球春到来!何故今年の中日ドラゴンズはこんなにも面白いのか

 皆様お久しぶりです。大学が始まったりスプラトゥーン2の大会を友人と企画していたりして暫く筆を執る機会がなかったのですが、やっとその機会を確保することができました。できればもっと頻繁に野球のことや読んだ本のことなどをnoteに書き記していきたいのですが、生憎その時間はなかなか取れずじまいです。
 さて、今回はタイトル通り中日ドラゴンズファンの僕が今年の中日ドラゴンズを見ていてとても面白いと感じるため、それは何故か考え書いていきたいと思います。

投打に嬉しいものも含めて誤算が多い

 まずは4月18日時点での成績を見てみましょう。中日ドラゴンズは17試合を終えてセ・リーグ3位の10勝7敗で1位の広島、2位の巨人とは1.5ゲーム差という好位置につけています。
 投手陣は開幕カードこそ大野・柳両投手が荒れたものの、後の2試合では両名共に安定感抜群で、特に柳投手は2試合連続完投(うち1試合完封)と見事なピッチングを見せています。そのほかの先発陣もしっかりと5イニング以上を毎回投げて、最低限以上のゲームメイクを見せています。更には打っても打率2割中盤に1HR、ジエンゴも多く投手も9人目の野手という言葉を体現する成績を残しています。
 そして何より特筆すべきは救援陣でしょう。セ・リーグの他チームがなかなか勝ちパターンを固定できないなかで、岩嵜投手の負傷という誤算はあったものの、その誤算を埋めたのも誤算でした。清水投手が7回の男として活躍を見せ、8回はジャリエル・ロドリゲス投手が7試合を投げて未だ無失点どころか課題だった制球も、四球が1と改善を見せています。更には高い奪三振率(11.05)を見せ、K/BBは9.00、WHIPは0.27と今の球界で最も制圧力の高いリリーバーと言って過言ではないでしょう。抑えのライデル・マルティネス投手も開幕から調子が上がらない部分はあったものの、徐々に調子を上げてきています。
 
 野手陣はどうでしょうか。課題だった両翼のうち、レフトには開幕こそ福留選手を起用したものの、その後はドラ2ルーキーの鵜飼選手や2軍で打ちまくって昇格を掴んだアリエル・マルティネス選手の併用で、一定の攻撃力の確保に成功しました。そしてライトには怪我を押して出場中の岡林選手が主に入っています。開幕の巨人戦3試合のうち2試合で猛打賞のロケットスタートを決めると、ここまで17試合全てに出場して打率.258とまずまずの成績を残しています。
 しかし、外野手で最も注目すべきはセンター大島選手でしょう。17試合に出場して打率.397に加えてOPS.950と、1番バッターとして文句のない活躍を見せています。
 内野に目を向ければ高橋周平選手の怪我でセカンドに入る阿部選手が序盤こそ低調であったものの、17試合で打率.290、3HR、OPS.861、得点圏打率.462と5番打者として機能しているのに加え、こちらも序盤低調であった木下選手も6番として機能、7番石川昂也選手も神宮球場での初HRをきっかけにOPSが.700を突破するなど打線全体として上向いている印象を受けます。これに加えてビシエド選手がまだ本調子でなく、京田選手も流石に下振れ過ぎている打撃成績である誤算を考えると、まだまだ伸びしろがあると考えられます。

何故今年の中日は見ていて面白いのか

1.昨年に比べて若い面子が多い

   投手陣では高橋宏斗投手は開幕ローテーション入りをし、プロ2戦目
  の神宮球場で初勝利。清水達也投手はリリーフながらチームトップの3
  勝をあげており、立浪監督からも厳しい場面での起用が示唆されていま  
  す。また、一昨年のドラ2ルーキーである森博人投手も1軍ベンチ入りし
  ています。
   野手陣では石川昂也選手・鵜飼航丞選手の2本塁打に加えて、岡林選 
  手がライトのレギュラーとしての定着の兆しを見せ、根尾選手も出番こ
  そ少ないものの、昨年に比べて打てる・選べる予兆を見せています。
   若いだけでなく、昨年までは殆ど1軍で見る機会のなかった選手が1軍
  で活躍している、というのはやはりプロ野球ファンとして楽しみな要素
  の一つになるのではないかと思います。

