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ごはんに合う土鍋ビーフシチューは赤い。

ビーフシチューは洋食のごちそう。ハンバーグやえびフライの人気は、ビーフシチュー以上かもしれませんが、洋食屋さんでビーフシチューがメニューにあるお店にいくと、お値段的には一番だったりしますよね。

それは当然のことで、なにしろ材料は牛肉。しかも大ぶりで贅沢にごろんごろん。ひき肉のハンバーグよりは、高くなって当然かなと思います。

🍲赤ワイン煮込みの洋食化

そんなビーフシチューですが、ニッポンの洋食が、西洋料理をとりいれて、それを日本人の舌に合うようにアレンジしてきた歴史を紐解くと、もとになったのは間違いなく牛肉の赤ワイン煮込みかなと思います。

これをベースに、お肉の塊をメインに据えてソースで食べる元祖から、ソースたっぷりなシチューに変化したのでしょう。

🍲ごはんに合わせる土鍋スタイル

そんなシチューの中に、人気のお店でたまにこんなスタイルがありますよね。

土鍋でぐつぐつ。

これ、すごくうまく和食のテイストをとりいれていて、土鍋はもちろんのこと、メインのお肉だけじゃなく、じゃがいもにんじんがごろんごろんしてるあたりは肉じゃがのよう。

そしてこのスタイルのシチューを出すお店って、セットになってるのがパンではなく、ごはんとお漬物のような印象があります。

シチューをスプーンですくってごはんの上からかけたり、お肉をオンザライスしたり。ひと口食べれば、わかります。ごはんに合うように進化したんだなぁと実感するその味。どこか、和に寄せたような印象を受けるんですよね。

🍲土鍋シチューはこんな感じ

そんな土鍋シチューを食べてるうちに、ふと気づいたことがあります。

いわゆるソースの部分。その色を見てみると、バリバリの洋風スタイル、すなわち牛肉の赤ワイン煮込みの原型を多分にとどめたシチューより、色が赤っぽい印象ありますよね。

というわけで今回は、Theニッポンの洋食風のビーフシチューを土鍋でぐつぐつしてみるお話です。

まずは全体のイメージを再確認。

具材はごろごろ。洋食屋さんのカレー的な感じで、ひと口で食べられるサイズの塊系ビジュアルです。野菜はもちろんじゃがいも、にんじんをごろんごろん。そこに緑をなにか。あ、マッシュルーム追加してもいいな。

ソースは、小麦粉とバターのルウで付けるほど、もったりしたとろみはないけど、サラサラではない。スプーンですくってごはんにかけると、ちょうどいい具合に染み込みつつも、ライスの上にも残る感じにしたい。

🔪つくってみよう土鍋シチュー

さて、どうする。

ん、待てよ。この前もなんか似たようなこと考えたことあったな。

🍅ベースはトマト増量

そうだ。ごろチキだ。

このときのカレーのとろみに似てるじゃないか。

というわけで香味野菜はすりおろし。

にんにくをみじん切りにして、バターとオリーブオイルで炒めて、いざスタート。

すりおろし野菜を汁ごと投入。

水分を煮詰めながら炒めて、ここであの赤味の素が登場。いつもの牛肉の赤ワイン煮込みに使うトマトペーストにプラスして、ケチャップもいれます。

全体がなじむまで炒めたら、シチューベースは完成。うん、いい感じの赤味です。

🥩お肉は2種類

続いてお肉。

ごろごろ役のもも肉ブロックと、とろとろ役の牛すじの競演です。

お店だと頬肉とかテールとかネックとか、その部位だけでお肉な部分とすじ的な部分が混在したものを使うところですが、一般的なスーパーではなかなか手に入れにくいので、ダブル使いにアレンジすることにしました。

もも肉はブロックのまま焼き色を付けます。

側面もしっかりと。

ひと通りおいしそうな焼色が付いたら、香味野菜といっしょにお鍋の中。

お肉を焼いた旨味も逃しません。赤ワインでこそげ落とします。

このとき使う赤ワインは、いつもよりすこし量を控えました。これはベースカラーをトマトの赤優先にしたいというのと、あまりワインが強いとごはんよりパン向きのシチューになるかなと思ったのが理由です。

🍲ぐつぐつ煮込み第1弾

ワインとフォンドボーをいれたら、さあ煮込み。

まずは強火でぐわーっと沸かします。

沸いてきたら最初に真ん中に集まるアクを取って、中火に落とします。

そのままお肉が柔らかくなるまで、2時間ほど煮込みます。

途中、水分が減ってお肉が煮汁に浸らなくなってきたら、水を足して、また煮詰めていくのをくり返します。

お肉に竹串を刺してみて、すっと通れば煮込みはOK。その後は強火で、煮汁が最初の半量くらいになって味がまとまるまで煮詰めます。

これでいったん、シチューはできあがり。火からおろして冷まします。

冷めたらお肉をひと口大の塊に。サイコロみたいなころんころん、狙いどおりです。

🥕野菜は彩りよく

続いて付け合せの用意。

すじを取った絹さやは、飾り切りしておくときれいです。

野菜は赤白、緑揃えます。

じゃがいもとにんじんは煮崩れしないよう、面取りしておきました。

お湯を沸かしてじゃがいも、にんじんを茹でます。

竹串が刺さるようになればOK。最後にもう一度シチューの中で煮込むので、少し手応えはあるけど刺さる、くらいが理想です。

残りの茹で汁で、絹さやもさっと茹でて、マッシュルームは4つ割にしておきます。

🍲土鍋でぐつぐつ仕上げます

さあ、いよいよ土鍋の登場。

まずはお肉をセットします。

シチューソースを注ぎます。

うん、もうこの時点でおいしそう。

野菜をバランスよく配置します。

土鍋のまま火にかけて、煮込み第2段階。

沸いてきたら蓋をして弱火で5分ほど。

土鍋ビーフシチューの完成です。

🍲ごはんに合う土鍋シチュー

トマトの風味が優しくて、ワインを控えた分、どことなく懐かしさを覚える、そんなシチューになりました。

これはワインとパンより、ごはんと箸休めのお新香がほしくなる。

最初はスプーンですくったシチューソースをひと口。うん、まろやか。おいしいです。

次はもも肉をぱくり。お肉は繊維に沿ってほぐれる、やわらか食感。すじ肉はとろとろ。2種類のお肉それぞれ、煮込みの魅力満載です。

じゃがいも、にんじん、シチューソースをまとった野菜も美味しく煮込まれてます。

ひととおり具材を楽しんだら、さあいよいよ、オンザライス。お肉をすくってソースごとごはんに、どん。お茶碗のごはんをスプーンで食べるのも、土鍋シチュースタイル。ごはんといっしょに食べるシチューは、なんだかほっとする味です。

何口か食べると、まっ白だったライスが、ところどころシチューの色に染まります。その染まったごはんと一緒に箸休めのお漬物をぽりぽり。

ごはんに合う土鍋シチューは、トマトをきかせた赤い色。ぐつぐついわせて楽しみます。

🍲シチューの材料(2皿分)


・牛ももブロック…300グラム
・牛すじ…200グラム
・玉ねぎ…1個
・にんじん…1本
・にんにく…1片
・バター…10+5グラム
・オリーブオイル…大さじ1
・ケチャップ…大さじ1
・トマトペースト…小袋1
・赤ワイン…1/4カップ
・フォンドボー…小袋1
・水…800cc
・ウスターソース…大さじ1
・こしょう…適量

🥕付け合せの材料
・じゃがいも
・にんじん
・マッシュルーム
・絹さや

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