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第19回 ぱせりまん・Lightフォックスの立ち回りを技使用割合から比較する

 こんにちは、Tokiです。今回から「後に最強になる男」ことぱせりまん選手と世界最強フォックス使いLight選手のフォックスを比較・分析行います。Light選手は先日MomoCon 2022にて圧倒的強さを見せ、一度も敗者側に落ちることなく優勝しました。
 今回はキャラ分析の第1回ということで、いつも通り技使用割合から立ち回りを分析していきます。今まで同様筆者はフォックス使いではないので、使い手の意見ではありません。その点ご了承お願いします。

前提

 今回の技使用割合で集計しているのは主に攻撃のための行動を集計しています。復帰や攻撃を食らった後に姿勢を直すために振る技はカウントしません。ただし上から復帰や下Bでのタイミングずらしは両者に違いが見られるのかを見るためにもカウントしています。

 技使用回数は対象試合におけるもっともお互いにストック・%が高くなっている1試合での技使用回数を集計しています。

 集計対象試合は2022年以降の大会で同じ選手と試合をしていた場合はできるだけ最近の大会の試合を対象とし、それぞれ15戦分です。技使用回数としてはぱせりまん選手約1600回、Light選手は約1500回分です。

 また記事の最後に試合をまとめた再生リストのリンクを貼っておきますので興味のある方はご覧ください。以下に個々の対象大会・試合をまとめておきます。

敬称略
ぱせりまん選手
 篝火6 Zackray ジョーカー 2試合目
 篝火6 Gackt ネス 4試合目
 篝火6 トウラ サムス 3試合目
 篝火6 シッショー ドクターマリオ 1試合目
 中部スマブラクロニクル#1 りぜあす テリー 1試合目
 中部スマブラクロニクル#1 れぽ ロックマン 4試合目
 中部スマブラクロニクル#1 かえるGame&Watch 2試合目
 中部スマブラクロニクル#1 ヨシドラ ヨッシー 2試合目
 WINNER! -Next Gen- #1 Shuton ホムラ&ヒカリ GF(L)3試合目
 WINNER! -Next Gen- #1 KEN セフィロス 4試合目
 篝火7 Chicken ウルフ 2試合目
 篝火7 Huto ワリオ 1試合目
 マエスマTOP7 あcola スティーブ 1試合目
 マエスマTOP7 あしも リュウ 1試合目
 西武撃#10 たいけい ソニック 1試合目

Light選手
 Summit4 Maister Game&Watch 3試合目
 Summit4 Sparg0 クラウド 3試合目
 Summit4 ProtoBanham ルキナ&ミェンミェン 2試合目
 Collision 2022 Leon クッパ 3試合目
 Collision 2022 Zomba ロボット 3試合目
 Collision 2022 Tweek ディディーコング 2試合目
 Genesis8 Chag パルテナ 1試合目
 Genesis8 Myran ピクオリ 1試合目
 Pound2022 Jakal ウルフ 2試合目
 Pound2022 Glutonny ワリオ 5試合目
 Pound2022 MkLeo ベレト 2試合目
 MomoCon 2022 DDee スティーブ 1試合目
 MomoCon 2022 Riddles テリー 3試合目
 MomoCon 2022 Sonix ソニック 2試合目
 MomoCon 2022 Dabuz ロゼチコ 2試合目

両者の違い

 両者の違いの個人的な結論は

ぱせりまん選手は大ジャンプ・空Nが立ち回りの鍵となり、大ジャンプで揺さぶりつつ空前や空下での対空技を適宜使用して火力を稼ぎ、空Nの試行回数や読みによる上スマでの撃墜が主な流れとなっていました。

 それに対しLight選手は地上の立ち回りが多く、釣り行動やNBで相手を動かして差し返したり、上強やDAによる着地狩りや台上展開といった有利展開の維持や多彩なコンボルートによって火力を稼ぎ、崖空後や圧倒的反応速度による上スマでの撃墜が主な流れとなっているように感じました。