2.終盤の強さ

   中日ファンだけでなく、多少他球団の情報に精通している他球団ファ
  ンの方はご存じかと思いますが、今年の中日ドラゴンズは8回に打率と  
  得点が突如上昇するという現象が起こっています。実際に中日の試合を
  見ている中で8回に勝ち越しや逆転、ダメ押しといった試合を決める重
  要な要素になる得点が入ることが多いと感じています。では何故この現
  象が起こっているのでしょうか。
   仮説として考えられるのは、前述した通り勝ちパターンが確定してい 
  ないチームが多いことです。クローザーは決まっているチームが多くと
  も、そこに繋げるまでのリリーフがピリッとしない、というチームも多 
  く、それが『ミラクル8』と呼称される中日打線の8回における異常なま
  での強さに繋がっているのではないでしょうか。
   また、延長に入れば3戦3勝で既に2度のサヨナラ勝ちと、延長戦にも 
  強いです。開幕してまだ17戦を終えたところであることを踏まえると、
  失礼ながら昨年までは延長戦に入っても決めきれなかった打線とは思え 
  ない脅威の勝負強さだと思います。
   そして忘れてはいけないのはこれを支えている救援陣の強さです。こ
  ちらも前述した通り救援陣はリーグ屈指であり、固定されている勝ちパ 
  ターンだけでなく、腋を固める投手陣も2020年に最優秀中継ぎ投手のタ
  イトルを獲得した祖父江大輔投手に福敬登投手、トミー・ジョン手術か
  ら昨年復活し、術前はクローザーを一時期務めたこともある、田島慎二
  投手と経験豊富な投手が揃っており、それに加えて藤嶋健人投手や森博
  人投手と将来性が楽しみな若手(藤嶋投手は昨年の成績もよかったので実
  績十分と言えなくもない)が揃っています。昨年、与田剛監督政権下で目
  指したものの実現しなかった、勝ちパターンを2通り用意するという構  
  想にかなり近い陣容が揃っているのですから、その強力さは推して知る
  べしといった所でしょう。

最後に

 シーズン143試合のうち、17試合終えた現時点で言うには気が早いという方もいらっしゃるでしょうが、ぶっちゃけ今年の中日ドラゴンズがここまでやるとは思いませんでした。新外国人の補強は育成二人のみ、新たに育成から支配下に登録した選手もなしで、自由契約からの補強は育成の大嶺投手のみ。更には人的保障で実績のある岩嵜投手を獲得できたものの、FAで又吉投手は流出と、散々なオフ(KBOで新外国人候補であったブリトー選手が成績低調なのを考えるとまだ良かったのかもしれない)でしたし、ドラフトでは大卒外野手3人を獲得したものの、昨年のDeNA牧選手や阪神の佐藤輝明選手のような、八面六臂の大活躍をいきなり見込むにはかなり厳しい状況でしたので、おいおい本当にこれで補強終了で良いのか!?と思っていましたから。蓋を開けてみればこの成績でまさかの3位と、プロ野球はこれだから面白い!という感情とこれが果たして継続するのだろうか……という感情が入り混じっています。が、なんにせよ近年開幕から調子の上がらなかったチームにしては、開幕スタートダッシュに成功したと言えるのではないのでしょうか。シーズン序盤ということもあり、まだ上位・下位共に差が離れていないこの状況(1チーム除く)の中、立浪和義新監督率いる中日ドラゴンズがどのような活躍を見せてくれるのか、とても楽しみにしています!


  

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