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高校1年生から始める東大の英語

 地方の公立高校出身の私が国立大を目指し失敗した経験から何が足りていなかったのか、地頭か、戦略つまり努力の方向が違っていたのか振り返ろう。自分のこととなると贔屓目に見てしまいがちなので、今は学習法に関しては学校側に問題があったと責任を押し付けよう。

 まず思うのは、高校3年間かけても国公立レベルの英文読解に届く域に到達し得ないということだ。

 Readerの教科書に出てくるのは、おとぎ話か、ある作者の体験談のようなもので論説文とは到底言えない。英文法なしでも単語量でカバーし切れるものなのだ。そうすると、県立校の英文法も目的が読解のためのものでなく、文法のための文法になってしまう。

 例えば書き換え問題。「この文の能動態を受動態に直せ」「この熟語を助動詞1語に書き換えよ」などのアホらしい問いが中間・期末試験で出されている。

 この全く教養が身につかない学習は、文法と読解が切り離されて教えるところにあるのだろう。英論文には、受動態で表現しないといけない訳があり、単純に能動態に直すわけにはいかない。文法が必要なのは、そういうことだ。

 高校に入れば、少しづつでも東大英語に触れるのがいいと思うのが個人的な意見だ。要約、和約・英訳そしてリスニングなどは読むための文法なしではできない。リスニングは速読でもあるから文を後ろから訳しあげるという滑稽極まりない教えではおぼつかないね。

 上位国立レベルでは本当の文法が要る。

 もちろん学校側や文科省が課す英単語の暗記は怠るわけにはいかないがそれは落第しない程度の気分転換程度で良いだろう。多くの英論文を浴びながら語句も習得するのが身につくからだ。
 地方でも偏差値55レベルの公立高校ならこの一冊を2年かけて修得すれば英語そして国語も飛躍的伸びることを保証する一冊を紹介したい。

東大入試 英文読解のグラマティカ  
   
 ただの紹介料欲しさではなく、これは本当に一押しの教材。

著者の富士哲也さんは、元駿台予備校のカリスマ講師と言われた表三郎さんから「スーパー英文読解法」を伝授されたと聞いた。私も表先生の授業は楽しみであった。富士先生はこの本でさらに精度を高めたと言えよう。

 なにより読むこと、見識が広がることの楽しさを教えてくれる。内容としてのクオリティーも高いので、現国にも影響するというわけだ。本書でのポイントとなる点は、随所取り上げていきたいと思う。


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