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第18回 vs しゅーとんオリマーにおけるあcolaスティーブの変化を分析する

 こんにちは、Tokiです。今回もGWの大型大会で東西制覇を果たしたあcolaスティーブを見ていきます。
 2月のマエスマオフライン企画のGFではフルセットでリセットした後に3本連勝されたしゅーとん選手に対して、GWのマエスマTOP7では同様にフルセットでリセットした後に3本連勝し返しており、一体何が変わったのかを分析していきます。
 前回、前々回と立ち回りと撃墜について分析しているので、興味のある方は是非ご覧ください。

 対象はマエスマオフライン企画のGFでしゅーとん選手がオリマーを使用した6試合とマエスマTOP7のGFの8戦です。

変化内容

 まず結論から示します。実際にはもっと変化があるかもしれませんが、自分が分析したあcola選手の変化は

スティーブの近接の強みを活かしつつ、要所で反撃のリスクを排除し、リスク付けを難しくするという「攻めの意識の向上とリスクの排除」

が以前との違いなのではないかと思われます。

続いてその詳細について見ていきます。

技使用回数

 こちらはマエスマオフライン企画とマエスマTOP7のGFでのしゅーとんオリマー戦の時の各種技の1試合当たりの平均使用回数です。

 これらの技は何度も試合を見ていて使われ方に変化があるのではないかと思われた技をピックアップして比較したものです。横BやNBの使用回数に変化はあまり見られませんが、上強と空上の使用回数がマエスマTOP7において使用回数が増えています。実際オフライン企画では上強をしながら近づくというような露骨な上強の押し付けは少なく、逆に即つかみをする場面もありましたが、マエスマTOPでは露骨に上強を押し付ける場面が何度か見られました。

 この違いはあcola選手がNIL(No Impact Landing)というテクニックを実践投入できるようになり、上強、空上のコンボの精度や火力が上がったためと推測できます。優勝インタビューの時にもあcola選手がじょうぎぶ選手との試合前の操作練習の動きについて言及しており、この動きに自信を持っていることがうかがえます。

 筆者は使い手ではないのでテクニックの難易度はわかりませんが、攻略Wikiには

「いかんせん高難易度であり、特に固定化された状況以外で使いこなすのは至難の業」

大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL 攻略 Wiki

との記載があり、相当高難易度のテクニックを実践で使っているあcola選手の操作精度の高さがうかがえます。

 続いて使用回数に違いはあまり見られなかった横Bをより詳しく見ていきます。

横B使用タイミング

 こちらは横Bを使用するときのタイミングに着目して比較したものです。復帰時の使用が「復帰」、地上での横Bが「地上」、1段ジャンプからの横Bが「1段」、2段ジャンプしてからの横Bが「2段」、2段ジャンプ以上の高さからの横Bは「それ以上」となっています。

 これを見ると、復帰時の使用が若干の増加、2段ジャンプからの横Bが大きく減少していることがわかります。

 復帰時の使用についてはしゅーとん選手の配信でも言及されていましたが、しゅーとん選手がジャンプ抜け読みで空後を振るも、そのままトロッコに乗ったままのため逆に後隙をさらして、逆にスティーブの空後で撃墜されてしまうといった場面も見られました。もちろんジャンプ抜けすることもあるので、単純に択が増えることで横Bにリスク付けするのが難しくなります。

また2段ジャンプからの横Bがかなり減っています。2段ジャンプからの横Bは他のタイミングよりも遠い間合いから使用して、トロッコを当てたり、降り空下や空後などを狙うのが主な目的かと思われます。相手の内回避を誘い空下で撃墜するというのも見られ、強力な択ではありますが、2段ジャンプを消費しているため行動が制限され反撃のリスクも高くなります。

他の択と比較するとリスクも高く、横Bを使うまでのフレームも多くなるため相手が反応しやすいため、オフライン企画の時はしゅーとん選手が横Bの後ろ側から攻撃をするという一方的なリスク付けもされていました。そのため2段ジャンプからの使用回数を減らすことでリスクも減らしているのではないかと思われます。

 横Bの使用タイミングを見てきましたが、次はトロッコを降りるタイミングを見ていきます。

トロッコ降りタイミング

  これはトロッコを降りるタイミングを比較したものです。マエスマTOP7での使用回数はオフライン企画の時よりも少なかったため、同じ使用回数になるように補正しています。「即降り」はすぐにトロッコから降りるもの、「継続」は即降りでないものを集計したものです。厳密に最速ではないこともあるかと思いますが、明らかな違いを集計したものとなります。
 
 これを見ると継続して乗り続けるのがオフライン企画の時の4倍近くに増えており、意図的に増やしていることがわかります。以前はほとんどが即降りだったためタイミングが読みやすかったのが、降りるタイミングも一定ではなくなり、相手からのトロッコ降りに対するリスク付けを難しくしています。