続いてなぜそう思ったのか、グラフを見ていきます。

技使用割合

 これらは両者の技使用割合を示したグラフで、青は相手%が0~50%,黄色は相手%が51~100%,赤は相手%が101%~の時のものとなっています。
 
 これらを見ると多くの技は概ね同じような割合となっていますが、明らかに違う割合となっている技もいくつかあります。

 共通している点として序盤はDA,空N,空前,空後,空下,空上,NBといった7種類もの技をうまく使い分けて火力を稼ぎ、大体80%~空N上スマや空後などの撃墜技を狙うようになるのが共通点です。

 それぞれ多少の違いはありますがNBで相手を動かし、DA・空N・空後による差し込みや置き、空前・空下・空上での対空などが主な使用用途です。ただしこれらの使用割合にかなりの違いが見られる技もあります。

 特に違うのは空Nです。ぱせりまん選手は序盤から終盤まで高い割合で空Nを使用していますが、Light選手の場合、序盤は他の技よりも少ないくらいです。

 これは立ち回りにおいて顕著に違いが現れる部分で、ぱせりまん選手は空Nを通すためにニュートラルで大ジャンプを多用しており、大ジャンプから透かし、急降下の有無、2段ジャンプの有無など大ジャンプから様々な行動をします。さらにその中に空前や空下といった持続のある対空技を混ぜたり、対空してくる相手に対して逆に対空で空Nを当てるなど、立ち回りの軸が大ジャンプと空Nとなっているように思えました。

 それに対してLight選手は特に序盤はどれか一つの技の割合が突出して大きいということがなく、択がかなり散らされている印象です。その中でもぱせりまん選手と大きく違うのは上強の割合です。上強は当てるとその後の火力稼ぎにかなり貢献できるので積極的に狙っているようでした。


 また序盤は空前もややぱせりまん選手よりも割合が高いです。Light選手はZombaやLeonといったデカキャラと対戦しているため、空前をかなり使用しているというのもありますが、対地で利用してその後の着地狩り展開で火力稼ぎを狙ったり、空前→空上といった高火力コンボにつなげられるため積極的に狙っていました。

 さらにLight選手は終盤にはぱせりまん選手以上に空後の圧をかけており、空N上スマの確定帯を抜けた時は特に崖の空後でひたすら圧をかけて撃墜まで繋げていました。ただしその空後も様々な振り方をしており、空後をガードさせてから最速上り空後やSJ下り空後、大ジャンプしてから急降下の有無を含めた下り空後など。2度ほど打ってからは、逃げ先を咎めるように意識を割いているように思えました。

 このようにLight選手とぱせりまん選手で技の使い方などに違いがありますが、Light選手はぱせりまん選手よりも相手を動かす意識や、台上展開や着地狩り、崖狩りといった有利展開を活かす立ち回りをしているように見られました。大ジャンプからの揺さぶりよりも地上で獲得した広いラインを存分に活かしてステップを使って揺さぶったり、NBで相手を動かしたりと地上戦を重視しているのではないかと推測されます。


 ただこれらの違いに関するデータは集計できておらず、今後どうにかして違いが分かるように集計したものをまとめていきたいと考えておりますので、今後の記事を待っていただけますと幸いです。(できるかわかりませんが)

 釣り行動などについては以前Panda スマブラ翻訳様が投稿されたLight選手のフォックス講座の翻訳動画を紹介させていただきます。Light選手のフォックスに対する考え方などが非常に丁寧に説明されていますので是非ご覧ください。

引用元:Panda スマブラ翻訳様 

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ひろむすき / hiromski 様

対地の空中攻撃後の行動

 このグラフは両者ともに対戦した同キャラ(テリー・GW・ウルフ・ワリオ・スティーブ・ソニック)のうち、それぞれ1セットずつピックアップし、そのうち対地で使用した空中技の後の行動を集計したグラフです。青が攻撃、黄色が防御行動となっています。空中攻撃はSJから使用したもので、大ジャンプはジャンプに含まれています。そのため大ジャンプからの空中攻撃もジャンプに含まれているので、実際はもう少し攻撃の割合は高くなるかもしれません。

