パイオニア通信Vol.01-12/16禁止制限告知/StarCityGames:IQ-Austin

 こんにちは。とけいまわりです。しがない片田舎のマジック・ザ・ギャザリング(以下MtG)のプレイヤーです。最近は子育てが忙しく、大会などには出られていませんが、適度なフリープレイを楽しんでいます。

 普段は適当な英語記事の和訳を通じて、MtGの情報をお伝えしていますが、主要な海外メディアの議論の場がDiscordに移っている、そのためクオリティの高い記事が少なくなっているなどの理由から、自身で情報をまとめ発信していく機会も必要だと思い、記事配信を決意した次第です。

 このnoteでは、Magic; The Gatheringの新設フォーマット「パイオニア/Pioneer」に特化して、デッキ紹介やメタ動向など、気になる情報をお伝えしていこうと思います。

 永遠のエアプ勢の自分が、メモしたり考えたりしたことを言語化した程度の内容なので、深い考察などはできていませんが、少しでも皆さんの参考になれば幸いです。

■0.はじめに~パイオニアとは~

パイオニア/Pioneer」とは、Wizards of the Coast社(以下WotC)が2019年10月21日の禁止改定と同時に発表した、新しい競技フォーマットです。
特徴としては、

・2012年10月以降に発売されたカードが使用可能(例外あり)
・MtG Arenaでは2019/12時点で実装されていない
(ヒストリック/Historicとは異なります)
・MtG Onlineでは実装中
・テーブルトップ(※紙のカードを使用した卓上でのプレイ)の大会でも順次導入中

といったものが挙げられます。


【禁止カード一覧】※2019/12/17時点

・有効色フェッチランド(5種)
《溢れかえる岸辺/Flooded Strand》
《汚染された三角州/Polluted Delta》
《血染めのぬかるみ/Bloodstained Mire》
《樹木茂る山麓/Wooded Foothills》
《吹きさらしの荒野/Windswept Heath》
・スタンダード禁止実績のあるカード(6種):
《死者の原野/Field of the Dead》
《守護フェリダー/Felidar Guardian》
《むかしむかし/Once Upon a Time》
《夏の帳/Veil of Summer》
《密輸人の回転翼機/Smuggler's Copter》
《王冠泥棒、オーコ/Oko, Thief of Crowns》
・その他禁止カード(3種)
《ニッサの誓い/Oath of Nissa》
《豊穣の力線/Leyline of Abundance》
《運命のきずな/Nexus of Fate》 ※MtGA BO1では禁止実績あり

 「支配率の高いデッキは容赦なく禁止で弱体化させていく」というのがひとつの特徴です。ここでは禁止の是非や「なぜ印刷した」については議論しませんが、MO上のメタゲームを中心にデータ分析をし、勝率の極端に高いデッキの骨子となるカードを禁止することで、バランスを調整する方向性のようです。モダンにおけるホガーク・ヴァインやスタンダードにおけるシミック・フードのような状況は即時テコ入れがされるといっても過言ではありません。

■1.ニュース:12/16付禁止制限告知

 12/16付(日本では12/17AM発表)で2枚の禁止が出ました。
 《王冠泥棒、オーコ/Oko, Thief of Crowns》、《運命のきずな/Nexus of Fate》です。
 特に《オーコ》の禁止は非常に影響が高く、フォーマット制定当時から環境を支配していたので、ここまでがパイオニアのβテストで、これからが正式なパイオニアフォーマットの始まり、といっても過言ではありません。

画像1

 さて、《オーコ》のせいで使えなかった戦略、デッキ、カードなどを見ていきましょう。

【戦略】
・クリーチャー・アーティファクト中心のミッドレンジorコンボorランプorコントロール戦略
 当たり前の話ですが、MtGではマナコストの高いクリーチャーやアーティファクトはそれ相応に強力な能力を持ちます。しかし《オーコ》によって安易に、しかもカードアドバンテージを失わずに弱体化されてしまうため、《オーコ》自体の堅さも相まって、パイオニアではクリーチャー(またはアーティファクト)中心のミッドレンジ戦略が非常に弱い戦略でした。
 スタンダードであまり見られなかった《神話実現》をフィニッシャーに据えたコントロールが成功した例もあるのは典型的な例でしょう。
 《オーコ》の禁止によって、これらの戦略が「初めて」可能となります。
 →マナ加速から大型クリーチャーを叩きつける戦略
 →クリーチャーの死亡時誘発型(PIG)能力を活かした戦略
 →支配力の高いクリーチャーでフィニッシュするコントロール戦略
 などなど、環境は劇的に変化します。

