキャラ分布がまとめてあるので、詳細なんてどうでもいいという方はこちらからご覧ください。

日本リザルトキャラ分布 2022後期

OrionStatsとの違い

 今回作成したキャラ分布ではOrionStatsと異なる点として、以下の点があります。

・すべての大会を集計対象としておらず、上位の大会(B Tier以上、OrionStatsではCategory3以上相当)のみを対象としています。その理由としては単純に量が多すぎてしんどいからです。おそらくOrionStatsでも現在のシーズが終了したらCategory3以上大会のみを集計したものを公開すると思われるので、そちらと比較するのが最も適切にはなりますが、まだないので全体との比較になります。

・OrionStatsは日本含めた全世界対象なのに対して、こちらでは日本のみです。ランキングの場合日本勢が参加している海外大会も含めていますが、今回は日本のみの環境を知りたいので海外大会は除きます。

・使用キャラを大会のリザルト画像から集計しているので大会によって対象となる順位にばらつきがあります。固定にするのが理想ですが、使用キャラがわからないプレイヤーもいるので、不確かな情報を加えないためリザルト画像から集計しています。

・リザルト入りしたキャラのみではなく、TOP8のキャラ、単キャラのみ、複数キャラのみといった集計も行っています。単純に興味があったからです。

例として一部抜粋

 全体ではミェンミェンが最も結果を残しているが、TOP8にはリュウが最も多く結果を残しています。

・ついでに各キャラクターの使用プレイヤーも別シートにまとめてあります。大会結果から引用しているだけなので、順番と実力は関係ありません。またリザルト入りしていないプレイヤーは周知のプレイヤーであっても含めていません。(ザクレイ選手やてぃー選手など)

上位における違い

今回制作の日本キャラ分布

引用:OrionStats - Smash Ultimate 2022 TTS (Updated September 20th, 2022)

大会の数もOrionStatsと比較して少ないので、上位の部分のみ比較します。

海外・日本共通点

 ロイ・スネーク・サムス・セフィロスが上位において大体同じ順位となっている。スネーク・サムスは日本海外ともに単キャラの使い手が存在しており、日本においてはロイ・セフィロスは逆に複数キャラとして使われることが多い。

日本の上位環境の特徴

1.ミェンミェン・ディディーコングの2TOP
 ミェンミェン・ディディーコングが海外よりも10位ほど高く、トップ2を抑えています。どちらのキャラも使い手が多く、使い手の数はディディーコング一位、ミェンミェンは同率2位となっており、サブ・単どちらの使い手も存在います。

2.CF,リュウの存在
 海外ではCF30位、リュウ38位と中堅の位置にいるこの2キャラですが、日本ではTOP4に位置しています。あしも選手やじょうぎぶ選手といった最上位選手に加え、リュウはtakera選手やむねキン選手といった格ゲー使いも常にリザルト入りしています。

 CFについてはからあげ選手などのリザルト入りする選手も当然いますが、CFは単キャラのプレイヤーが多く、獲得ポイントの約9割が単キャラのプレイヤーが獲得したポイントとなっています。2キャラ以上持つことが多くなってきているこの環境において珍しいキャラとなっています。

 ただしこれらは複数キャラ使いが多い日本の環境において、単キャラ使いが活躍している結果が過剰に評価されている可能性もあるため、この結果を見てCF,リュウは環境キャラと確実に言えるわけではないかもしれません。活躍しているプレイヤーがいるというは間違いないのですが。

3.ロボット・スティーブの順位の低さ
 ロボット・スティーブも上位ではありますが、海外の2TOPと比較して低い順位となっています。

 その要因としてスティーブ1強のあcola選手が別のキャラもトーナメントで使っているためポイントが伸びません。海外では様々なスティーブ使いがおそらく単キャラで結果を出していますが、日本では複数キャラのうちの一体という運用が多く、あcola選手以外でのスティーブはHIKARU選手しかTOP8以上選手はいません。

 ロボットもスティーブ同様海外は単キャラでの活躍が見られますが、日本では最上位はサブ運用、中堅では単キャラ運用が多いという印象があります。

4.ホムヒカ・ウルフ・パルテナの順位の低さ

 海外ではかなり上位に存在している3キャラですが、ホムヒカ・ウルフは15,6位パルテナは38位とかなり低くなっています。所謂強キャラと言われているこれらのキャラですが、使い手の数が少ないというわけではなくむしろ上位10キャラに入っているので使い手は十分います。

 以前しょーぐん選手のYoutubeにてザクレイ選手の対談動画がありました。そこでもザクレイ選手は「海外勢は筋肉で殴ってくる。日本はそういったプレイヤーが少ない」といった発言をしていましたが、まさにこの結果はその発言通りなのではないかと思われます。

引用:【後編】ザクレイとスマブラの上達に大事なことや、海外最上位勢への見方についてお話しました

5.トゥーンリンク・勇者の順位の高さ
 海外ではどちらも50位程度ですが、日本ではシグマ選手・アカキクス選手をはじめとした単キャラでの使い手がいるため非常に海外よりも順位が高くなっています。

 この逆の現象で海外ではネス、クラウド、ソニック(Sonix選手が単キャラでKEN選手は複数キャラ)、マリオというような使い手が多くいるもしくは単キャラで活躍している選手がいるという要因でこれらのキャラの順位が高くなっています。

6.DLC2と通常キャラの使われ方の違い
 単キャラと複数キャラを比較すると、単キャラでは上位3/4が通常キャラ、複数キャラでは4/4がDLC2となっており、複数キャラを持つときにDLC2を採用されるケースが日本においては多いというのがよくわかります。

現状の課題

 大会の数がOrionStatsと比べて少なく、複数キャラの使い手が多いため、単キャラでの活躍の影響が大きくなってしまいがちです。リュウやCFなどが特に顕著だと思われます。解決策としては獲得ポイントを調整する必要があるのかなと思いますが、とりあえずしばらくはこのままでいきます。

 またB Tier以上の大会が開催されればその都度更新はしていく予定なので、今回で終わるつもりはありません。現在ver.1.0なので今シーズンはver.1.xとして更新し続けていこうと思います。ランキングと同じシーズン制で更新していきたいと思います。

まとめ

 今回日本のキャラ分布を作成・海外との比較をしてみた結果、以下のことがわかりました。

1.海外では10位ほどのミェンミェン・ディディーコングが日本では2TOPとなっており、使い手も豊富に存在していた。

2.海外2TOPであるスティーブ・ロボットは日本では複数キャラの使い手が多いのに対して、海外は単キャラで活躍しているというのもあり、8位ほどとなっていた。

3.一般的に強キャラと言われるキャラの順位は日本においてはそこまで高くなかった。これこそが日本と海外の違いなのかもしれない。

4.DLC2は2体目以降のキャラとして使われるケースが多く、通常のキャラは単キャラとして活躍していることが多い。

日本キャラ分布2022後期

終わりに

 今回日本のキャラ分布を作ってみましたが、思っていたよりいろんなことがこのキャラ分布からわかって面白かったです。あと去年は月2回投稿くらいを目安でしたが、しばらくは早くても月1回の投稿になると思います。まあ不定期投稿なのでそこらへんは適当です。

ここまで見てくださってありがとうございました。よければ今後も最上位勢の分析を行っていく予定なのでフォローをしてくださるとうれしいです。また、何か質問やリクエスト、さらなる分析・考察がありましたらコメントをくれるとありがたいです。

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