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第26回 Teaパックマン対Cosmosカムイの対応の分析

 こんにちは、Tokiです。今回はL'Odysséeの対Cosmosカムイ戦で見せたTea選手の対応力を見ていきます。WSではカムイに2本取られましたが、GFではホムヒカ含め一本も取られることなく勝利したTea選手がどのように対応していたのかを分析していきます。

 以前Tea選手のパックマンを分析しているので興味のある方はぜひご覧ください。

 また、今回は動画も作ってみたので是非ご覧ください

Tea選手の変化

 結論からまとめると、Tea選手の変化とは

1.カムイの横Bの被弾の減少

2.フルーツターゲットの変化

3.復帰阻止、空下、つかみの増加

 以上3点がTea選手の変化だと結論付けました。実際にはTea選手本人がインタビューや配信で「冷静にやれば勝てる」とおっしゃっていたので、対応というよりもWSFで悪かった点をいつものように修正したとも考えられますが、即座に修正できるのもまたTea選手の強みであると思われます。

続いて詳細について見ていきます。

横Bの被弾

 こちらはカムイの横Bの被弾回数を示しています。これをみるとGF3はやや被弾回数は多いですが、GFでの横B被弾回数がかなり減っています。
 また撃墜がWSでは5/6回、GFでは5/7回が横B撃墜となっていました。そのためGFではかなり横Bを意識した立ち回りとなっていました。

 WSではいきなりの横B撃墜が多く見られましたが、俗に言うようなびっくり横Bの被弾は減っていました。特にわかりやすい横B被弾を減らす行動として復帰時に相手が横Bをしていなくても回避をして崖下に潜るようにしており、横Bの被弾のリスクを極力減らしていました。また崖つかまり状態に対する横BもWSでは撃墜していたため、GFではつかまりっぱなしの時間を減らして横Bを意識した崖上がりになっていました。

 また消火栓を挟んでNBを溜めるというのがよくありますが、消火栓のすぐ横で溜めていると水流に流される前に斜め上からカムイの横Bで撃墜するというのがありました。GFでは消火栓横でNBを溜める際は溜めてからすぐに引きジャンプをしたり、そもそもNBを溜める位置を消火栓から少し離れた位置で溜めるなどして横Bに被弾しない立ち回りを徹底していました。

フルーツターゲットの変化

 こちらはフルーツターゲットの使用回数です。
 これをみるとGFではボス・ギャラクシアンの使用回数が減っており、オレンジの使用回数が増加しています。

 こちらは以前集計した1セット当たりのフルーツターゲットの使用回数を示したもので、これと比較して見ると、GFでは色んなフルーツを積極的に使っているというのがわかります。通常はボス・ギャラクシアンとベルで全体の6割を占めており、WSも大体同じくらいですが、GFではオレンジとボス・ギャラクシアン、ベルが同じくらいで6割アップルがやや少ないという割合になっていました。
 
 オレンジは復帰阻止を積極的に行うようになったため使用回数が増えていました。またボス・ギャラクシアンはGFではWSよりもよく当たるようになっていたので、序盤の火力稼ぎが主な役割であるボス・ギャラクシアンの使用回数が減ったのだと思われます。
 
 さらにボス・ギャラクシアンだけでなく、ベルのヒット数もWSよりも増えていました。WSで見た情報から相手の行動を読むことでヒット数を伸ばしたのだと思われ、ここでもてぃー選手の相手の行動を読む能力の高さが伺えます。

各種行動の増加

 こちらは復帰阻止を行った回数を示しています。ただし消火栓やフルーツを投げるだけの復帰阻止はカウントしておらず、パックマン自身が崖外に飛び出して復帰阻止を行っているもののみカウントしています。

 復帰阻止の回数は増加していますが、復帰阻止で撃墜はほとんどありませんでした。相手が崖外にいるという有利展開において、より積極的に火力を稼ぎ、仮に失敗しても早く崖を上がりたいという意識を相手に植え付けて、崖狩りを優位に進めるという狙いかと思われます。GFの撃墜全12回中6回が崖で撃墜していました。

 これはつかみと空下の使用回数を示したグラフで、この二つ技の変化が最も大きな影響だったのではないかと思われます。
 WSではほとんど使用していないと言っていいくらいでしたが、GFでは積極的に使っていました。

 こちらは過去に分析したてぃー選手のパックマンの技使用割合です。こちらからもつかみや空下はWSの時は通常よりも使用していないというのがわかります。
 これの二つの技により相手のガードに対して有効にリスクを付けることができ、相手もガードが安定ではなくなったためボス・ギャラクシアンやベルに被弾することが増えたのだと思われます。

 つかみがガードにリスクというのはわかると思いますが、空下がガードにリスクを付けるとは何か。それは空下が多段技のためガーキャン行動にリスクを付けられるという点です。パックマンは基本空中技を主体に攻めていますが、その空中技は空下以外が単発技のため空下以外は空中技をガードした直後にガーキャン行動で反撃をとることが多いです。

 Cosmosはガーキャン空Nでパックマンの空前に反撃を取り、その後の有利展開で火力を稼ぐことが多かったですが、空下を混ぜることでガーキャン空Nで反撃を取ろうとしたら逆に空下の2段目以降に被弾するという場面が見られました。さらには空下をガードさせつつ、最終段で引くことで相手のガーキャンつかみを透かして、その後隙に横スマを叩き込んで撃墜するというのも見られました。

 当然復帰阻止が増えたのと同時に空下の使用回数も増加していましたが、それ以上に立ち回りでの空下がより重要であったのではないかと思われます。

まとめ

 今回はL'OdysséeでのCosmosカムイ戦での対応を分析し、以下のことがわかりました。

  1. カムイの横Bの被弾を徹底的に避ける立ち回りに変化

  2. 復帰阻止によるオレンジの使用回数の増加や、相手の行動を読むことによるヒット率の増加に伴うボス・ギャラクシアンの使用回数の減少

  3. 復帰阻止の増加による崖の圧、それに伴う崖周りの撃墜増加

  4. 空下、つかみの増加による相手のガードに対するリスク付け

おわりに

 今回はてぃー選手のL'Odysséeでのリバース6-0の大きな要因となるカムイへの対応を分析してみました。最初のほうでも触れましたが、てぃーさんご本人がインタビューや配信で述べていた内容ではあったので、分析方針はある程度きまっていましたが、本人が触れていたところ以外にも気付くことができてよかったです。またWSでの反省点を即座にGFで修正できるてぃーさんの凄さを分析からも改めて理解できました。

 今回は分析記事だけでなく動画も作成してみましたので良ければそちらもご覧ください。

 次回は番外編で、スマブラ Advent Calendar 2022という企画に乗っかって1年ちょっと分析し続けてみての感想や自分語りしてみる予定です。今までのような分析とはまた違いますがご了承ください。

 ここまで見てくださってありがとうございました。よければ今後も最上位勢の分析を行っていく予定なのでフォローをしてくださるとうれしいです。また、何か質問やリクエスト、さらなる分析・考察がありましたらコメントをくれるとありがたいです。 

集計試合

L'Odyssée - WINNERS SEMI - COSMOS vs TEA

L'Odyssée - GRAND FINALS - COSMOS (W) vs TEA


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