・高速アグロ戦略
 《オーコ》の厄介な点が、毎ターン3点のライフを得られる装置になる点です。これによりラムナプ・レッドや白単など、高速展開から初期ライフ20点を削りきるデッキは、ほぼ成立しなくなっていました。特に先手2ターン目に出された場合は、「オーコを殴るか、無視して本体を殴るか」というどちらも損な二択を強いられ、相手は《オーコ》を維持しながら必要最小限のリアクションで応じるだけでライフ水準を維持できるようになります。

【デッキ】
・キーとなるアーティファクトを軸としたデッキ
 具体的には青白ギフト(《王神の贈り物》)マーベル(《霊気池の驚異》)スラムダンク(《霊気貯蔵器》)、といったスタンダードを席巻したデッキの数々です。スタンダード時代にはそれぞれ、アーティファクト破壊を積んでも対処が難しいと言われたデッキで、一部は禁止もされています。
 カードプールの拡大に伴って、より適合したパーツを得られる可能性も高く、ポテンシャルは十分にあります。スピードが若干遅いデッキもありますが、《運命のきずな》禁止によってある程度のロングゲームが許容されるようになったので、研究の余地は十分にあります。

・クリーチャー軸のコンボ
 具体的にはケシスコンボ(《隠された手、ケシス》)スラムダンク(《遵法長、バラル》)、などのクリーチャーを核としたコンボデッキです。広義ではボロス・フェザー巻きつき蛇など、一定のクリーチャーを核としたデッキ全般が該当します。キーカードを引き込むことで初めて機能しますが、《オーコ》で無効化されることでデッキのコンセプトが崩壊します。これからは無力化されないため除去と戦う従来のMtGに戻ります。

・支配的なクリーチャーでフィニッシュするデッキ
 具体的にはラムナプレッド(《熱烈の神ハゾレト》)スゥルタイエネルギー(《スカラベの神》)青単信心(《海の神、タッサ》)、といった除去体制持ちのクリーチャーを擁するデッキです。いわゆる「1枚で勝てる」の代表格でしたが、《オーコ》で無効化されることも多く、それに頼りきった戦略では勝ちぬくことができませんでした。これからは、先述のデッキは戦場の優位を固定しやすくなります。

・問答無用のフィニッシャーを叩きつけるデッキ
 具体的には《絶え間ない飢餓、ウラモグ》《約束された終末、エムラクール》を使ったランプ系デッキが該当します。苦労して出しても、ターンさえ返してしまうと《オーコ》で無効化されてしまうため、一発逆転力に不安がありました。これからは無効化する方法が少なくなるため、ランプ系戦略も検討の余地があります。

・高速アグロデッキ
 具体的にはラムナプレッドなどの直接火力のあるデッキが使いやすくなります。また黒単吸血鬼など、間接的にライフを削る手段が複数あるデッキも使いやすくなります。速攻系デッキへの対抗策を《オーコ》に頼るデッキが多かったため、今後はゲームレンジを短くすることで成功する例が増えるでしょう。

【カード】
・重く、ターン経過を経るごとに強力になるアーティファクト
 《王神の贈り物》《霊気池の脅威》《霊気貯蔵器》《グレートヘンジ》《エンバレスの宝剣》《電招の塔》《エレボスの鞭》etc

・制圧力の高いクリーチャー
 《絶え間ない飢餓、ウラモグ》《約束された終末、エムラクール》《スカラベの神》《不屈の神ロナス》《熱烈の神ハゾレト》《海の神、タッサ》《再燃するフェニックス》