 先ほど上強は火力稼ぎに貢献すると言いましたが、ぱせりまん選手はそこまで高い割合ではありませんでした。その違いが生じた原因はこのグラフから読み取れます。

 Light選手は対地で空中技を振った時にぱせりまん選手よりも攻撃技を入れ込んでいることが多いことがわかります。ぱせりまん選手は33%、Light選手は47.3%が空中攻撃の後にすぐに攻撃技を選択しています。

 特に上強、空後の割合は高く、上強はフォックスの背中側で空Nを当てた時や空後を当てた時にかなり使用しています。空後や空Nは最低空なら硬直差3,4Fで上強は発生3Fのため、空中攻撃をガードした時点でフォックス側有利の読み合いとなっています。

 そのためLight選手は対地で空中攻撃を使用した後に攻撃まで入れ込むことで、より火力を稼げる展開を狙っているのだと予想されます。また攻撃以外の択が半分以上となっており、釣り行動が大切であると言っているLight選手ですので、攻撃以外の行動を見せることで相手がガードを解くように仕向けて、入れ込みの攻撃が相手に通りやすくしていることも予想されます。

対地空中技のヒット率

 こちらは先ほど対象とした試合での使用した対地の空中技の種類ごとの割合及びそのヒット率を示したものです。

 技使用割合でぱせりまん選手は大ジャンプと空Nを軸としていると言いましたが、このグラフからもその傾向が読み取れます。ぱせりまん選手は空Nの割合が特に高く、Light選手は空Nと空後が大体同じ割合で、ヒット率はLight選手のほうが高くなっています。ぱせりまん選手は大ジャンプからの空N置きを多用するのに対し、Light選手は空後を積極的に当てに行くが多いためこのような違いになっているのだと推測されます。

 グラフにはありませんが技の使用回数もぱせりまん選手は182回、Light選手は159回とぱせりまん選手のほうが多いです。

 ただこのLight選手のヒット率は通常の試合よりも極端に空中技のヒット率が低かったSonix戦が含まれており、そちらを除くとよりヒット率の違いが大きくなります。両名ともに集計した試合の中で最も対地空中攻撃のヒット率の低かった試合を除いた場合は以下のようになります。

 ぱせりまん選手は対Huto選手、Light選手は対Sonix選手の試合を除いたものです。このようにぱせりまん選手はヒット率や技の割合もそこまで大きな変化がありませんがLight選手はSonix戦を除くとヒット率は約36%にまで上昇し、技の割合も空Nよりも空後のほうが高くなっています。

 また技の使用回数もぱせりまん選手は152回、Light選手は103回と少ない技の試行回数で確実に技を当てていることがわかります。

まとめ

 今回技使用割合からぱせりまん選手とLight選手のフォックスの立ち回りの違いを分析してみました。両者の違いは

ぱせりまん選手は空Nが立ち回りにおける大きな軸となっており、大ジャンプからの読み合いや空Nの試行回数によって上スマを通して撃墜していることが推測されます。

それに対してLight選手は序盤は各種空中技をバランスよく使っており、NBや釣り行動などによって有利展開の維持や、空中攻撃後に上強などの入れ込みの攻撃技をうまく通すことで火力を稼ぎ、終盤は空N上スマだけでなくぱせりまん選手以上の空後の嵐によって撃墜していることが推測されます。

終わりに

 今回はぱせりまん選手とLight選手の違いを見てみました。ただ大会を見ているときはこんなに違いがあるとは思っていなかったので集計してて楽しかったです。特に空Nにここまで違いがあるとは知りませんでした。

 ただ違いがあるのはわかりますが、それをグラフなどに示せていないところがあまりにも多いので、もっと分析をしないといけないなと感じました。

 ここまで見てくださってありがとうございました。よければ今後も最上位勢の分析を行っていく予定なのでフォローをしてくださるとうれしいです。また、何か質問やリクエスト、さらなる分析・考察がありましたらコメントをくれるとありがたいです。

集計試合

ぱせりまんフォックス再生リスト

Lightフォックス再生リスト


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