 今までの横Bの使用の変化からは
横Bのリスクをできるだけ減らし、リスク付けを難しくしている
ことがわかります。

NB使用目的

 これはNBの使用目的別に集計したものです。「採掘」は3段ブロックの作成で、主に採掘や武器生成で、壁に近づいた相手にDAを当てるというのも含まれています。「保険」は撃墜拒否のためのブロック生成、「着地」は着地タイミングをずらしたり、復帰時に崖外で着地するためのブロック生成、「攻撃」は崖外のブロック上でスマッシュなどの攻撃をするためのブロック生成、「コンボ」はコンボ中のブロック生成、「トロッコ」は横Bを使用する前に設置するブロック生成、「復帰阻止」、「その他」はそのままです。

 これを見ると採掘のためのブロック生成が最も多いのは変わりありませんが、保険や着地といった防御を目的としたブロック生成がマエスマTOPでは減っており、逆に攻撃、コンボ、いった攻撃を目的としたブロック生成は増えています。トロッコは相手の逃げ先を制限したり、後ろからの反撃をさせないといった攻撃・防御のどちらの意味を持っていますが、特に逃げ先の制限といった攻めの意味合いが強いブロック生成となっています。
 
 またコンボは主にNILによる使用で、トロッコでのブロック生成は2段ジャンプからのトロッコの時にしか以前は使っていませんでしたが、1段ジャンプの時にも積極的に使うようになっており、トロッコを内回避した後でもスティーブ本体とブロックに挟まれるという相手にとって状況が悪い状態を継続させることができます。

 このことからNBをより攻撃的な目的で使用するようになったことがわかります。

 続いて採掘についてより詳細に見ていきます。

3段ブロックタイミング

 こちらは3段ブロックを生成するときの状況を集計したものです。

 「撃墜・最初」は撃墜・非撃墜時の復帰台から降りた直後や、試合開始直後の3段ブロック生成です。「横B後」は横Bによって相手との距離ができた時を集計したもので、横Bがヒットした場合もヒットしていない場合もどちらも集計しています。「逃げ」は鉄や資源が枯渇して相手からガン逃げして3段ブロックを生成する時で、「崖放棄」は相手を崖外に飛ばした後に崖狩りの展開を放棄してラインを下げて3段ブロックを生成する時です。「間合い」は横B以外が原因で相手と距離が離れた時の3段ブロック生成で、「壁2回目」は一度3段ブロックを生成してからもう一度3段ブロックを生成する時のものです。

 これを見ると「撃墜・最初」や「横B後」といった自然と距離ができているときに3段ブロックを生成することは増えていますが、「逃げ」や「崖放棄」といった攻め展開を放棄して採掘をすることはかなり減っています。

 このことから消極的な採掘を減らし、攻めの意識を高くすることで、スティーブの近接の強さを押し付けるようになっているのだと推測できます。
ただしこの攻めの意識の向上による欠点として基本的に武器生成や鉄の枯渇のタイミングで採掘をしますが、攻めの時間が長くなりダイヤを手に入れるのが遅くなったり、鉄以外の素材も枯渇することがあります。

 オフライン企画の時は素材枯渇による採掘はありませんでしたが、マエスマTOPでは何度か素材枯渇で採掘することがありました。そのタイミングで相手からの攻めを通してしまうとそのままじり貧となってしまうので、うまく相手の攻めを捌くスキルも必要となります。

 またダイヤの取得タイミングについては世界のPanda Globalが分析しておりましたので、興味のある方はご覧ください。

引用元:Panda スマブラ翻訳様 

Twitter
ひろむすき / hiromski 様

まとめ

 今回はマエスマオフライン企画とマエスマTOP7のしゅーとんオリマー戦のあcolaスティーブを比較して見ました。

 マエスマTOPではNIL習得による火力の安定や向上から上強や空上の押し付けが増加、横B使用時にはオフライン企画の時よりも択を増やすとともに、リスクを減らしつつ、相手のリスク付けの難易度を上げるという、立ち回りの要となる横Bのリスクを排除するという変化が見られました。

 NBは防御目的の使用が減り、攻め目的のNBが増えていました。3段ブロックも攻めの機会を逃さないタイミングで生成しており、スティーブの近接の強みをより活かした立ち回りとなっていることが推測されます。

終わりに

 今回同じ対戦相手にリセットから3本連取されていたのを、3本連取するというちょうどいい比較ができそうな試合があったので比較をしてみましたが、色々な違いが見られて面白かったです。ただ使用回数では違いがあまり見られず、技の詳細を見てみないとなかなか違いが判らなかったので、今までより難しい分析となりました。

 また1月以上空きましたが、できれば最低でも月1で投稿はしたいと思っています。ただ自分がやりたいことをやるだけなのでのんびりマイペースにはなるかと思いますが、また見ていただけると嬉しいです。次回の内容は未定です。

 ここまで見てくださってありがとうございました。よければ今後も最上位勢の分析を行っていく予定なのでフォローをしてくださるとうれしいです。また、何か質問やリクエスト、さらなる分析・考察がありましたらコメントをくれるとありがたいです。

集計試合

まえだくん様

マエスマOffline[GF] W:SST|しゅーとん(ホムラ/ヒカリ,ピクミン&オリマー)VS L:あcola(スティーブ)

マエスマTOP#7/MaesumaTOP#7<Grand Final>W:SST|Shuton(ピクミン&オリマー)VS L:FTG|あcola(スティーブ)


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