・速攻性は薄いが放置できないクリーチャー
 《贖いし者、フェザー》《隠された手、ケシス》《乱動の座、オムナス》《黎明をもたらす者ライラ》《静電気式打撃体》《不屈の追跡者》《ゲトの裏切り者、カリタス》《竜使いののけ者》《ヴリンの神童、ジェイス》

・特定のデッキに刺さるシステムクリーチャー
 《静寂をもたらすもの》《トカートリの儀仗兵》《威圧する君主》《異端聖戦士、サリア》《暴れ回るフェロキドン》《配分の領事、カンバール》

 他にも色々なカードに活躍の目が出てきます。カードやアイデアをいろいろ探してみるのも楽しい時間になるでしょう。

■2.リスト紹介:12/14 StarCityGames Invi Qualifier Austin, US

 禁止改定直前の大会となりましたが、SCG招待予選が開催されました。

 1位:※禁止※ バントネクサス 
 2位:黒緑《硬化された鱗》
 3位:青白コントロール
 4位:※禁止※ 青緑ミッドレンジ 
 5位:アブザンコントロール
 6位:青赤フェニックス
 7位:赤単ミッドレンジ
 8位:黒緑《魂剥ぎ》

 バラエティ豊かなラインナップとなりました。今回の禁止カード2種はTOP8に1種ずつが入賞しましたが、相当意識されていたことは間違いありません。リストを見てみましょう。

Hardened Scales
Steven Watt
2nd Place at Star City Games Invitational Qualifier on 12/14/2019
lands (22)
6 《森/Forest》
1 《沼/Swamp》
4 《花盛りの湿地/Blooming Marsh》
1 《ギャレンブリグ城/Castle Garenbrig》
2 《ハシェプのオアシス/Hashep Oasis》
4 《ラノワールの荒原/Llanowar Wastes》
4 《草むした墓/Overgrown Tomb》
creatures (25)
2 《石とぐろの海蛇/Stonecoil Serpent》
4 《歩行バリスタ/Walking Ballista》
4 《エルフの神秘家/Elvish Mystic》
4 《ラノワールのエルフ/Llanowar Elves》
2 《漁る軟泥/Scavenging Ooze》
4 《大食のハイドラ/Voracious Hydra》
4 《巻きつき蛇/Winding Constrictor》
1 《ピーマの改革派、リシュカー/Rishkar, Peema Renegade》
planeswalkers (6)
3 《ゼンディカーの代弁者、ニッサ/Nissa, Voice of Zendikar》
3 《アーク弓のレインジャー、ビビアン/Vivien, Arkbow Ranger》
spells (7)
4 《硬化した鱗/Hardened Scales》
3 《致命的な一押し/Fatal Push》
sideboard
2 《搭載歩行機械/Hangarback Walker》
1 《再利用の賢者/Reclamation Sage》
1 《変容するケラトプス/Shifting Ceratops》
1 《暗殺者の戦利品/Assassin's Trophy》
1 《ゴルガリの魔除け/Golgari Charm》
2 《害悪な掌握/Noxious Grasp》
2 《ゲトの裏切り者、カリタス/Kalitas, Traitor of Ghet》
1 《探索する獣/Questing Beast》
4 《思考囲い/Thoughtseize》

【リスト特徴】
 環境初期から入賞を繰り返している、黒緑《硬化された鱗》です。モダンでも見られるデッキで、《巻き付き蛇》との8枚体制から、+1/+1カウンターのシナジーを活かしたビートダウン戦略が得意です。スピードが非常に早く、早ければ4~5キルも珍しくありません。
 このリストはマナクリーチャーを多く採用して展開を早くし、全体除去や《運命のきずな》が飛んでくる前に勝負を決めてしまおう、という気概を感じます。多く採用されたマナクリも《ニッサ》《ビビアン》で強化できるため後半も無駄になりません。
 《オーコ》環境のために使われているカードとして《アーク弓のレインジャー、ビビアン》が挙げられます。環境に《オーコ》対処のための《突然の衰微》が多いことを見越して、メインから多めに採用されています。このデッキであれば一時的にパワーが6以上のクリーチャーを用意することも難しくなく、《オーコ》をワンアクションで処理することも可能です。
 また、このデッキであればメインに4枚入れてもおかしくない《搭載歩行機械》がサイドボードに2枚と少なくなっているのも《オーコ》の影響です。死亡誘発型能力が封じられると単なる燃費の悪いクリーチャーでしかありません。このデッキでは《ビビアン》で必要に応じてシルバーバレットできるように組み立てられています。
【今後の変更】
 《オーコ》退場を受けて、再び《搭載歩行機械》がメインに採用されることが増えるでしょう。また、《突然の衰微》が環境から減少すれば、《マナ喰らいのハイドラ》などの3マナ域も考慮に値しますが、現状のスタッフを押しのけて採用されるかどうかは難しいところです。今後はミッドレンジ的なデッキが増えてくると予想されるので、《致命的な一押し》に変えて《思考囲い》をメインに昇格させるほうが戦いやすくなるでしょう。

Abzan Midrange
Kevin Jenkins
5th Place at Star City Games Invitational Qualifier on 12/14/2019
lands (25)
3 《森/Forest》
1 《平地/Plains》
2 《沼/Swamp》
2 《花盛りの湿地/Blooming Marsh》
2 《ロークスワイン城/Castle Locthwain》
1 《寓話の小道/Fabled Passage》
2 《神無き祭殿/Godless Shrine》
1 《風切る泥沼/Hissing Quagmire》
1 《孤立した礼拝堂/Isolated Chapel》
2 《草むした墓/Overgrown Tomb》
2 《砂草原の城塞/Sandsteppe Citadel》
2 《乱脈な気孔/Shambling Vent》
2 《寺院の庭/Temple Garden》
1 《森林の墓地/Woodland Cemetery》
1 《ヨーグモスの墳墓、アーボーグ/Urborg, Tomb of Yawgmoth》
creatures (9)
3 《残忍な騎士/Murderous Rider》
4 《包囲サイ/Siege Rhino》
2 《巨森の予見者、ニッサ/Nissa, Vastwood Seer》
planeswalkers (3)
1 《最後の望み、リリアナ/Liliana, the Last Hope》
1 《灯の再覚醒、オブ・ニクシリス/Ob Nixilis Reignited》
1 《ゴルガリの女王、ヴラスカ/Vraska, Golgari Queen》
spells (23)
4 《突然の衰微/Abrupt Decay》
3 《アブザンの魔除け/Abzan Charm》
2 《暗殺者の戦利品/Assassin's Trophy》
2 《致命的な一押し/Fatal Push》
1 《完全なる終わり/Utter End》
2 《闇の誓願/Dark Petition》
3 《衰滅/Languish》
1 《苦い真理/Painful Truths》
1 《過ぎ去った季節/Seasons Past》
4 《思考囲い/Thoughtseize》
sideboard
2 《殺戮の暴君/Carnage Tyrant》
1 《不屈の追跡者/Tireless Tracker》
1 《安らかなる眠り/Rest in Peace》
1 《厳粛/Solemnity》
1 《致命的な一押し/Fatal Push》
1 《害悪な掌握/Noxious Grasp》
1 《ゲトの裏切り者、カリタス/Kalitas, Traitor of Ghet》
1 《配分の領事、カンバール/Kambal, Consul of Allocation》
1 《探索する獣/Questing Beast》
2 《強迫/Duress》
1 《苦い真理/Painful Truths》
1 《思考のひずみ/Thought Distortion》

【リスト特徴】
 《過ぎ去った季節》を軸にしたコントロール色の強いデッキです。1対1交換や全除去を繰り返しリソース勝負に持ち込み《過ぎ去った季節》と《闇の請願》のコンボでリソース差をつけて勝利します。《衰滅》を生き残る《包囲サイ》がメインアタッカーを務めます。
 《闇の請願》によるシルバーバレットが洗練されており、いわゆる「1枚で勝てる」カードが多く採用されています。コントロールに対する《殺戮の暴君》《思考のひずみ》、ネクサスやフェニックス系に対する《配分の領事、カンバール》、鱗に対する《厳粛》など、他のトップメタを意識し、可能な限り解決策を詰め込んだデッキになっています。
 メインは《突然の衰微》4枚体制で強く《オーコ》を意識しています。逆に、メインに《苦い心理》が採用されていたり、《致命的な一押し》が少なかったり、ライフを速やかに削ってくるデッキへの意識は低くなっています。《オーコ》環境では単純なビートダウンが成立しづらいことを婉曲的に表わしています。
【今後の変更】
 《オーコ》の退場により、それまで抑圧されていた赤単や白単といった高速アグロが増えてくるとすれば、このメインの構成ではまず勝てません。《肉儀場の叫び》や《アラシンの僧侶》など、序盤にとれるアドバンテージカードが重要になってきます。メタの変遷次第ですが、《突然の衰微》はもはや4枚も入れる必要はないでしょう。《致命的な一押し》《死の重み》といった軽いカードや《軍団の最期》のような追放除去に重きが置かれそうです。メインへの《漁る軟泥》投入などで《思考囲い》のライフ減少を補填する必要もありそうです。

Big Red
Matt Tennyson
7th Place at Star City Games Invitational Qualifier on 12/14/2019
lands (24)
16 《山/Mountain》
4 《エンバレス城/Castle Embereth》
1 《廃墟の地/Field of Ruin》
3 《精霊龍の安息地/Haven of the Spirit Dragon》
creatures (13)
2 《砕骨の巨人/Bonecrusher Giant》
4 《栄光をもたらすもの/Glorybringer》
3 《嵐の息吹のドラゴン/Stormbreath Dragon》
4 《雷破の執政/Thunderbreak Regent》
planeswalkers (7)
3 《反逆の先導者、チャンドラ/Chandra, Torch of Defiance》
4 《火の血脈、サルカン/Sarkhan, Fireblood》
spells (16)
2 《削剥/Abrade》
4 《龍詞の咆哮/Draconic Roar》
4 《マグマのしぶき/Magma Spray》
4 《神々の憤怒/Anger of the Gods》
2 《火口の爪/Crater's Claws》
sideboard
3 《魔術遠眼鏡/Sorcerous Spyglass》
3 《ゴブリンの熟練扇動者/Goblin Rabblemaster》
2 《削剥/Abrade》
2 《宿命的火災/Fated Conflagration》
2 《苦悩火/Banefire》
3 《焙り焼き/Roast》

【リスト特徴】
 ミッドレンジ型の赤単、通称Big Redです。ドラゴンシナジーを取り入れていて、《龍詞の咆哮》を採用しているのが最大の特徴です。ボードコントロール力が非常に高く、特に《神々の憤怒》は黒単や青緑系に非常に良く効くカードです。マッチアップによっては腐りがちな除去を、《火の血脈、サルカン》をフル搭載することでデッキの回転を速め、無駄カードのサイクリングを狙っています。
 《オーコ》に影響されづらい速攻・飛行ドラゴンを7枚採用、ダメージソースとして優秀な《反逆の先導者、チャンドラ》を採用することで、《龍詞の咆哮》と合わせて速やかにライフを削りきることを狙っています。フィニッシュブローの《火口の爪》も効率よくマナを使えるためデッキに合致しています。
【今後の変更】
 ターゲットが明確になりづらい環境の変わり目では、非常に使いづらい類のデッキです。アーティファクトへのガードが下がった結果、使用するデッキが環境に増えれば《削剥》を増やす必要があります。《衰滅》が環境に多くなるならプレインズウォーカーを採用したり、トップの叩きつけ合いが多くなるなら、《炎呼び、チャンドラ》などのゲーム決定力の高いカードが必要になってきます。こういった「受け」重視のデッキは、メタの変遷をよく読む自信がなければ、しばらく使わないことを薦めます。


■3.終わりに

 2019年12月16日。
 この日は、パイオニアの正式リリース日として今後末永く語り継がれる日となるでしょう。
 今後は様々なデッキが試されて、淘汰されて、メタがぐるぐると回っていくことが予想されます。試すなら今のうち、ぜひ様々なアイデアを形にしてみてください!

原則、全記事全文無料で公開していますが、モチベーション維持や更新頻度の向上、家族サービス費用、コンテンツ精度の確保等のため、あなたからのサポートを随時お待ちしております。たとえ少しずつでもご支援いただければ、これほど嬉しいことはありません。よろしくお願いします!